年金時効特例法案6月1日衆議員を通過
社会保険庁改革関連法案と受給漏れ年金の時効を撤廃する年金時効特例法案は、6月1日未明に、与党・自公民党の賛成多数で衆議院本会議で可決。参議院に送られ両法案は6月中旬の成立となる見込みである。
この年金時効特例法案成立によって、何が救済されるのか整理してみる。
6月1日朝日新聞の記事から引用(「」内)すると、
1.「5年の時効に引っかかって本来もらえる年金を全額もらえなかったのは平均寿命などを加味して『25万人』」が救済対象→(この数値は、実数ではなく推定値だという点に注意:筆者)
2.「加入期間の訂正で534億円、受給権発生時期の変更で393億円、保険料算定の基礎となる賞与・月額報酬の訂正で17億円」で約950億円。→(この時点で年金の繰上げ財政再計算を野党はなぜもとめないかの?:筆者)
3.この約950億円のうち、「国庫負担分は、基礎年金の国庫負担割合(3分の1)などから60億円と計算」→(国庫負担は税金だが、残り890億円は現在の現役加入者の保険料と年金積立資産からの払われることになるのであろう:筆者)
4.今後、「宙にういた年金記録」5,000万件のうち受給年齢に達した2,880万件に救済対象を拡大。「追加支給額も950億円からどこまで増えるのか未知数」→(本来、この問題は政府の監督責任の怠慢による記録管理のミス。しかも、社保庁からすれば制度の仕組みが許した記録棚上げ。それを政治的に救済とする以上、その賠償は国家賠償に近いものであるわけだから、その財源は国庫からなすべきで、年金会計から賄うのはいかがなものなのだろうか?国庫といっても税金で、懐は国民の財布に変わりはないが・・。いずれにしても年金財政再計算は必要なはずである:筆者)
5.ただし、社保庁にも保険料納付者にも証拠がない、消えた年金記録は、「この特例法案では解決しない」。06年8月から07年2月までの間に約2万人が社保庁に「加入記録復活」も申し出たが、「記録なし」で却下されているという。
5,000万件の不明年金問題は、社保庁の杜撰さを通り越して、制度の構造そのものが問題である。しかも、この5年時効が廃止され、巨額の年金が再支給される事態になって、マスメディアも野党、労組も、2004年年金改正の「100年安心プラン」の見直し、制度の抜本改正を要求しないのも、なんとも暢気な話である。

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