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2007年07月 アーカイブ

2007年07月02日

3千万件は突合困難・今日の不明年金問題

国民年金の納付記録1億3,900万件、そのうち市区町村で保存されている原簿9,030万件、社会保険事務所で「特殊台帳」として保管されている記録3,300万件。
最終的に3千万件は「宙に浮いた年金記録」として残ることを社保庁が公表。

社保庁は6月30日、「社保庁の保存分と合わせても現存する台帳は1億件程度で、全体の約4分の1、3千数百万件の台帳が存在しないおそれがある」「コンピュータでも台帳でも納付確認できない『消えた年金』が増えるのは確実だ」(朝日新聞07年7月1日)
社会保険事務所にある「特殊台帳」とは、保険料未納や保険料免除期間などがある加入記録をもつ人の被保険者台帳である。

朝日新聞世論調査(7月1日)によると、
6月30日に成立した年金特例法案は、「評価する」24%、「評価しない」59%。
自分の年金に対する不安が「解消していない」49%(前回54%)、「解消した」11%、「もともと不安はない」30%。なお、安倍政権への内閣支持率はさらに低下し28%となった。

雇用保険の基本手当の日額、高年齢雇用継続給付の支給限度額等の変更について

厚生労働省ホームページより
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/07/h0702-1.html

2007年8月1日より
1.基本手当の日額の最高額及び最低額が変更しました
最高額          
①60歳以上65歳未満 6808→6777円
②45歳以上60歳未満 7810→7775円
③30歳以上45歳未満 7100→7070円
④30歳未満       6395→6365円

最低額          1664→1656円

2.高年齢雇用継続給付の算定に係る支給限度額の引き下げ。
340733→339,235円

(NSS)

2007年07月03日

安倍政権は昨年暮れに知っていた?・今日の不明年金問題

6月25日の本誌で取上げた07年6月23日朝日新聞記事は、まんまと安倍政権の言い繕いにかどわかされたようだ。その内容のポイントは次の通りである。「5月8日の衆院予算委員会で『基本的な問題は解決』と頬被りを決め込み、すでに2月の段階で認識していた5千万件の不明年金問題を隠していたことが判明した」(07年6月23日朝日新聞記事の要約)。
「すでに2月の段階で認識していた」とあるのは、事実ではない。隠していたのは、この数ヶ月ではなく、どうも1年以上に及ぶようだ。

6月22日の閣議で決定され国会に提出された「責任問題の質問」(江田憲司衆議院議員・無所属)に関する答弁書」を読んでみると、安倍首相と塩崎官房長官は5千万件の不明年金記録問題をすでに「06年の暮れから今年の初めに」認識していたと記されている。

「宙に浮いた年金記録の責任問題に関する質問主意書」(江田憲司衆議院議員・無所属)から、その政権の答弁の要約を整理する。

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2007年07月04日

代行返上と加入記録・今日の不明年金問題

渡邊芳樹厚労省年金局長、代行返上時の年金記録のミスマッチ問題についての見解を、
6月19日の参議院厚生労働委員会の質疑応答資料からその要点を整理しておく。
質問者は民主党・辻泰弘議員。
現段階で厚労省年金局が把握している厚生年金基金代行返上と解散にともなう「年金記録突合」の経緯とでも読める。ただし、今後、年金受給権者からどんな「申し立て」がでてくるか予想できない範囲でいえば、この見解は重要である。

「代行返上時の国と企業データの不統合の状況」について、民主党・辻泰弘議員が質問。
渡邊芳樹厚労省年金局長の答弁。
1、厚生年金基金データと社保庁データの訂正し場合が「数多く」あった。
2、その場合、受給権者への周知を行う必要があった。
3、年金記録の訂正は厚生年金基金の内部の事務処理に関すること。
4、年金局は厚生年金基金から統計的な処理および集計は行っていないので、「統計的な数字」で答えられない

「強引に社保庁データに合わせられ、抹殺したこともありえた。代行返上の今後の方針は」と民主党・辻泰弘議員が質問。
渡邊芳樹厚労省年金局長の答弁の要点。
1、社保庁データに合わせて訂正するケースが「数多くあった」。
2、またその逆(厚生年金基金データに合わせたケース)も「少数あった」。
3、社保庁と厚生年金基金の事務処理には、「真中に事業主」がいる。
4、事業主が資格取得喪失、月変算定届けなどを社保庁と厚生年金基金の双方に行う。
5、社保庁に届けた情報は、事業主を経由して、厚生年金基金に届く。
6、今後、様々な年金記録の照合、訂正のなかで、厚生年金基金加入者や受給者に影響あるケースも出てくる。

※「」は筆者記入。

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日記も手帳もOK?・今日の不明年金問題

総務省に設置された「年金記録確認中央第三者委員会」(梶谷剛委員長)は三回目の会合を開き、公的年金の保険料納付記録漏れの訂正証拠について方針を確認。
同日の日経新聞07年7月4日号夕刊によると、国民年金保険料の納付の認証については、「日記や手帳、家計簿に保険料を納付したと記述していた場合でも証拠として認める」方針を固めたとのことである。
ただし、「本人の主張だけで何も証拠がない場合は支給しない」とのこと。

厚生年金被保険者で加入期間漏れがあった場合は、その期間の雇用主が、保険料天引き、社会保険事務所納付を「証言」した場合は、加入期間を認証とのこと。

過去においても、現在も、保険料納付の証拠がみつからない、元の雇用主もみつからないが、本人は納付した「記憶」、勤めていた「記憶」があるがゆえに、なんとか加入期間を認めて欲しいと主張しているわけである。これまで、社会保険庁の社会保険審査会、または裁判所の訴訟で棄却されてきたこうした訴えをなんとかしましょうというのが、「年金記録確認中央第三者委員会」(梶谷剛委員長)の創設主旨だったのではないか?

今回の方針が決定したとすると、「年金記録は、国民の立場に立って、勤めた記憶など、(第三者委が)記憶を一緒に探す。話に筋道が立っていれば、お支払いする」(安倍首相談・6月24日NHK放送より)という、安部首相の発言はすでに破綻し、重大な公約違反を犯していることになる。

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2007年07月05日

社会保険審査会か?第三者機関か?・今日の不明年金問題

「年金記録確認中央第三者委員会」(梶谷剛委員長)は壮大な税金の浪費、しかも、この機関の方針は、安倍首相の公約とは違う方向に動き出したことを昨日の本誌で伝えた。
社会保険審査会の実際の仕事ぶりはどうなのかを検証する前に、新しい第三者機関と社会保険庁長官の裁定、社会保険審査会の力関係はどうなるのか?

まず、第三者機関の決定と社会保険庁管轄の社会保険審査会の関係を6月19日参院厚生労働委員会の質疑応答(「年金実務07年7月2日号から記事から抄訳」から見てみよう。
柳澤厚労相「実質的にはそのあっせん(第三者機関の裁定:筆者注)に沿った裁定を社保庁長官に行わせる」
福山民主党議員「社会保険審査会で棄却された」ものを「第三者委員会の持ち込んだ場合は?」

青柳社保庁運営部長「社会保険審査委員会の採決は、棄却却下された裁決は拘束力を持たない判例がある」「第三者委員会がこれを容認するあっせん案が来た場合は、これを尊重して容認」するとのこと。
「社保庁長官の行政処分そのものの違法性、あるいは不当性について審査を行うというのが社会保険審査会制度の役割」
第三者委員会で「事実認定に係わることが」「社会保険審査会の裁決と異なる事例があったということのみをもって」「社会保険審査会の重要性が否定されたという判断にならない」
とその存続を主張。
それでは、実際にどの程度の年金記録訂正審査請求が第三機関に訴求されるのであろうか?

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2007年07月06日

安倍首相の不明年金対策・今日の不明年金問題

通常国会閉会後に安倍首相は、「不明年金問題」記者会見し、安倍年金対策を表明。
「私が『1年以内に5千万件の記録の名寄せを行う』と申し上げたとき、『できるわけない』との批判が野党からあった。精査した結果、前倒しできることが明らかになった」(朝日新聞7月6日朝刊)と、意気込みを表明。
安倍首相の不明年金問題の対策と言われている項目・日程に新たに打ち出された厚生年金基金での記録突合などを加えたスケジュール表は下記の通りである。
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上記の表を見て気がつくことは、安倍首相が自分の手柄のように意気込むほどの内容ではないということ。もともと社保庁が「対策」として公表していたもので、これをもって首相の政策として表明するところに、この首相の幼稚さがある。

キリンビール企業年金基金事務所所在地変更

1.新事務所の所在地 東京都渋谷区神宮前6丁目26番1号
2.変更年月日 2007年7月2日

2007年7月2日
(官報より)

日本情報機器厚生年金基金清算結了


1.基金の名称 日本情報機器厚生年金基金
2.事務所の所在地 東京都千代田区飯田橋4丁目8番13号
3.清算結了年月日 2007年6月29日

2007年7月3日
(官報より)

三宝伸銅厚生年金基金清算結了

1.基金の名称    三宝伸銅厚生年金基金
2.事務所の所在地 大阪府堺市堺区三宝町8丁374番地
3.清算結了年月日 2007年6月22日

2007年7月5日 (官報より)

2007年07月09日

年金時効撤廃の仕組み

「年金支給に関する時効等に関する特別立法」が6月30日に与党の賛成多数で可決成立したのは既報通りである。しかし、この7月29日の参議院選挙にむけて各党の情宣活動が徐々にはじまるなか、特に政権与党の自民党・公明党による戦果発表によるのか?
「時効撤廃」がすべての年金加入者や受給者にも適用されるかのように一人歩きしているようだ。
当社にも幾つか、疑問難問の問い合わせがあるなか、この年金時効特例法、略して時効撤廃法について整理してみたい。

本誌既報のように、今回のこの「年金特例法案」は、次のことがポイント。
1.すべての年金時効が撤廃されたわけでなく、これからも、60歳か65歳になれば国は黙っていても年金を支払ってくれると思っていて、請求をしてない人の時効は適用される。同法には、「時効撤廃」の規定は、「施行日前に厚生年金保険法第28条又は国民年金法第14条の規定により記録した事項の訂正がなされた場合における当該訂正に係わる保険給付又は給付について準用」とある。
ことに、障害年金や遺族年金の対象または該当者は、その手続きが複雑のこともあるので、くれぐれも時効は厳然として生きており、年金の「請求主義」は変わっていないことに注意が必要。

2.現在の年金受給者や未支給のまま死亡した遺族が対象であること。

3.加入記録に誤りや漏れがあり、それが訂正された場合の記録保持者の5年時効以前に消滅した年金、または亡くなった人の未支給の年金が遡って再裁定のうえ、支給されということになる。

4.今後、社保庁の記録照合で記録訂正された人や遺族には、自動的にその訂正確認の通知が届けられ、返信ハガキでその本人確認がされれば、自動的にその未支給分は本人口座に振り込むことが予定されているようだ。
従って、記録訂正が確認できない人、記録照合にも引っかからないが記録漏れがある人は、やはり本人が申し出ない限り、記録訂正、時効分差額支給にはならないであろう。

●年金受給者の記録訂正による時効撤廃の構図

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2007年07月10日

人柄に自信があれば、ともかく申立てること

年金記録確認中央第三者委員会(梶谷剛委員長)は7月9日に「給付判定基本方針」を決定、管総務相に申達。今週から、全国50ヵ所に設置された地方確認第三者委員会で、審査の受付を始める。
この基本方針の主旨は、「社会通念に照らして、不合理でなく、一応確からしい」ものは、「周辺事情」に照らして、「幅広く」給付を認めるところにある。

ただし、厚生年金保険では、本人の保険料徴収はあるが事業主が滞納、ピンハネ、未届けなどの場合は、「判断留保」し、「(特例法の制定など)政府の方針を待って検討する」(日経新聞10日号)こととなった。

以下、年金記録確認中央第三者委員会の「基本方針」を整理。自分の記憶からして年金記録に納得できない場合、『「資料や事情がなければ、人柄・態度から総合的にみて認める」と言明(梶谷委員長)』(日経新聞10日号)というように、人柄に自信があれば、ともかく申立てることにつきる。

なお、「日記帳」は今回の基本方針には見当たらないところを見ると、『日経新聞07年7月4日号夕刊の記事、「日記や手帳、家計簿に保険料を納付したと記述していた場合でも証拠として認める」方針を固めたとのこと』は、ガサネタだったようだ。

●年金記録確認中央第三者委員会(梶谷剛委員長)は7月9日に「給付判定基本方針」
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2007年07月11日

すべては社保庁職員が悪い?

5千万件の不明年金問題を調べる年金記録問題検証委員会の中間報告が、7月10日、安倍首相に報告された。この年金記録検証委の座長は、松尾邦弘・前検事総長、その他のメンバーは、金田修・東京社労士会長、川本裕子・早大大学院教授、斉藤忠夫・東大名誉教授、野村修也・中央大法科大学院教授、東田親司・大東文化大教授、尾山太郎・政治評論家。
安倍首相の肝煎りで行政監視担当の総務省に設置され、今後、社保庁組織の徹底究明を3つのワーキンググループに分け総勢100人の体制で行うという。

このワーキンググループは、次の問題を解明するという。
①社保庁組織のコンプライアンス(法令順守)の実態解明。
②業務運営の調査によって、年金記録の保管・廃棄・二重チェック機能監督の仕組みなどを解明。
③年金記録管理システムの解明では、磁気テープ化、オンライン化、業者(NTTデータ)の選定プロセス、契約内容などを調べるという。

この年金記録検証委員会は、過去の厚生大臣、社会保険庁長官など個々の責任も問うという。「半世紀以上も前にさかのぼらねばならない調査がある」(朝日新聞7月11日号)といった指摘をまつもでもなく、ただ「ガバナンスの欠如」「コンプライアンスの低い組織」といったこの委員会の皮相な解析力では、不明年金記録問題は今後も解決の方策はみいだせないであろう。

2007年07月12日

安倍首相対民主小沢代表の年金討論

自民・安倍総裁対民主・小沢代表の年金討論から重要な点をまとめておく。参議院選挙公示前の11日、日本記者クラブ主催でおこなわれた七党首の政策討論会で、政権与党と野党民主党との間で、ようやくにして、年金の制度論が論議された。カギ括弧内は、主に朝日新聞7月12日号からの引用。★は筆者の脚注、オブジェクション。

安倍首相:
「年金財政は、景気がよくなって厚生年金加入が増え、03年度からの3年間で12兆円改善」「私が政権を担って9ヶ月で(年金資金)運用は4兆円プラスになっている。それは給付に結びついていく」「26年度の所得代替率51%を約束できる」

「(国民年金の)国庫負担引き上げの財源は、徹底的な歳出削減と経済成長戦略による税収増」で可能。「消費税を引き上げなくて済む状況」「もし足りなければ今年秋の税制抜本改革で論議」

小沢民主党代表:
「給付水準は現在と同じ23万円が前提」「制度は最低保障部分と所得比例部分の2階建て」「年収1,200万円超の人は最低保障部分を我慢してもらう(支給停止)」
「最低保障部分は5%の消費税全額13.3兆円でまかなえる」「現在基礎年金に投入している7兆円以外に必要な6兆円の新規財源は、今の行政の仕組みを根本的に変え、無駄をはぶく」

安倍首相:
「民主党の案は、未納、免除、未加入の全員に6.6万円を保障する案。それなら22兆円必要」「保険料払っていない人も、所得制限以下ならもらえる」「歳出削減したものを新たな給付に満てたら借金返済(国の赤字国債)ができない」

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2007年07月13日

依願退職者急増の危機

全国の社会保険事務所職員の間で「依願退職者」が急増しているという情報を入手。

某社会保険事務所の職員氏に電話で聞いたところ、「実際に50歳以上の人、30歳以下の人の間に依願退職が出始めている」「賞与の返上寄付などという改悛ポーズの強要が引金」「社保庁解体後の独立行政法人には、『問題ある人は再雇用しない』という安部首相の言動が職員に動揺を与えている」とのことである。

確かに、04年7月、05年12月に年金記録の閲覧行為で処分された職員3,786人にとって、社保庁解体後の独立行政法人での再雇用に大きな不安を抱くのは当然でもある。
「ここまで悪者にされたら、年金最前線で国民の老後を支えていくという仕事の誇りもなくなりますよ」という社保職員氏の言い分も当然である。

しかし、50歳以上または中高年の職員の依願退職は「早期勧奨退職」で割増退職金がつき、外郭団体でもある厚生年金基金や健保組合などへの横滑りというハッピーリタイアが待っている。
けれど、若手の職員は元社会保険事務所職員の履歴書をもって、どんな人生を歩むのか?できうるならば、短気を起こさず、この組織とこの制度を根底から改革する立派な専門実務家になっていただきたいと思うのは、筆者だけだろうか。

いずれにしても、この7月から本格化する記録突合、時効年金の支払い、1億人への記録確認通知という膨大な作業を実際に運営する社会保険事務所の実務者が、絶対数で不足するという思わぬ事態になりつつあるようだ。

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大和自動車交通厚生年金基金清算結了

1.基金の名称    大和自動車交通厚生年金基金
2.事務所の所在地 東京都中央区銀座1丁目9番7号
3.清算結了年月日 2007年6月25日

2007年7月6日(官報より)

全国塗装厚生年金基金事務所変更

1.新事務所の所在地 東京都渋谷区鶯谷町19番22号
2.変更年月日     2007年7月9日

2007年7月10日(官報より)

花王グループ企業年金基金事務所変更

1.新事務所の所在地 東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
2.変更年月日      2007年7月2日

2007年7月10日(官報より)

全日本洋菓子厚生年金基金解散

1.基金の名称    全日本洋菓子厚生年金基金
2.事務所の所在地 東京都豊島区池袋4丁目28番5号
3.解散認可年月日 2007年6月28日

2007年7月12日(官報より)

2007年07月16日

不明年金記録の原点は?

「放っておけないことの1つに、年金台帳の整理の問題がある。戦時中地方庁に疎開した台帳や本庁にある索引カードも、戦時中及び戦後の混乱で相当乱雑になっていたが、その後臨時職員を雇ったり、夏季に学生アルバイトを頼んだり大変な労力をかけて骨折った結果、どうやら整理されてきた」

「私は女子大生の整理を今のようなやり方でやっていたのでは、将来養老年金(今の老齢厚生年金)の給付が一斉に始まった時の事を考えると恐ろしい気がした」

「昨夏たまたま、ウインで開かれた第十回国際社会保障会議総会に出席したところ、議題の一つに『社会保障行政における技術的諸問題』というのがあったが、各国が年金保険の台帳の整理と保管に大きな関心を持って、努力していることが判った」

「その上帰途ジュネーブに立ち寄り、スイス国民年金金庫の台帳の整理と保管がレミントンの機械で小人数で整然と行われている状況をつぶさに見て、日本も機械化された方法による外途はないと確信を抱くに到った」
※筆者注:上記引用文にある「レミントンの機械」というのは、その当時社保庁職員であった古老に聞いたところ、「自動カード捲り機」のようなもので、勿論コンピュータではないとのこと。

「帰国後早速これを実施するための準備を命じたことであったが、明年度の予算にはこの費用が要求されるとのこと、一日も早く実現されることを望んでやまない」

上記の引用は、「厚生年金保険十年史」(厚生団発行・昭和28年2月)に見出した昭和24年~26年当時の保険局長・安田巌氏の寄稿文である。

大東亜戦争のさなかの昭和16年3月に労働者年金法が制定、昭和17年6月に全面改正され戦費調達のための年金制度への傾斜を深める性格をおびながら、昭和19年2月に「厚生年金保険法」と衣替えをする。
そして、20年8月の敗戦、戦後の廃墟とハイパーインフレのなかから、ようやくにして昭和24年4月に厚生年金保険法の改正が成立となる。
戦後の制度再構築が開始された頃の旧厚生省保険局(当時は厚生年金保険を管轄する年金局はない)の「心意気」は感じられるが、実はこの原点にこそ年金制度が宿命的にもつ「難病」、膨張する年金記録に対する「システム構築」のあり方を考えさせるものがある。

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不明年金復活認定15件

「年金記録確認中央第三者委員会」(梶谷剛委員長)は7月13日に15件の申立て申請を認定、「年金記録訂正」斡旋案を社会保険庁に提示することになった。
7月17日から全国の社会保険事務所で開始される申立て申請に先立ち、ある種の「認定基準」を示す必要から、13日の15件の認定となったようだ。
現在、確認第三者委員会で審査中のものは、計283件。今回の認定は、国民年金14件、厚生年金1件、朝日新聞7月14日記事から記録訂正のポイントをまとめておく。

「年金記録確認中央第三者委員会」認定 朝日新聞07年14日号記事より引用加工
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2007年07月17日

確定拠出年金の運用放棄者急増

確定拠出年金(日本版401k)の加入者で転職、退職後の手続きをせず、「手続き放棄」「運用放棄」となっている60歳前の人が、06年度8万638人となっている。7月16日の日経新聞朝刊によると、「前年度よりも7割程度増えている」。
同紙に掲載された確定拠出年金中脱者年金の引き受け先である国民年金基金の調査データをまとめてみる。

1.企業型確定拠出年金で「手続き放棄」=「運用放棄者」(以下「放棄者」と呼ぶ)の資産残高は、210億円(06年度末)。
2.現在の確定拠出年金加入者約230万人との比較では、これら「放棄者」は3%程度に及ぶという。
3.転職、退職後は6ヵ月以内に「移換手続き」をしないと、資産は現金化されて、国民年金基金連合会に強制移換される。年金資産は国民年金基金連合会の現金預かりとなって、月々50円(年600円)の手数料だけが資産から引き去りとなる。
4.厚労省はこうした置き忘れ、「手続き放棄」=「運用放棄者」のために、自動的に移換できある程度の利息が付利される専用ファンドを計画しているが、これ自体、確定拠出年金の「自己責任原則」に反するという批判が根強い。

この「手続き放棄」=「運用放棄者」の増大の危機は、転職先にも資産移換ができるという確定拠出年金の役割に決定的な瑕疵リスクがあることを顕在化させている。
2001年発足当時から、運営管理機関の心ある関係者の間では危惧していたことである。ならば、この対策はあるのか?
単に、厚労省がもくろむような中脱者専用ファンドを設けることで解決はしない。

これまで、当社が実施している確定拠出年金導入企業の継続ライフプラン教育での受講生の質問、疑問などを集約し、さらに当方の確定拠出年金改革案を盛り込んで改善策を提案したい。読者諸兄もまた、この確定拠出年金制度の改善を大いに考え、国に提言しようではないか!

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2007年07月18日

地震列島ニッポンのリスク

7月16日午前10時13分、新潟中越地方と長野県飯綱町などに震度6強、マグニチュード6.8Kの地震が襲う。現在確認されているだけで9人死亡、1,000人以上の人がけがをし、1万人以上が緊急避難した。04年10月の新潟中越地震から3年を経て、またしても新潟中越地方の人々は大地震による困難な生活に直面することとなった。

この国の山河は美しい。しかしまた、この美しさの反面、この国の暮らしは、地震という地殻変動の恐怖が常に足元を脅かす。誰もが未来への不安にぬかりなく備えて生きていくことを宿命づけられた国でもある。これは、この国の列島に住む全ての人々が負う将来のリスクへの覚悟とも言える。その意味では、政府の機能は、防災と地震対策がなによりも優先的な政策の核であって欲しいと思うのは、なにも筆者だけでもないであろう。

人々は経済生活のなかで、敢えてリスク資産を回避する行動原理の核に、この国の列島の宿命と無縁でもないであろう。地震や台風などの天災による「不測のリスク」が何十年に何度も生活を破壊する。この列島に生きる人間の知恵は、やはり「先立つものは現金」ということに尽きるようだ。

2007年07月19日

全国で382人が申立て

不明年金記録ありと思う人の「記録訂正」申立てが、全国の社会保険事務所での受付が17日から開始された。対応するのは、年金記録確認第三者委員に任命された社労士や税理士などの人々である。初日だけで全国で382人の人が申立てとのこと。その内訳は厚生年金187件、国民年金195件。
各TVのニュース映像から類推するに「不明年金記録者」の年齢を推定すると、ほとんどが、60歳以上の年金受給者と見受けられる。なかには、50年前の社内の慰安旅行らしき記念写真をもって、その昔の会社勤務の加入実績を訴えている姿もあった。また、夫の国民年金納付実績をもって、妻の未納期間の取り消しを訴える姿もあった。「何度も区役所に納付記録台帳を見せるように訴えても、その当時の台帳はもうないと追い返されてきた」という訴えである。

『「資料や事情がなければ、人柄・態度から総合的にみて認める」(梶谷委員長)』(日経新聞7月10日号)と、年金記録確認中央第三者委員会の梶谷委員長が言明した以上、やはり、すべての人柄良好な人の「加入記録」の訂正復活は認めないわけにはいかのであろう。

なお、17日に発表され芥川賞を受賞した新人小説家・諏訪氏の談。芥川賞の賞金100万円は、「年金がもらえない時代。貯金でもしておきます」と、同賞始まって以来の談話となった。

2007年07月20日

金利の上昇局面、不気味な米国金融情勢

1.905%が07年7月18日現在の長期金利の水準。
「6月13日に一時、1.985%と約11ヶ月ぶりに高水準」(日経新聞7月18日)というように、ジワリと金利は上昇局面に移行しつつある。

日銀の先月6月14日、15日に開いた政策委員会・金融政策決定会合の内容を7月18日に公表。日経新聞7月18日号によると、日銀の同委員会では、「実態経済や株式・為替市場などへの影響を引き続き注意深く見ていく必要がある」「長期金利上昇が景気拡大を反映したものか、インフレ期待の高まりに起因するものか見極めが重要」との意見が多数。しかし、同記事は「物価上昇に比べ長期金利が安定していた流れがやや修正」との見解を示す。

なお、米国連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は7月18日、米国議会で「金融政策は巡航速度に近い経済成長とインフレ圧力の緩和を支える」と証言。同時に『信用力の低い人を対象とした高金利型住宅ローン(サブプライムローン)の焦げつきが多発していることにも触れ「状況は大きく悪化している」との懸念を表明』(日経新聞7月18日)。

日本にあっても、この10年以前の低金利時代に組まれた10年固定1.5%前後の住宅ローンの切り替え時期がやってきている。企業年金研究所が支援している企業の従業員生活設計研修でも、切り替え後に固定にすべきか、変動にすべきかの質問が多くなってきている。20年固定で4%強への引き上げは、金利負担だけでも倍以上となり、その返済額は家計の収支バランスを急速に崩し始めている。

新潟県建設業厚生年金基金清算結了

1.基金の名称    新潟県建設業厚生年金基金
2.事務所の所在地 新潟県新潟市中央区新光町7番地5号
3.清算結了年月日 2007年7月2日

2007年7月13日(官報より)

日本証券業厚生年金基金清算結了

1.基金の名称    日本証券業厚生年金基金
2.事務所の所在地 東京都中央区日本橋兜町3番3号
3.清算結了年月日 2007年7月2日

2007年7月13日(官報より)

川嶋織物企業年金基金名称変更

1.新基金の名称 川嶋織物セルコン企業年金基金
2.変更年月日   2007年7月1日

2007年7月19日(官報より)

「年金お助けBOOK」追補公開 不明年金問題に関連して

弊社発行の「年金お助けBOOK2007-2008年版」の追補を公開した。(年金お助けBOOK2007-2008年版)
その内容は...
不明年金に関連した本書の索引。
不明年金問題の対策と手続きを解説。
社会保険事務所との手続きに便利な「我が家の年金チェックシート」を掲載。
年金時効法の解説と「時効特例給付支払い」の手続き方法を用紙記入例付きで紹介。

●追補のページ(年金お助けBOOK2007-2008年版)

2007年07月21日

国家的無責任の原点は?

やはり1958年当時の行政管理庁(現・総務省行政評価局)は、不明年金記録問題を指摘すれども、対処先送りで厚生省と「なあなあ」で事を済ませていた。7月21日土曜日の朝日新聞朝刊は一面で「年金ミス・総務省、放置50年」と報じた。

同紙の山口智久・松浦新記者の取材になるもので、安倍政権の見解、「政府は問題を認識したのは64年」というのは全くお粗末の調査であったことを暴露。「その6年前に本格的な調査があった」「再調査などの対応は行っていなかった」ことを明らかにした。

行政管理庁(現・総務省行政評価局)は、この6月に発足した「年金記録問題検証委員会」を管掌する官庁。同紙によると、総務省の伊藤孝雄審議官(行政評価局担当)は「朝日新聞社の指摘を受けるまで報告書は知らなかった。年金記録について調べたのは、この1度だけだ」と弁解。
しかし、この弁解は本当に正直な弁明なのか?

筆者が知る限り、2004年から総務省行政評価局は、厚労省ならびに社保庁の行政評価検証を実施していた。筆者自身も、総務省に呼ばれ、ヒアリングインタビューを受けた経験があり、その際に膨大な調査資料があることを知った。その行政監査で「不明年金記録」の所在を認識できなかったとすると、総務省行政評価局は「節穴」だったのか?

国家の年金は、国家官僚により考案され、国家官僚によって運営され、国家官僚の雇用を「持続可能にする」制度である。
そして、彼らの年金は、まったく、別個の制度、国家公務員共済制度として国家によって保証されている。国民年金や厚生年金は『他人様の年金』なのである。ここに、国家年金が固有にもつ悪魔の連鎖、国家的無責任の源がある。
そして、この2007年5月に発覚した「ひとり一人の不明年金記録問題」が、国民が「自分の年金」に対する「権利の自覚」への契機になるのか?年金制度の「草根の改革」をスタートとなるのか?
2004年の「100年安心年金プラン」の厚労省作成の妄想プランを転換できるかどうかのラストチャンスとも言える。

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2007年07月23日

20歳代のための確定拠出年金研修

確定拠出年金継続教育、若年社員たちの反応とは?

X線分析装置メーカーの㈱リガク(本社・東京都昭島市)は、2006年4月に適格年金廃止、同時に退職金制度すべてを確定拠出年金(運営管理機関はDCJ)に移行。導入時の研修から1年が経過し、東京、大阪の全事業所の全社員を対象にこの1月から8月にかけて確定拠出年金継続教育「ライフ・バランス・セミナー」を実施。
同社の確定拠出年金継続教育「ライフ・バランス・セミナー」の課題には、定期預金に偏重する資産配分構成の見直しということもあるが、退職金100%を確定拠出年金に移行している現実から、将来の退職金は社員自らが作っていくことを再認識してもらうことも大きな目的でもある。
「将来、定年退職時に退職金はないのですか、と言われたら困る。しかも、世間水準よりも低い想定利率で設定している確定拠出年金である以上、制度を再確認することと、少しの工夫で従来の退職金水準より高い退職金も可能である点を社員にはわかってもらう必要がある」(栗秋取締役経営企画室長・同社DCアソシェーツ座長)

参加者の8割方がノート型PCを持参、エクセルシートを配布しての演習スタイルを採用。家計決算診断、長期家計シミュレーションの作成、アセットアロケーションの検証方法を、企業年金研究所の講師が、受講生ひとり一人に実例を交えて伝授していく約6時間の研修。
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※㈱リガク 拝島工場内での確定拠出年金継続教育

社員を世代別グループに分けた研修は、この7月からいよいよ20歳代社員が参加。これまでの中高年社員たちの反応とは違った幾つか興味深い傾向を示している。

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2007年07月24日

日本版SOX法と企業年金

日本版SOX法が2008年年度から上場企業に適用される。
この法律は、米国企業改革法(サーベンス・オスクリー法=SOX法)を受けて、日本では2007年の秋に施行される金融商品取引法によって明記される。

その要点は、3点。
1:内部統制の有効性を自主的に評価報告書に明記
2:報告書の適正判断は独立監査人の監査証明が必要
3:報告書は内閣総理大臣に提出する

日本版SOX法が企業年金にどのような業務波及をもたらすのか?「年金情報」(2007年7月16日号・格付投資情報センター発行)で、「基金に外部監査のメス」という表題で特集レポートを掲載している。
そのポイントをみてみよう。

1:退職給付会計として認識される退職一時金、厚生年金基金、確定給付企業年金、税制適格年金は対象となる。ことにオンバランスとなる「退職給付引当金」の計算根拠は重要な監査対象となる。確定拠出年金は対象とならない。
2:企業で作成する企業年金関連で必要とされる文書は、「業務マニュアル」「業務フロー図」「リスク・コントロール・マトリックス」。
3:総合型厚生年金基金に加入の上場企業,財務諸表報告書作成の非上場企業でも、「企業年金の内部統制」が必要となる。

内部統制監査のあり方は、近々、日本公認会計士協会が実務指針を公表する予定とのこと。

なお、SOX法導入にともない公認監査法人の報酬は、ここにきて大幅な引き上げ要請をうけている。同誌によると、「例えば、日立製作所や松下電器産業、NECなどでは」「05年度の2倍近くに増大」「2.5倍に膨らんだキヤノンでは06年度の監査時間が延べ8万時間を越え」と報じている。

2007年07月25日

監視委員会いよいよ稼動

参議院選挙戦が終盤に入るなか、あれほどマスメディアをにぎわしていた不明年金問題もすでに夏枯れ。朝日新聞や日経新聞も小さなカコミ記事に後退。このなか、読売新聞がけっこう丹念に不明年金問題の続編を掲載している。
同紙のネットhttp://www.yomiuri.co.jp/politics/から引用。実は不明年金問題の解明とその救済の物語は、これからが本番で、国民ひとり一人がどこまで遡及できるかいなかでこの国の年金の未来は決まる。

7月23日のYOMIURI ONLINEより
「社会保険庁の業務を監視する総務省の「年金業務・社会保険庁監視等委員会」が23日午前、厚生労働省と社保庁が入る東京・霞が関の中央合同庁舎5号館の7階に新事務室を開き、業務を開始した」とh報じる読売新聞記事のポイントは、2点。

1.『省庁が別の省庁の庁舎内に乗り込んで業務を監視するのは「おそらく初めて」(総務省幹部)』というように、厚労省や社保庁の職員が「「進駐軍のよう。屈辱的だ」というように、これは旧内務省―旧自治省―総務省の旧厚生省保険院―現・社会保険庁占領政策である。総務省にとっては、国民年金制度奪還のへの一歩となるのか?

2.『監視委の委員には、旧国鉄の分割民営化で主導的役割を果たした葛西敬之・JR東海会長、年金問題で厚労省と社保庁を厳しく批判してきたジャーナリストの岩瀬達哉氏ら6人が就く』と同紙は報じている。このなかで注目は、ジャーナリストの岩瀬達哉氏である。氏はこの10年近く、厚労省年金官僚の足跡を実に執拗に取材、氏の著作「年金大崩壊」「年金の悲劇」は、この国の年金制度がどれほど「いいかげん」さを知るには格好の書である。

年金時効特例の支給決定253件

「社会保険庁は24日、年金時効撤廃特例法に基づき、新たに108人に対し、時効となっていた年金の未払い分の支給を決定した。同法適用の第2弾で、初回分の145人とともに、来月15日に一括支給する」と、読売新聞YOMIURI ONLINEは報じている。
その内訳は、
・男性67人と女性41人。
・平均年齢は76歳で最高齢は81歳。
・支給額は平均84万円、最高額は624万円で、時効期間の最長は14年1か月。
・支給総額は計9124万円。
・同法が施行された今月6日から23日までに、時効分の年金の支給申請は計5114件。

2007年07月26日

厚生年金の生い立ちの不純動機とは?

厚生年金の生い立ちが、そもそも国家の不純な動機だったのか?
この素朴な疑問は、国家年金はどんな時代、どんな政府によって作られようとも、国家的強制取立て、権力的な徴税方法によってしか成立しないのかという疑問に行き着く。
国民の生活設計に直結した、国家と国民の権利と義務の健全な契約を基調にした年金制度は可能なのかという疑問でもある。

制度発足の国家的な不純動機を徹底的に「無化」しない限り、この国にあっては、民衆の生活を厚(ゆた)かにするための「年金制度」は、必ず国家の都合でどうにでもなる制度に堕すことは自明のこととなっているのが今の状況である。
国家と年金、このテーマを考察する前に、この国の年金制度の生い立ちを辿ってみよう。

1941年(S16)3月に労働者年金保険として発足した我が国の最初の「公的年金」、国家年金は、日中戦争の最中に生まれた。この年の12月8日は真珠湾攻撃、米英オランダ中国に宣戦布告した年である。ちなみに、この年の10月に発足した東条戦争内閣の商工大臣として戦時経済のリーダーが、安倍首相の祖父(母親の父)、岸信介である。

なお、1938年(S13)に国民健康保険法、39年(S14)には職員健康保険法と船員保険法が成立し、戦時社会保険制度は「資金吸収」と「給付」をあわせもつ仕組みを整えてきた。その最後の仕上げとして、労働者年金保険法の成立となったわけだ。その国家プランは、どこにあったのか?

「厚生年金保険十年史」(厚生団発行・昭和28年2月)から探ってみよう。
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まず、制度発足時のS13年1月に、内務省から厚生省が生まれ、外局として保険院が設置(今の社会保険庁の前身)。
この当時の企画課長であった簗誠氏の寄稿文から制度設立のコンセプトが読みとれる。

1.「日支事変が長期化深刻化」「生産力の源である労働者の生活安定」「生産力増強」。
2.「インフレ対策」として、「資金吸収蓄積」が「財政政策」として強く推進されていた。
3.「保険院設置」(現・社会保険庁)によって、「総合的に社会保険制度を企画」は、「有利便宜」。

ここで重要なことは、この国の年金制度、その生い立ちの国家的な不純動機は、次の図式にある。

「戦争の深刻化」→「生産力増強」→「資金吸収蓄積」が必要→「財政政策」→国家官僚の肥大化→「保険院設置」→「有利便宜」。誰にとって有利便宜なのか?

紀元前の時代から、年金制度は純粋に人々の老後の安定的な生活を願ってはかられた制度ではない。近代になって、「社会保険制度」として国家によるセイフティーネットの装いのもとで国家的年金制度を創設したのも、1870年―71年の普仏戦争を契機に、ドイツの統一をはたした軍事ボナパリスト、鉄の宰相ビスマルクであった。鉄(工業化)・大砲(軍事)・バター(社会保障)はいつも三位一体で進む。

2007年07月27日

「正徳利用厚生惟和」にある「厚生」の意義とは?

労働者年金保険は、昭和16年3月に成立、昭和17年6月に全面改正され、その保険料収入は戦費調達の色彩を深めながら、昭和19年2月に「厚生年金保険法」と衣替えをする。
中国の古典、書経が出典である。「大禹謨」の「正徳利用厚生惟和」にある「厚生」をとって、厚生年金保険となったという。
ちなみに、この語源の意味は「指導者の徳で民衆の徳を正し、経済を活性化し便利にし、民衆の生活を厚(ゆた)かにする」という意味がある。
しかし、厚生年金保険の運命は、戦争によって胡散霧消の淵に追いやられる。

「戦争という強い時代の流れに乗って、誕生した労働者年金保険は、また、戦争の流れに押し流されて、ゆがめられ、更にまた、戦後のはげしいインフレによって、手ひどい打撃を受け、年金保険の中心である養老年金部門は、休眠状態におかれるのやむなきに至りました」(1941年当時の厚生省保険院企画課長・簗誠氏寄稿文「厚生年金保険十年史」より引用)

当時のこの年金制度創設に何らかの形でかかわり、「正徳利用厚生惟和」にある「厚生」の意義に燃え、戦後の年金再興に邁進した善意ある年金官僚たちも確かにいた。筆者自身若き日に、そうした年金官僚たちの古老から、この制度の成り立ちを教わったものだ。

しかし、他方でこの国の国家年金は、この制度の「資金吸収蓄積」と「有利便宜」をおいしい機能として着目、無邪気なまでに信じ、制度の継続をはかって来た堕落した年金官僚群もいたのである。その堕落官僚のエースが、初代厚生年金課長・花沢武夫氏である。

国家官僚によって考案され、国家官僚によって運営され、国家官僚の雇用をただひたすら「持続可能にする」制度であることを「善」とする一群の堕落した年金官僚たちの一人である。
ここにこの国の年金制度は、なぜ、かくも堕落した官僚によってしか「持続可能」にされてこなかったのか?という問題につきあたる。

日本アビオニクス厚生年金基金清算結了

1.基金の名称    日本アビオニクス厚生年金基金
2.事務所の所在地 神奈川県横浜市瀬谷区本郷二丁目28番2
3.清算結了年月日 2007年7月2日

2007年7月23日(官報より)

フジトランスコーポレーション厚生年金基金清算結了

1.基金の名称    フジトランスコーポレーション厚生年金基金
2.事務所の所在地 愛知県名古屋市中区錦一丁目8番6号
3.清算結了年月日 2007年7月2日

2007年7月23日(官報より)

三菱化工機企業年金基金設立

1.基金の名称   三菱化工機企業年金基金
2.事務所の所在地 神奈川県川崎市川崎区大川町2番1号
3.設立認可年月日 2007年7月1日
4.消滅した厚生年金基金の名所及び所在地
 三菱化工機厚生年金基金 神奈川県川崎市川崎区大川町2番1号

2007年7月24日(官報より)

企業年金基金合併 ジェイティービー企業年金基金ほか 

1.合併基金の名称  
ジェイティービー企業年金基金
ジェイティービーグループ企業年金基金

2.合併後存続基金の名称  
ジェイティービー企業年金基金

3.合併により消滅する企業年金基金の名所及び所在地
 ジェイティービーグループ企業年金基金 東京都品川区東品川

4.合併認可年月日     2007年7月1日

2007年7月24日(官報より)

企業年金基金合併 日立企業年金基金ほか

1.合併基金の名称  
日立企業年金基金
日立超LSIシステムズ企業年金基金
日立設備エンジニアリング企業年金基金

2.合併後存続基金の名称  日立企業年金基金

3.事務所の所在地      東京都千代田区丸の内一丁目6番1号

4.合併により消滅した企業年金基金の名所及び所在地
 日立超LSIシステムズ企業年金基金 東京都小平市上水本町5丁目22番1号
 日立設備エンジニアリング企業年金基金 茨城県日立市会瀬町二丁目9番1号

5.合併認可年月日      2007年4月1日

2007年7月24日(官報より)

東洋シヤッター企業年金基金設立

1.基金の名称     東洋シヤッター企業年金基金
2.事務所の所在地  
 大阪府大阪市中央区南船場2丁目3番2号南船場ハートビル12階
3.消滅した厚生年金基金の名称及び所在地
 東洋シヤッター厚生年金基金 大阪府大阪市中央区南船場2丁目3番2号南船場ハートビル12階
4.設立認可年月日  2007年7月1日

2007年7月26日(官報より)

紀文厚生年金基金事務所変更

1.新事務所の所在地 東京都中央区銀座7丁目14番11号
2.変更年月日      2007年7月17日

2007年7月26日(官報より)

2007年07月30日

堕落した年金制度なのか?(1)

2007年7月29日の参議院選挙。年金問題選挙と言われた選挙結果は、最低保障年金の税方式を掲げた民主党が大勝、現行制度維持の守勢にまわった自民・公明の与党は大敗となった。さて、今後の国政の場で、年金問題は、抜本的な制度改革への冷静な論議が開始されるのかどうかについては、今のところ期待できる状況でもない。年金の未来を考えるには、やはりこの制度の歴史をもう少し振り返って見る必要がありそうだ。

そもそも厚生年金制度は厳正な財政基準をもって運営されてきたのか?という疑問に突き当たる。
次のような事実がある。
「厚生年金と国民年金の保険料計約1兆4000億円を投じて建設されながら、廃止・売却が決まった年金福祉施設計412物件の資産価値が約2000億円」「102物件が今月中旬(07年7月)までに売却されたものの、総額約400億円」「すべて売却できたとしても、1兆円以上が改修できない」(読売新聞07年7月24日号)
なお、この問題を早くから、保険料の「中抜け」として追求してきたのは、「年金業務・社会保険庁監視等委員会」の委員に就任したジャーナリスト岩瀬達哉氏である。「年金大崩壊」「年金の悲劇」という著作がある。特に、「年金の悲劇」(04年4月・講談社発行)の巻末の年金保険料・積立金の「失われた年金掛金」一覧は、著者の調査による執念のデータが掲載されている。

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我々の保険料はなんと壮大な無駄遣いをしてきたことかという慨嘆とともに、これを運営してきた厚生省官僚たちへの怒りを禁じえないであろう。しかし、この問題は、根が深い。年金制度がもつ長期運用は常にこうした極楽トンボ的資金流用を繰り返す。
その源流は、どこから始まったのか?

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2007年07月31日

堕落した年金制度なのか?(2)

参議院選挙は、自民・公明党の与党104、民主党など野党137。与党惨敗、民主党が第一党に躍り出た結果で終わった。
民主党の当面の課題は、年金保険料の流用禁止法案を衆参でどう成立させることができるかにある。
政策立案にどんなリーダシップを発揮することができるのか?
実際にこの法案が成立するとなると、この国で厚生年金保険が発足して65年、厚生省の思いのままであった財政手法にようやくシビリアン・コントロールとでも呼べる、政治による年金統治のメスが入ることになるが、その行方は今は定かでない。

1942年(S17)の労働者年金保険発足から、51年(S26)までの制度創業期、戦争をはさんだ年金財政の収支統計を見てみよう。金額単位は、万円。
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制度発足時から、事務費と福祉施設費は当然の支出として組み込まれてきた。

1951年(S26)には、敗戦後のハイパーインフレによって保険料収入は急角度で増大。
しかし、驚きを禁じえないのは保険給付費以外の支出の増大ぶりである。
事務費は、発足当時の2百万から4億2,300万円、福祉施設費はゼロから1億8,300万円はうなぎ上りを続けてきた。この2つの保険料収入に占める割合は、3.3%にあたる。1942年物価指数1に対して2003年の1796倍の指数で置き直すと、現在の価額で事務費は約7,597億円、福祉施設費は約3,287億円、合計1兆884億円という巨額の支出となる。

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