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2007年06月 アーカイブ

2007年06月01日

年金時効特例法案6月1日衆議員を通過

社会保険庁改革関連法案と受給漏れ年金の時効を撤廃する年金時効特例法案は、6月1日未明に、与党・自公民党の賛成多数で衆議院本会議で可決。参議院に送られ両法案は6月中旬の成立となる見込みである。

この年金時効特例法案成立によって、何が救済されるのか整理してみる。
6月1日朝日新聞の記事から引用(「」内)すると、
1.「5年の時効に引っかかって本来もらえる年金を全額もらえなかったのは平均寿命などを加味して『25万人』」が救済対象→(この数値は、実数ではなく推定値だという点に注意:筆者)
2.「加入期間の訂正で534億円、受給権発生時期の変更で393億円、保険料算定の基礎となる賞与・月額報酬の訂正で17億円」で約950億円。→(この時点で年金の繰上げ財政再計算を野党はなぜもとめないかの?:筆者)
3.この約950億円のうち、「国庫負担分は、基礎年金の国庫負担割合(3分の1)などから60億円と計算」→(国庫負担は税金だが、残り890億円は現在の現役加入者の保険料と年金積立資産からの払われることになるのであろう:筆者)
4.今後、「宙にういた年金記録」5,000万件のうち受給年齢に達した2,880万件に救済対象を拡大。「追加支給額も950億円からどこまで増えるのか未知数」→(本来、この問題は政府の監督責任の怠慢による記録管理のミス。しかも、社保庁からすれば制度の仕組みが許した記録棚上げ。それを政治的に救済とする以上、その賠償は国家賠償に近いものであるわけだから、その財源は国庫からなすべきで、年金会計から賄うのはいかがなものなのだろうか?国庫といっても税金で、懐は国民の財布に変わりはないが・・。いずれにしても年金財政再計算は必要なはずである:筆者)
5.ただし、社保庁にも保険料納付者にも証拠がない、消えた年金記録は、「この特例法案では解決しない」。06年8月から07年2月までの間に約2万人が社保庁に「加入記録復活」も申し出たが、「記録なし」で却下されているという。

5,000万件の不明年金問題は、社保庁の杜撰さを通り越して、制度の構造そのものが問題である。しかも、この5年時効が廃止され、巨額の年金が再支給される事態になって、マスメディアも野党、労組も、2004年年金改正の「100年安心プラン」の見直し、制度の抜本改正を要求しないのも、なんとも暢気な話である。

自動車整備国民年金基金事務所所在地変更

1.新事務所の所在地 東京都港区赤坂2丁目10番16号
2.変更年月日 2007年5月28日

2007年5月28日<官報より>

公認会計士企業年金基金設立

1.基金の名称 公認会計士企業年金基金
2.事務所の所在地 東京都千代田区九段南4丁目4番1号
3.設立認可年月日 2007年5月1日
4.消滅した厚生年金基金の名所及び所在地
 公認会計士厚生年金基金 東京都千代田区九段南4丁目4番1号

2007年5月30日<官報より>

ジェトロニクス企業年金基金名称変更

1.新基金の名称  エヌ・ティ・ティ・データ・ジェトロニクス企業年金基金
2.変更年月日    2007年5月17日

2007年5月30日<官報より>

平成18年国民生活基礎調査の概況 

平成18年国民生活基礎調査の概況 
厚生労働省の「平成18年国民生活基礎調査の概況」によると、
所得の種類別1世帯当たり平均所得金額の構成割合は
全世帯では「稼働所得」が77.6%、「公的年金・恩給」が16.8%
高齢者世帯では「公的年金・恩給」が70.2%、「稼働所得」が18.0%
公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のなかで「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は59.9%。
と言う結果が出ている。

2007年06月04日

安倍内閣の年金特例法案、世論の支持率7%

朝日新聞の6月2日・3日の世論調査によると、内閣支持率は30%の「危険水域に近づいた」。不明年金の深刻な事態があらわになる中で、先週の支持率36%から急激に降下しつつある。

先週の与党・政府による年金時効特例法案の強行採決についても、衆議院での審議が不十分とみている人は78%、「十分だった」は7%というように、政権与党の不明年金問題の対応は国民の冷めた眼にさらされている現実の一端を示している。以下、07年6月4日朝日新聞世論調査記事を要約。

・政府の公約である不明年金記録の1年以内の点検については、「適切」と考える人が49%、「適切でない」が38%。
・政府の対応では正しい年金支給とならない恐れありと言う野党の主張に対しては、「その通りだ」が62%。
・自分の年金記録への信頼度について、「きちんと管理されている」と思っている人50%、「不十分」と疑念を持っている人43%。

2007年06月05日

適格年金2012年廃止後の受給者の年金はどうなる?

めったに新聞やTVなどの大手メディアの情報とならない適格年金2012年廃止問題について、年金情報(07年5月21日号)の「インサイド」が興味深い課題を提示している。その要点は次の7項目(「」内は同誌からの引用)。

1.2012年に廃止となる適格年金の受給者や受給待期者は、「閉鎖適格年金」として分別管理されるのか?「閉鎖適格年金」そのものも廃止されるのか?「いまだに明確でない」。
2.適格年金の所轄官庁である国税庁、企業年金の所轄官庁である厚労省も、この「閉鎖適格年金」の取り扱い、「改めて法令など定めるかどうか検討する予定すら現時点ではない」。
3.現在、適格年金制度は約5万件、加入者は約500万人、年金受給者は「信託銀行と生命保険会社の受託を合計すると、数万人規模になる見通しだ」。「受給者の一人当たり年金資産は、数百万円~1,000万円台」。
4.「閉鎖適格年金」が存続しても、「現在の税制優遇が存続する保証」はない。したがって、受給者の適格年金は、「公的年金控除」の対象からはずされる可能性もあるのか?税制優遇を続けるためには、他の確定給付企業年金に移行移換させる方法がある。しかし、「中小企業では単独では確定給付企業年金運営は難しい」。
5.「閉鎖適格年金」の運営コストは、「生保では年金額の1%しか制度管理手数料を徴収していない」。(この記事内容は疑問あり。実際には、「閉鎖適格年金」の業務委託費は1人の受給者でも年間数百万円と言う生保もある。また、閉鎖適年の年金資産は、リスク運用はせず、信託銀行の場合は普通預金並の金利、生保では解約ペナルティーありの新一般勘定というのが、最近の傾向と言われている。したがって閉鎖適年の年金給付水準を引き下げないかぎり、毎年度、利差損が発生するため追加の掛金が必要になる。年金給付率の引下げは現状では余程でないと役所の認可がもらえない。企業は追加負担するほかはない。ただし、この追加負担が損金として扱われるかどうかが企業にとっては問題だが、今の段階ではなにも決まっていない:筆者)。
6.「閉鎖適格年金」の新たなビジネスとして、「新たに受給者専用の確定給付企業年金を設立した信託」や、「一部外資系金融機関などは閉鎖適年の受給者向け分配型投資信託のような給付専用の金融商品」なども出始めてきた。
7.なお、同誌によると、朝日新聞社は、「今春、受給者が約300人いる閉鎖適年」を「厚生年金基金などへの移行を検討」。朝日新聞社は「閉鎖適年で終身年金を支給」。この朝日新聞社の例は適格年金制度の世界では特例中の特例といえるのではないか。

2007年06月06日

不明年金記録 政府の対応策とは?

政府は安倍首相の人気急落をうけて、にわかに、「年金記録問題対策」を示した。これは、5月25日の衆議院厚生労働委員会で柳澤伯夫厚労省が示した「年金記録への新対応策パッケージ」の6項目に日付入りの施行実施計画をもりこんだものである。要するに、社保庁の作文のおさらいである。
「年金記録への新対応策パッケージ」の6項目に順じて、政府案を盛り込むと次のように整理できる。

1.年金受給年齢到達者(生年月日が特定できたもの)約2,888万件と年金受給者3,000万件との記録突合、さらに保険料納付者約7,000万件との記録突合を08年5月までに終え、同一人の可能性のある受給権者に、08年8月までに加入履歴とともに照会の申出を勧奨する。09年3月までには全保険料納付者に通知する。
2.20歳以上の被保険者に送付する「ねんきん定期便」(35歳・45歳)等によって確認の呼掛けをする。58歳誕生日の「年金加入記録のお知らせ」の時に、未統合記録への注意を喚起し、照会申出を勧奨する。
3.無年金者には、受給資格未達者と未統合記録を突合し、市区町村が介護保険料納付通知書等の送付する時に、未統合記録へに注意と照会申出を勧奨
4.社保庁所蔵のマイクロフィルムデータおよび市町村の記録と社保庁オンラインデータとを突合を計画的に実施し、その進捗状況を半年ごとに報告する。
5.社保庁に加入記録がなく、加入者にも記録証拠がない場合は、年金支給が妥当かどうかを裁定する第三者委員会を社会保険事務所に設置する。
6.時効取扱いについては、年金特例法をもって廃止し、時効消滅したすべての回復措置を講じる。

重要なことは、太字にあるように「注意喚起」「照会申出」「通知」というように、ともかく本人が社会保険事務所に出向かないと話しにならないということ。この程度の行政サービスなら現在も同じ。
「領収書をもってきなさいという姿勢自体が、これまでの社会保険庁の姿勢」(5月25日衆議院厚生労働委員会)と答弁する安部首相という男は、なぜ、こうした不明年金が発生する制度なのか、根本から考察する知恵も知識もない首相と判断せざるをえない。言ってることとやることが、ばらばらである。

この他に、社会保険事務所の事務対応が次のように変更された。
1.電話相談を土日を含め24時間対応に。07年6月4日から実施。電話:0570-05-1165「イイロウゴ」という数字の語呂合わせの番号?!
2.年金記録専用電話相談を07年6月11日に設置。電話:0120-657830
3.社会保険事務所での年金相談業務を午後17時15分を午後19時までに延長。07年6月4日

2007年06月07日

出生率6年ぶりに上昇 、1.32へ

 合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の推定人数)が、2006年は上昇し、1.32となった。(6月6日付共同通信記事より)
 これは6日の厚生労働省の人口動態統計で明らかにされたもので、05年の1.26から0.06の大幅上昇。
 上昇したのは6年ぶりで、1.3台に回復したのは4年ぶりという結果。
 上昇の要因を厚労省は、景気回復に伴う雇用改善で結婚や出産が増加したことが背景にある、と分析している。
 一方で「長期的な少子化傾向は変わっていない」と慎重な見方もあわせてしている。 また専門家からは「05年に予想以上に低下した反動で一時的に上昇しただけ」との指摘もある。
 上昇したといっても1.3台前半は依然低い水準であり、政府は抜本的な少子化対策を急ぐ方針。(mts)

06年度末 DC自動移管者8万人突破

企業型確定拠出年金の加入資格を喪失したものの他制度への移行手続きをしない「自動移管者」が増え続けている。(2007.6.4 年金情報より)

国民年金基金連合会によると2006年度末時点の自動移管者数は8万638人と8万人を突破。そのうち2006年度に新たに自動移管者となったのは3万9599人で前年度の1.5倍増。一方で運用指図者も増加しており、2006年度末時点の運用指図者数は6万4944人で前年度の1.8倍増となった。(HMM)

2007年06月08日

新たに1430万件不明年金公表、さらに時効分支給非課税

6月6日衆議院厚生労働委員会で民主党の長妻議員が「社保庁資料」にある「未統合」記載について問い質したところ、社保庁は新たに不明年金1,430万件を白状。
すでに公表された5,000万件の不明年金とは別のもので、1978年3月時点で社保庁のコンピュータに未入力のものであったという。これは、社保庁によると1954年4月1日以前に厚生年金の資格喪失、1959年3月末までに再加入しなかった人達の記録で、職員が手書きした書類をマイクロフィルム化したままおかれているとのことである。

なお、日経新聞07年6月6日の記事によると、「政府与党は5日」「年金の時効の5年より前にさかのぼって支払う場合、その部分は非課税扱いにする方針」。また、支給漏れ年金は、単年度に一括で支給となる予定。

御幸毛織厚生年金基金清算結了

御幸毛織厚生年金基金清算結了

1.基金の名称    御幸毛織厚生年金基金
2.事務所の所在地 愛知県名古屋市西区市場木町390番地
3.清算結了年月日 2007年5月11日

2007年6月4日 <官報より>

日本ゴルフ場厚生年金基金清算結了

日本ゴルフ場厚生年金基金清算結了

1.基金の名称    日本ゴルフ場厚生年金基金
2.事務所の所在地 東京都千代田区内神田2丁目7番9号
3.清算結了年月日 2007年5月30日

2007年6月5日 ≪官報より≫

滋賀県建設業厚生年金基金解散


滋賀県建設業厚生年金基金解散

1.基金の名称 滋賀県建設業厚生年金基金
2.事務所の所在地 滋賀県大津市におの浜1丁目1番18号
3.解散認可年月日 2007年5月24日

2007年6月6日 ≪官報より≫

家計調査年報平成18年 世帯属性別の家計収支より

総務省統計局の家計調査年報 平成18年によると、
世帯主の年齢階級別の家計収支について、下記の結果が出ている。
二人以上の世帯では、消費支出は70歳以上の世帯を除くすべての年齢階級で実質減少。
二人以上の世帯のうち勤労者世帯では、可処分所得は40~49歳の世帯で実質増加。消費支出は50~59歳の世帯で最も減少。平均消費性向は30歳未満及び60歳以上の世帯で上昇。
単身世帯では、消費支出はすべての年齢階級で実質減少。
(NSS)

2007年06月11日

不明年金問題、社保庁職員が怠けていた?

5000万件の不明年金問題、多くの国民が社会保険事務所に殺到。都内某社会保険事務所の職員氏に問うと、「50人待ちは当たり前、平日であれば一日かかる覚悟」とのこと。電話の問い合わせだけで、一日20万件。そんな状況をうけて、全国の社会保険事務所の年金相談窓口は07年6月9日から土日業務を開始した。ところが、コンピュータは土日稼動になれないのか、午前中システム障害が発生。

この日、政治家の講演模様が幾つか報道された。際立っているのは、この国の政治家達の暗愚な年金理解度である。
森前総理大臣曰く「社保庁の役人が怠けていた」。自民党参議院幹事長の片山虎之助氏曰く「社保庁の労働組合が悪い」。怠ける社員、やりたい放題の労組がはびこる企業があるとして、問われるのは会社経営幹部の経営責任である。この60数年、社保庁の管理責任は政府にあり、政権与党の自民党にある。年金受給権の管理体制に根幹の問題がある現行の年金制度を「持続可能」として、頑なに擁護しているのも現与党・自民公明党である。

しかも、今後の不明年金対策の費用すら明確になっていない。「年金記録約5000万件と統合済みの記録との全件照合費用が計70億円になるとの政府試算が9日、判明した。電話相談などの費用を加えると当面の事務的経費だけで90億円となる。ただ、支給漏れ分を回復させるための経費や、5000万件を正確な記録に修正するために手書き台帳と突き合わせる費用は含まれていない。このため、費用がどの程度まで膨らむかはまったく見通しが立っていない」(サンケイ新聞070609)。

なお、社会保険事務所の年金相談業務の大半は、「ほとんどがパート・アルバイトの職員で、彼らが年金相談の中核」「正規職員の大半の年金制度の理解度は素人に毛が生えた程度」(元社保職員氏談)というのも、この国のお寒い年金管理の実情であることも付け加えておこう。

2007年06月12日

不明年金問題と企業年金

すでに、某大手企業年金基金で本人の申出により埋もれた年金記録が発掘され、返上金額に不足があり、厚労省からその差額の請求が出始たという。その数は、企業年金基金の財政を揺るがすほどにはならないであろうが、今後の国の不明年金記録突合、時効年金の返還によっては返上金額の差額請求はさみだれ式に続くとも言われている。また、厚生年金基金では、5,000万件の突合業務を社保庁と一体となってやらざるを得ないであろう。

某大手企業年金基金のマネジャー氏と解散厚生年金基金の元常務理事氏にこの不明年金問題と企業年金への今後の波及について聞いてみた。その内容はあくまでも推量の範囲ではあるが、薀蓄ある発言であり、要点を掲載する。

1.国や企業年金基金連合会のデータと個別厚生年金基金のデータの「ミスマッチデータ」は、最終的には「国に合わせる」ことで個別厚生年金基金は国から「納得」させられてきた。「国のデータの信憑性が疑われている以上、国に合わせた厚生年金基金の修正データも怪しいことは、当事者なら誰も知っている」(解散基金・元常務理事談)

2.解散厚生年金基金はすでに元データすらないから、「再度の突合の業務責任は、企業年金基金連合会にある」(解散基金・元常務理事談)。

3.特に、中途脱退者の記録データの「ミスマッチデータ」は、企業も厚生年金基金も「修正しきれていない」ままに、企業年金基金連合会に返還しているものが多い。国の言い分は、「本人が60歳時に年金請求すれば、その時、不明部分は記録照合すれば済む」ということで、企業や個々の厚生年金基金の在データは不問に付されてきた。

4.国のデータとの「記録突合」の再作業は必要になるのか?「代行返上したのだから、国がやるのが当然という意見もあるが、突合結果を加入者・受給者本人に確認・認証をもらっていない以上、ミスマッチ分は再度やり、本人確認をとるのが年金実務者の良心かも知れない」(企年基金M氏談)

5.年金受給者についても「明らかに報酬月額、資格取得・喪失時期などミスマッチがあっても」、企業や厚生年金基金に「証拠」なく、またあったとしても「再裁定請求をしてもらう手間が面倒」で、蓋をしてしまったケースある。

6.国はデータミスによる「過払い年金」は、年金受給者に通知し、年金減額している。

7.5年時効問題は、企業年金基金連合会にある短期加入の中途脱退者の年金にも適用されるのであろう。その残高は約一兆円とも言われている。時効年金は個別の厚生年金基金や企業年金基金にもある以上、今後、本人への通知、差額支給が問題になるであろう。特に「退職時裁定でない、支給時裁定の企業年金には、時効年金はかなりあるはず」(企年基金M氏談)

8.解散厚生年金基金も代行返上厚生年金基金も、「国のデータに合わせるか、企業のデータに合わせるかは、記録突合時の厚生年金基金の担当者と社会保険事務所との『アウンの呼吸』で決まった。日頃の『お付き合い』次第というように『いいかげん』といえばいいかげんなもの」「国の行政指針になかったとは言え、ミスマッチの修正について本人通知をしなかったことは今の状況からすれば迂闊なことだったのではないかという後悔は残る」(解散基金・元常務理事談)

2007年06月13日

年金支給判定、第三者委員会とは?

不明年金5,000万件問題と言われるが、この5,000万件はあくまでも社保庁のコンピュータデータとして、不完全な形であるものを言う。しかし、最も深刻なものは、この5,000万件以外に記録もれのある人々だ。

保険料を納付したがその領収書もなく記録確認がとれない、本人は厚生年金に加入していた記憶はあるがその記録がない。記録入力しようがないため、最低加入条件25年を満たせない、満たせていても満額年金に至らないといったケースである。その数は、本人の申し立てによってしか顕在化できないため、実数は計り様がない。この半年で、本人が社保庁に申し立て、却下されたもの2万件という。却下したのは、社保庁の社会保険審査会である。この社会保険審査会は社保庁職員にとっては、双六の上がりのような閑職で通っていた職階でもあった。

証拠もない、記録もない、年金除外者の救済のために第三者機関を地方にも設置することを、政府は決定。この第三者委員会の判定委員会は総務省と各都道府県に設置となるようだ。

この判定委員会は、「裁判官OB、検察官、弁護士、社会保険労務士、税理士、企業の厚生年金担当者ら数十人で構成」(日経新聞07年6月12日)。判定基準は、①本人の申し立て、②本人が提出した証拠、③社会保険事務所の調査結果などを参考に年金支給を判断するという。
判定委員会が起動した場合、社会保険審査会は、今後、年金裁定審査にどんな役割を担うのか、要注目である。また、この判定委員会のジャッジに不服の場合には、訴訟ということになるならば、現行の審査会と同じこと。なんと、無駄なことをするのか。

11日社保庁の24時間電話相談は、問い合わせ47万件、応対件数1万7千件、約45万件はつながらず、ただ電話が鳴り続けていただけだという。これも当然。そもそも社保庁に電話相談ができる職員がほとんどいない。にわかに、コールセンター要員を急募。なんと、無駄なことをするのか。安倍首相「最後の一人まで解決」と豪語する。「年金問題の原因はマスメディアと一部の人が不安を煽っていることにある」と首相就任以来の言動をどう反省しているのか、聞きたいところだ。

2007年06月15日

代行返上と不明年金記録

企業が厚生年金基金の代行部分を国への代行返上を決定すると、厚生年金基金にある加入記録と社保庁の加入記録の突合が始まる。このなかで、ミスマッチと呼ばれる不突合記録の扱いによっては、国=厚労省が認可する代行返上のスケジュールは大きな影響を受ける。

朝日新聞6月15日号は、紙面トップで「年金記録不一致『5%』 代行返上で判明」と、この不突合記録について報じている。この記事は、朝日新聞が数社の取材を通じた展開になっている。その内容を整理しておきたい。

1.大手飲料メーカー:約3万件のデータ突合。年金額に影響ある不突合は約3%超。影響額は年間一人あたり数千円から十数万円。名前など支給額に影響がない不突合は約5%。

2.10万人超の大手企業:名前・生年月日など支給額に影響がないデータを含めて約5%を修正。

3.大手建設会社:「段ボール一個分ぐらいの食い違い」。担当者談「85年より前の間違いが多かった。99%は社保庁のミス」

4.東京の大手電機メーカー:約6万件のうち、支給額に影響しないデータを含めて約300件で食い違い。「最終的に」「官庁ともめることはできない」「加入者の不利益にならないよう社保庁側のデータに合せ、会社側が訂正」。

5.別のメーカー:「記録の不一致は、2万人以上のデータのうち100件程度はあった」「代行返上による照合をしなければ、わからなかった」

年金支給判定機関、第三者委員会、300人規模

総務省に設置する第三者委員会は、中央と地方で約300人規模にする方針を政府は決定。中央に設置する委員会は、弁護士や社会保険労務士などを核とする10人、ケース別に5人ずつのチームを五つ作り、計35人とする。地方の総務省の行政相談窓口に設置する第三者委員会は、「弁護士、税理士、企業の年金実務者ら計5人をそれぞれ配置」(朝日新聞07年6月15日)。

なお、現在、全国の社会保険事務所では地元の社会保険労務士に相談窓口での応対要員派遣を要請。しかし、「社会保険労務士とは言え、年金に詳しい社労士は少ない。さらに相談に来る人は、ほとんどが喧嘩腰。こうした人々を上手くなだめながら、相談を円滑にすすめられる社労士となるとさらに少ない。日当は約1万2~4千円程度。少ないか多いかは社労士の判断だが、ベテランと呼ばれる社労士にとってはボランティア」、某社会保険労務士の談。

セントラル自動車企業年金基金設立

1.基金の名称  セントラル自動車企業年金基金
2.事務所の所在地 神奈川県相模原市大山町4番12号
3.設立認可年月日 2007年5月30日
4.消滅した厚生年金基金の名所及び所在地
 セントラル自動車厚生年金基金 神奈川県相模原市大山町4番12号

2007年6月14日≪官報より≫

2007年06月18日

今日から銀行・定期預金利率引上げ

銀行や信託銀行などが、6月18日から預け入り期間2年以上の定期預金の金利を引き上げる。三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行は11日からすでに引上げ。上げ幅は、住友信託銀行とみずほ銀行が0.1%、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行が0.05%。金利引き上げの要因は、長期金利の上昇。6月15日の長期金利は、10年国債利回りで1.95%。
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なお、確定拠出年金の運用商品であるDC定期預金の預け入れ期間3年から5年もので、発売金融機関によって違いはあるが06年12月時点で0.6%から0.8%。確定拠出年金制度の優遇金利は、市中金利の三割ほど高い。

一方で住宅ローンなど融資金利も着実に引き上がりつつあり、10年固定金利で3%後半から4%台。また、これまで、期間限定の固定金利1%から2%だった人も、続々、金利が倍の固定金利にするか、金利上昇リスクが高い変動金利にするか、その難しい選択に入った。

教育訓練給付の要件・内容2007.10.1変更

㈱ノヴァが6月20日付けで教育訓練給付金の対象講座の指定の取消しを受けた。
この教育訓練給付金の制度の趣旨は、労働者が主体的に能力開発に取り組むことを支援し、雇用の安定等を図るため、労働者が自ら費用を負担して一定の教育訓練を受けた場合に、その教育訓練に要した費用の一部に相当する額を支給するもの。

現在の教育訓練給付金の指定講座数は6,825講座(平成19年4月1日現在)。
2007年10月1日より、要件・内容が変わる。
●本来は「3年以上」の被保険者期間が必要である受給要件を、当分の間、初回に限り「1年以上」に緩和
●被保険者期間によって異なっていた給付率及び上限を一本化。
旧:被保険者期間3年以上5年未満 20%(上限10万円)、被保険者期間5年以上 40%(上限20万円)

新:被保険者期間3年以上20%(上限10万円)※初回に限り、被保険者期間1年以上で受給可能)

(NSS)

2007年06月19日

不明年金 学生時代の国民年金

20歳から大学卒業までの国民年金の加入期間が記録統合されていなことが判明。
1991年4月から20歳以上の学生も国民年金の強制加入となった。保険料を本人が払うか、親が払っていた場合に、卒業後に就職先に「年金手帳」を提示して、1つの基礎年金番号にし、新たに厚生年金記号番号を取得する。
1992年から96年に就職し厚生年金加入した学生の国民年金基礎年金番号が、2つになっているとのこと。その数は社会保険庁では把握しきれていないという。

なお、1997年1月からの基礎年金番号統合後は、こうしたダブル記録は起こらなくなったと社保庁は言明。しかし、実際には、卒業後の就職先に「年金手帳」提示がされていない、親が保管していた場合など、2つの基礎年金番号をもっている人はかなりいる。本人が直ちに、社会保険事務所での記録確認をする必要がある。

また、2000年度からの学生の納付特例制度を利用した人の多くが重要なことを忘れている。
学生本人が一定の所得以下の場合、学生期間中の保険料を免除され資格期間に算入。卒業後10年以内に保険料追納ができ、その期間は将来の年金額に算入できるのが、この学生の納付特例制度。しかし、卒業就職後10年以内に保険料納付できることをほとんどの人が知らない。20歳から22歳の2年分の年金、4万円×20年受けるとして、80万円の年金額に対して、追納保険料額は約30万円程度。

今日の不明年金問題

1.社保庁が実施した国民年金台帳からの3090件からのサンプル抽出調査で35件の誤入力発覚(070618)。
2.第三者委員会が6月19日の閣議決定で政令設立。「本省に30人以内で組織する年記録確認中央第三者委員会、地方の出先機関である同省行政評価局などには、それぞれ10人以内の地方第三委員会を置く」(朝日新聞070619)。この第三者委員会では、納付記録の証拠がなくとも「本人の合理的申し立て」「厚生年金の場合は元の会社の在籍把握」「過去の納税記録」があれば、加入を認める方向とのこと。この第三者委員会が総務省に置いたところが面白い。なぜか?総務省=旧自治省=戦前内務省の国民年金制度の覇権奪還への一手となるか?
なお、未加入記録の加入記録への変換にともなう「振り込んだ詐欺」がどの程度となるか?今後のメディアの「取材力」に期待したい。
3.自民党の中川昭一政調会長「原則25年以上の最低加入資格」を「もう少し弾力的にしてもいいのではないか」と発言。中川さん、この話は2004年の年金制度改正時に自民党の某筋に「最低加入資格10年」という案を提示したはずだが、聞く耳をもたなかったのは貴党である。なお、過去3回実施した「特例納付制度」の再実施も「勉強」すると発言。

また、重要なこと未納保険料を追納2年しか認めない現行制度にある。元厚労省大臣の尾辻さん、「保険料未納未加入問題は、保険料納付の2年遡及しかできない現行法を40年遡及可能にすれば、大半が片付く。それが嫌なら、税方式しかないですよ」と筆者が申し上げたところ、「保険料納付の2年遡及撤廃はやりたいのですが、国会議員のためとかマスコミに批判されて引っ込めました」と変な理屈で問題の論議を回避。要するに、この国の政治家には、年金制度加入は国民の権利というマジメな認識がない。

今日の不明年金問題 「時効年金対象者に通知」

6月17日の日本経済新聞が報じた「社保庁方針転換・時効分の年金・保障対象者に通知」の要約を整理。

厚生労働省・社会保険庁16日の発表。
年金時効特例法案の成立後、過去に5年時効で支給消滅していた時効分年金の支給通知に踏み切る。当初は、時効年金対象者には裁定請求をもって時効分年金のうち過去分を一時金支給する計画であった。
一転、社保庁は時効年金の保障対象者に通知の上、その対象者から「印鑑」があれば、自動振込みにする施行に変換することとなった。

厚労省の推計では、時効年金の保障対象者は約25万人、保証額は約950億円に見通し。

2007年06月20日

 「年金判定委員会」顔ぶれ決まる・今日の不明年金問題

総務省設置が19日の閣議で決まった「年金記録確認第三者委員会」。その顔ぶれを掲載しておく。
石井宏尚・日本税理士会連合会副会長▽衛藤博啓・みずほ信託銀行顧問▽小澤勇・東京都社会保険労務士会副会長▽梶谷剛・前日本弁護士連合会会長▽関口一郎・行政相談委員▽高野利雄・弁護士▽中村喜信・元千代田区総務部長▽奈良道博・前日本弁護士連合会副会長▽橋本宏子・神奈川大教授▽南砂・読売新聞編集委員

こうした委員は損な役割のため、総務省は人選にはかなり苦労したのであろうが、共通しているのは、世間的には、結構な高齢者達ということになる。なぜ、年金制度をその現場でよく知る、30代から40代の辣腕の社労士、税理士、弁護士を起用しないのか?また、この日本には、他薦自薦含めても、こうした人材がいないのであろうか?

それにしてもマスメディアの報道は、いつもながら不徹底。各人のプロファイルの洗い出しすらしていない。特に、各人の厚労省とのこれまでの関係すら報じていない。殊に、社会保険労務士会副会長職であったり、社会保険審査会委員であった人も何人か見受けられ。この方々が過去に加入者が訴えた審査請求についての識見すら取材していない。

過去取引明細、銀行が無料提供・今日の不明年金問題

三井住友銀行は、国民年金保険料の口座引落としをしてきた預金者の過去の取引明細書の提供を決定(日経新聞07年6月19日夕刊)。これまで同行では過去10年以内の取引明細提示に1ヵ月分525円の手数料を徴収。それが、年金記録に関しては無料とすることにした。

今後、メガバンクといわれる三菱UFJ銀行、みずほ銀行も近く無料化に踏み切ることになる。なお、今回の件は国民年金保険料だけで、厚生年金保険料に関して給与振込みの証拠としての取引明細までサービス提供するかは不明。
国民年金加入の1号被保険者の多くは、信用金庫・信用組合・地銀や郵便局での振込みが多いのが実際であろうから、メガバンクにとってそんなに大きな負担にはならないとも言えるので、こうした中小金融機関がどう対応するか注目していきたい。

2007年06月21日

「代行返上の真実」・今日の不明年金問題

2002年から始まった厚生年金基金の代行返上、そして急増した厚生年金基金解散。行返上または解散時に実施した国のデータと厚生年金基金ならびに企業のデータとの突合業務が、五千万件の国の不明年金記録が発覚するなかで「本当に正しかったのか」という自省の声が上がっている。このことを最初に取り上げたのは本誌であるが、その後、朝日新聞も特集。

元厚生年金基金の事務長氏から本誌にメールが来ました。事務長氏に了解をいただいたので、代行返上業務の一端の真実と担当者の本音を告げている、その全文を掲載。

●元 厚生年金基金(連合型) 事務長のメールから

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2007年06月22日

厚年基金代行部分の時効は?・今日の不明年金問題

衆議院厚生労働委員会6月13日の質疑応答。民主党の内山晃議員が厚生年金基金代行部分の時効の扱いについての質問に対して、厚労省渡辺芳樹年金局長の応答。
その内容の骨子を解いてみたい。

1.実際には多くの厚生年金基金は、時効規定は国に準じたものになっているばかりと思っていたが、
渡辺年金局長『厚生年金基金は政府管掌の保険者ではない。給付に対する債権の位置づけは民法に基づくものとなる』と発言。従って「公的年金とは異なり会計法の適用を受けないとの判断を示した」(「年金情報」07年6月18日号より)
2.会計法31条の規定では「別段の規定」がなければ時効はなくともいいとなっているが、厚生年金保険法92条の規定では、時効規定5年ということで「別段の規定」を設けていることで5年時効が実施されている。
3.渡辺年金局長は、『厚生年金基金の判断で時効を援用せず給付することが可能』と見解を述べる。「支給漏れの年金があった場合は、厚生年金基金の判断で5年以上前に遡って支給ができる」(「年金情報」07年6月18日号より)
4.ただし、厚労省は企業年金連合会に関する基金令170条にある時効規定の改正については触れていない。その元にある厚生年金保険法の時効規定が改正された以上、連動することになると考えるのが「常識」であるが、まさか企業年金基金連合会の判断でどうにでもしてくださいというのであろうか?
5.厚生年金保険の報酬比例部分の代行制度である厚生年金基金は、厚生年金基金独自の加算部分はともかく、その代行部分まで「独自判断」できるということを意味しているのか?
しかも「債権は民法にもとづく」という年金局長発言は、例えば、解散基金での残余年金資産の分配も「平等分配」ということを貫いていいことにならないか?すると、代行割れ厚生年金基金の解散時において、国が優先的に代行相当分を差し押さえる権利もないということになるのではないだろうか?

5年の時効はなくなったわけではない!・今日の不明年金問題

時効特例法(通称「時効撤廃法」)について多くの人が誤解していることがあるので、整理しておく。
1.厚生年金保険、国民年金で時効撤廃の対象になる人は、施行日に年金受給権のある人、施行日前に受給権があった人。
2.さらに、記録が正確でなく、その事項を社保庁によって訂正され、その訂正された部分に関わる分の年金額が5年時効に関わりなく払われる。
3.記録訂正によって時効5年前の分の支払い通知が来て、その返信を社保庁に送らずにした場合はどうなるか?この点は現在、不明であるが、5年時効の法律は生きているので要注意!
4.記録に訂正がなく、ただ請求を放棄していた人、請求を忘れていた人、自分で請求することを知らなかった人は、未請求の5年以前の年金の時効は厳格に適用されるのである。

年金制度がもつ5年時効そのものが「撤廃」されたのではないことは、要注意!
年金制度が持つ本人の「申請・請求主義」が変わったわけではない。

共済年金記録187万件・今日の不明年金問題

国家公務員、地方公務員、私学職員などが加入している共済年金でも、基礎年金番号の不統合187万件が発覚。1997年以前に退職した共済加入者の加入記録が基礎年金番号に統合されないままに放置されていたことを社保庁は公表。
これは、受給権が発生しご本人が裁定請求でもしてきたら、その時点で元の共済組合のデータと突合統合すれば済むと判断してきた社会保険庁の長い年金行政のたまものである。
その数、国家公務員で約67万件、地方公務員で約68万件、私学共済で約52万件。2010年まで統合することになるとのことであるが、各共済組合のデータが完全に保管されていたらの話である。

なお、この記事を書いた記者は、そのうち社保庁職員のデータは統合されたのか、不統合だったのかは取材したのであろうか?この記事は、日経新聞07年06月22日掲載である。

2007年06月23日

記録廃棄161市町村・今日の不明年金問題

社保庁は21日の参議院厚生労働委員会で、国民年金記録の原本を保管していない市区町村が全国に161あることを公表。ただし、その市区町村名は公表しない方針とのこと。住民に役場を焼き討ちされるとでも恐れているのであろうか?

年金管理に住基ネット活用・今日の不明年金問題

厚労省発表「公的年金加入者の現住所などの情報を住民基本台帳ネットワークで確認できるようにする方針。2011年度メドに実施」(日経新聞070622)。
99%の国民が登録されている住基ネットのデータベースと社保庁データとの共有をはかり、双方向で確認できるようにするということだが、この日経の記事は、いつものながら官製ニュースの横流しである。

すでに、年金受給者が生きているか死んでいるかの確認となる「現況届」は廃止された。その理由は、住基ネットデータと社保庁データとの双方向確認ですますことができるようになったからである。実際に受給者が亡くなっても、社会保険事務所に死亡届や失権届を提出しなくとも、市区町村に死亡届けを提出すれば、「自動的」に年金支給は停止される仕組みになっている。今さら、「2011年度までにやります」なんていうこと自体が、自らの業務の遅延を覆い隠す社保庁官僚の小狡さである。

同時に既存の社保庁サービスがあたかも目新しい社保庁の取組みのような官製リリース情報を、大新聞がなんの裏もとらず流すなんていうのもお恥ずかしい話である。

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原簿83万件廃棄・今日の不明年金問題

1959年から82年の間に、厚生年金加入記録原簿となる「被保険者台帳」83万件が廃棄されていたことを社保庁は告白。「マイクロフィルム化や磁気テープ化せず、違法に廃棄」と6月23日の朝日新聞は報道。「現時点で90歳以上の人の記録とみられる」というが、『社保庁は「いずれも本人が受給年齢の達し、年金額の確定後に捨てた」としているが、内訳の分からないものも12万件含まれ、追加調査を行う』と同紙は報じている。
なお、この大昔の年金加入記録の廃棄については、社民党の福島党首の質問への社保庁からの回答とのこと。しかし、こうした保存期間の過ぎた手書き台帳の廃棄処分は当時の社保庁では通常業務であったわけだ。

なぜ、こうした通常業務として「廃棄」が当然の如く実施されていたのか?ここが重要ですよ、福島さん。
貴党の傘下にあった自治労の社会保険職員労組の当時の古老にでも、年金行政がもつ「年金加入記録軽視」の源をお聞きなさい。

6月23日新聞掲載の不明年金問題

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2007年06月25日

安部首相は頭が悪いのか?・今日の不明年金問題

安倍首相は、本年2月に5千万件の不明年金記録を認識していたと言う。
「2月の衆議院予算委員会で、民主党議員から加入・受給者の納付記録を送付し点検を促すように迫られると『年金そのものに対する不安をあおる危険性がある。従来から個別にご本人に年金加入履歴を確認している』と答弁。
さらに、5月8日の衆院予算委員会で『基本的な問題は解決』と頬被りを決め込み、すでに2月の段階で認識していた5千万件の不明年金問題を隠していたことが判明した。
(07年6月23日朝日新聞記事の要約)

田中真紀子衆議院議員が、どこかの街頭演説で「安部さんは本当に頭が悪い」と喝破したそうだ。自分より10歳も下の阿部首相をつかまえて、何をもって頭が悪いと決め付けるのか?
確かに、年金や憲法問題への発言、自著「美しい国」など読んでみると、この人は、自分の頭で物事を考えてきた人ではないことだけは確かなようだ。

安倍首相は頭が悪いのではない。自分の頭で物事を考えたことがない。それが際立って見えてしまったのが、不明年金から端を発した、この首相の「年金問題意識」だ。

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2007年06月26日

年金第三者委員会始動・今日の不明年金問題

「年金記録確認中央第三者委員会」(委員長・梶谷剛前日本弁護士連合会会長)は6月25日に始動。総務省内ににわかに設置されたこの「年金大岡裁き機関」は、給付裁定と救済基準づくりが、当面の主要な仕事となるようだが、実際にはこうした規定作成などの実務は総務省官僚達の手になる。
しかし、すでにこの機関の目的は、表向き「公正な判断」、その裏は不明年金への国民の大きな怒りをかわすために「年金大盤振る舞い」をもくろむ政治家達の思惑の実現である。

年金記録は、「国民の立場に立って、勤めた記憶など、(第三者委が)記憶を一緒に探す。話に筋道が立っていれば、お支払いする」(安倍首相談・6月24日NHK放送より)。
「国民年金保険料の税控除の書類、雇用保険の加入実績などを参考に、年金保険料も納めていたと『推定』」(6月26日朝日新聞)できれば、
「少しくらい怪しくても幅広く認めるしかない。第三者委は受給を認めるための組織だ」(与党幹部談・6月26日朝日新聞)といったように、これは法も基準もない年金無法時代の到来なのか?

同日、社保庁村瀬長官、社保庁全職員ばかりかそのOBにまでに夏季賞与返納を要請。それにしても事務次官も長官も一回の賞与全額の返納額が310万円とか270万円。破綻寸前の組織であってもこの賞与、ニッポンは役人天国であることをあらためて実感。

(※AM12時現在に掲載した「一回の賞与のうち最大50%返納額が310万円とか270万円とすると」は「全額」の間違いでした。余りの気風のよさに、びっくり、本当は半分ぐらいかとつい推測してしまいました。どうもすいません。)

ところで、社会保障審議会の年金部会はなにをやっているのか?

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2007年06月27日

賞与返納騒動、勲章は?・今日の不明年金問題

不明年金5千万件の発覚への国民の大きな怒りをなんとか鎮め、7月参議院選挙での人気挽回策ととして、安倍政権は、執権者と社保庁職員の賞与の自主返納を発表。

辻哲夫厚労省事務次官の310万円を筆頭に村瀬社保庁長官270万円は全額返納。安倍首相73万円、塩崎官房長官54万円、柳澤厚労省大臣51万円と執権者達も返納。社保庁職員は役職に応じて6月賞与の5%から50%の自主返納を立案。例えば、部長職100万円、課長職40万円~45万円、社会保険事務局長17万円、社会保険事務所長15万人の返納額となるようだが、一般職1万7千人にも自主返納を呼びかけるという。また、事務所長以上で退職した社保庁OB職にも同程度の「寄付」を求めるという。
その額、約10億円と推定しているそうだが、この額は年金特別勘定に入るのではなく、国庫に入り、今回の問題とは何の関係もない一般予算で使われるという。

それにしてもドジなアイデアである。思いつきもはなはだしい。すでに総務省年金記録問題検証委員会が発足し、この問題の「責任」を検証しはじめたばかりである。「責任」と「謝罪」の違いもわからない、なんとも幼児的行動と自民党内からも批判続出。

ところで厚労省官僚・社保庁幹部職のOBに授与された勲章は、そのままでいいのか?

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2007年06月28日

社保庁職員戸別訪問・不明年金問題

不明年金記録者には、社保庁職員が電話や戸別訪問などで直接連絡することになった(日経新聞07年6月28日)。5千万件の不明年金記録は、来春までにはコンピュータ突合がなされる。それによって判明した「未統合データ」該当者には、本人通知することになるが、社保庁職員が電話や戸別訪問で記録の中身を本人に説明するとのこと。

これまでの、申請・請求主義のもとで、社会保険事務所に本人が出向き書類申請しないと受理されなかったシステムから、一転、社保庁職員が「出向く」システムに変更となる。

2007年06月29日

厚生年金基金加入中の記録ミス?今日の不明年金問題

鹿児島の社会保険労務士k氏からのメール。厚生年金基金加入期間が、社保庁データで漏れていたケース。

「過去の相談の中で年金記録ミスを思い起こしてみると、確実に覚えているので3件ありました。2件は記念にコピーもっていますが、基金(中脱)の記録ミスです。基金に加入しているのに加入していないことになっているケース、その逆で加入していないのに加入しているケース。いずれも、本人が加入員証を大事に取っていたから、たまたま見つかったという偶然中の偶然です。私も、まさかそういうミスはないだろうと思っていましたから、見つけたときは驚きましたが、実はこういうミスが日常的に起こっているのが社保庁なのかもしれません」

問題を整理すると、記録漏れ、誤記録ということになるが、厚生年金基金加入記録には以下のようなことがある。
1.厚生年金基金加入しているのに未加入の記録漏れ。
2.厚生年金基金加入していないのに加入しているという誤記録。
3.自分の会社の厚生年金基金ではなく、全然関係のない会社の厚生年金基金に加入者となっていたケース。
4.関連会社の厚生年金基金の加入なのに、本社の厚生年金基金の加入者になっていたケース。また、その逆。
5.厚生年金基金の加入者であるにもかかわらず、失権=死亡として扱われていたケース。
6.出向期間中、転勤、海外勤務などの場合、間違って厚生年金基金を脱退させられていたケース。

要するに厚生年金基金の加入記録、厚生年金基金加入期間中の国の厚生年金記録は、結構怪しいことが多いということになる。
解散や代行返上した厚生年金基金をもっていた企業では、ほとんどが「整理」されて、「キレイ」になったといわれている。
しかし、「突合」作業で、「強引」に国の記録に合わせたケースもあるので、やはり、一度自分で確認する必要がある。
※厚生年金基金のこと、その年金制度を知りたい場合は、当社発行「年金お助けBOOK2007」を!
http://www.nenkin.co.jp/books/

厚生年金基金の加入記録とは?

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加入履歴1億人に送付・今日の不明年金問題

柳沢伯夫厚労省大臣は、国民年金・厚生年金の加入者と年金受給者、その数1億人すべてに「加入履歴」を通知することを28日の参議院厚生労働で表明。

現在の加入履歴は、2007年度から35歳と45歳には「ねんきん定期」で通知される。今回の厚労省大臣の表明では、これを全加入者と全受給者に拡大する方針に転換。
2008年度から実施し、現在はっきりしているのは、08年6月から年金受給者3千万人には、5千万件の不明年金記録の突合結果とともに加入履歴を通知するとのこと。

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2007年06月30日

55歳以上年金記録を放置・今日の不明年金問題

1997年の基礎年金番号統合作業時に、55歳以上の被保険者には「基礎年金番号通知」を送付せず、放置していたことを、6月28日の参議院厚生労働委員会で白状。本人が60歳になって、年金裁定請求する「数年後、年金を受け始める時に調べるため、その時点で統合されると判断した」(朝日新聞07年6月29日)というのが社保庁側の言い訳。

現在、65歳から70歳前後までの人が該当するわけだから、この人達は年金裁定時に社保庁から受取った「年金裁定確認通知書」にある「全加入記録」をもう一度確認する必要がある。そこに、加入の空白期間、標準報酬月額の不揃いがあれば、社会保険事務所でデータ突合をしてもらうことをお勧めする。

また、同日、社保庁は違法廃棄した厚生年金記録83万件のうち12万件は私学共済に移管したと修正。残り71万件は未だ不明。

社保庁解体は社保庁の勝ち・今日の不明年金問題

参議院本会議、6月30日未明、社会保険庁改革法案ならびに年金時効特例法案が自民公明党の賛成多数で可決。
6月30日朝日新聞朝刊は、「ぶれた安倍流」というトップ見出し。「安倍首相の理念と政治手法が変容」と分析。「距離を置いてきたはずの『小泉流』も踏襲し、野党や公務員を『抵抗勢力』呼ばわりする」と批判。そもそも安倍首相に「理念」や「政治手法」のオリジナリティーがあったのかというと大いに疑問のあるところである。

こと社保庁改革にしても、台本は前首相の小泉首相時代の作である。厚労省キャリア官僚の社保職員組合潰し派と自民公明党「年金問題偽装工作」派の合同公演である。
恐らく、実際は社保庁解体後の「日本年金機構」は、今以上の巨大な年金官僚機構になることは確実である。社保庁改革法案審議のさなかに、社保庁幹部は、民主党長妻議員の質問に応じて、すでに社保庁内部では、本人請求があれば見てみましょうぐらいに考えていた「未統合データ」として扱われてきた5千万件を、なぜ、すっとぼけて公表したのか?

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