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2007年08月 アーカイブ

2007年08月01日

堕落した年金制度なのか?(3)

年金資産は、運用する受託者にとってある意味で芥子の花なのかもしれない。制度に激痛が走ればモルヒネのように痛みを和らげる。しかし、一度、その愉楽感を知れば、それは現実への直視から逃れられる麻薬にもなる。

「厚生年金保険の被保険者福祉施設は積立金の利益を以って行うことになっております。之は法律に別にそうしろとも何とも書いてある訳ではありませんが、大体そうすることになっていることにしてあるのであります」
これは、本誌でたびたび取上げている『厚生年金保険10年史』(厚生団発行・昭和28年2月)のなかで自慢話に酔う初代厚生年金課長・花沢武夫氏の言行録からの引用である。
「法律になくとも、大体そうすることになっていることにしてある」とは、一体どういう意味なのか?

「私の腹のなかでは積立金の融通によって之(「厚生省の連中がOBになった時の勤め口に困らない被保険者福祉施設の拡大」筆者:注)をやる考えで、それができる様に積立金運用規制を作ったものです」と、初代厚生年金課長・花沢武夫氏の怪気炎は続く。

それでは、厚生年金保険の1942年(S17)発足から51年(S26)までの年金資産の推移を見てみよう。
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1951年の年金資産519億5,300万円は、現在の価格で大よそ80兆円程度になるのであろうか。いずれにしても、当時の国家の年度予算が7,498億円(S26 年「日本統計年鑑」)。その規模と比しても、年金資産の束は侮れない額である。

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2007年08月02日

参議院選挙と年金

参議院選挙で重視した政策は、「年金・福祉など社会保障政策」が60%。
「政治とカネ」32%、「格差問題」25%がを抜いて、断然に、国民の投票行動の政策優先度において、年金・福祉は重要なファクターになっている実情を示した。
これは、日本経済新聞(07/08/01)の参議院選挙後の緊急世論調査で複数回答である。

しかし、この手の世論調査では、「年金・福祉など社会保障政策」のなにが問題で、なにをどう変える事を望んでいるのかはわからない。

07年参議院選挙の投票率の58.64%は、この国には常に政治的アパシー層が40%いることになる。
全選挙民の4割が投票行動に至らないことは、平和な日本の証明であるか、余程、世捨て人が増大しているか、どちらかになる。
年金制度からすると、国民年金1号被保険者の未納未加入者が約4割。この数値と符合するのは単なる偶然なのか。

なお、同調査によると安部内閣の支持率28%、不支持率63%。
年内解散総選挙を求める声44%。民主党支持率44%、自民党29%。

堕落した年金制度なのか?(4)

「ところが宮島君の曰く『そりゃ課長、そんなことは分かりませんよ、大体この保険は60年が周期になっていますから、60年たって、つまり第一回の養老年金受給権者が全部死亡して、引続き遺族年金受給者も全部完結した時に、金が足りなかったか丁度よかったかがはじめて分かります』ということで」
それじゃ我々が生きている間には、この保険がうまくいっているんだか、うまくいっていないんだかとても分からないな、といって大笑いになりました」

これは、「厚生年金保険10年史」からの花沢武夫氏の「感想」という寄稿文からの引用だが、この文章を面白いと思うのは、年金財政のいい加減さ、所詮人間が考える将来の不確実性に対する「大笑い」してしまうしかない「当てにならない」話だよ、ということである。その意味では、初代厚生年金課長・花沢武夫氏は心底、正直な人だ。
年金財政というと人々は、眉間に皺寄せて真面目に考えるが、制度発足から「大笑い」なのである。

なお、この文にある宮島君とは、「宮島君にしても坂中君にしても我が国のアクチュアリーの最高権威という訳ではなし」と、当時の上司であった花沢武夫氏に紹介されている厚生省保険局年金課の「技師」、今で言う年金数理官であろうか。

「併しここに面白いのは長期保険制度にからくりであります」と氏は本音を言う。それでは、その「からくり」とはなんのか?
ここに、厚生省の主流が考える年金財政の「規律」と「態度」がよく分かる。正直な人は、狡猾な策略を練るときも自分の野心に正直になるのか。花沢武夫氏の話の引用を続けよう。

そして、初代厚生年金課長・花沢武夫氏は、これまた素とぼけたことを言う。要約しておこう。

「つまり現在の年金保険の剤経には根本的に大きな仮定があるのです」
「当初の保険料の計算基礎の様に日本人の平均寿命が絶対不動」
「且その60年間の間に日本経済、及び社会情勢に何等の変化も起こらない、ということを前提にしている」
「又実際それでなければとてもこんな難しい計算ははじめから出来ない」
「今の積立金なるものも一応仮定の積立金であり」「実際はもっとよけいにいるものでこれではとてもたりないのか、ダブダブに余っているのか、そこの所は一寸も分かりません」

ここで、1951年(S26)頃までの加入者、人口、平均寿命、受給者数のデータを付す。
ポイントは、男子55歳から支給される養老年金受給者は皆無で、年金受給者は遺族年金か障害年金、養老年金はほとんどが一時金であり、制度的には「原始蓄積過程」にあること。
ちなみに、1950年の平均寿命は男子58歳、女子61歳。年金支給開始55歳から3年でほとんどの勤労者は亡くなってしまう日本国、戦後の姿であった。

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2007年08月03日

市場の不安

金融市場の連鎖破綻リスクへの不安が高まっている。

日経平均株価は前日終値に比べ113円13銭高の1万6984円11銭。TOPIXは0.48ポイント高の1669.33。東証では不動産、医薬品、ガラス、保険、その他金融など21業種が上昇。銀行、水産農林、その他製品など12業種が下げた。

日本株市場は日経平均17,000円を割り込み下げ幅を広げつつある真夏の状況である。堅調に推移してきた鉄鋼、造船株なども下げ基調に転じるのであろうか。この初夏の世界的な市場の乱調の原因はどこにあるのであろうか。

ポイントは、
1.米国の低所得者向け住宅ローン、米国サブプライムローンの破綻の拡大規模は?
2.サブプライムローンに資金を突っ込んできたヘッジファンドの破綻規模は?
3.金利上昇は高騰に向かうのか?
4.外人投資家の資金が60%近い日本株市場の資金の行方は?
5.原油高、穀物高、素材原料高によるインフレの加速度は?

週刊「エコノミスト」(7月31日特大号)は「暴走ヘッジファンド」を取上げ、その投資資金1.6兆ドル、日本円にして約200兆円、ファンド数9千本がマグマとなって、金融市場での連鎖破綻の可能性を素描している。

所詮個人の投資家が得られる情報はすでに市場で織り込まれたものでしかない。ヘッジファンドがイナゴの大群のように蜜あるところに群れていく姿をウオッチできれば、ある種の投資行動のパターンを感得できることもある。

週刊「エコノミスト」(7月31日特大号)の「暴走ヘッジファンド」は、世界的な金融市場の連鎖破綻リスクと投資行動の傾向をイメージするには格好の入門ガイドとなっている。

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人口1億2,705万3,471人、2年連続で減少

住民基本台帳に基づく07年3月末現在の人口が総務省から公表された。
1.総人口は1億2,705万3,471人。
2.前年同期より1,554人減少。1998年の同調査以来、減少に転じた05年度から2年連続の減少。
3.全人口の半数以上が東京、名古屋、関西の3大都市圏に集中。
4.65歳以上「老年者」は全人口の21%。これは過去最高。
5.老年者割合が高い県のトップは島根県28%、秋田県27%。人口減少率は秋田県1.08%、青森県1%。
6.人口自然増数(出生者数―死亡者数)は06年度1万743人増。

エヌ・ティ・ティ企業年金基金設立

1.基金の名称    エヌ・ティ・ティ企業年金基金
2.事務所の所在地 東京都千代田区大手町2丁目2番2号
3.設立認可年月日 2007年7月1日
4.消滅した厚生年金基金の名所及び所在地
 エヌ・ティ・ティ厚生年金基金 東京都千代田区大手町2丁目2番2号
2007年7月27日(官報より)

全国農業みどり国民年金基金事務所変更

1.新事務所の所在地 東京都港区赤坂2丁目17番22号
2.変更年月日 2007年7月30日

2007年7月30日(官報より)

2007年08月06日

26.3兆―42.7兆=▲16.4兆円

国家の年金財政の本質は、保険料収入から年金給付費の差引きが重要である。
2005年度末の公的年金(厚生年金・国民年金・国地方公務員共済・私立学校共済)の保険料収入総額は約26.3兆円、年金給付費総額は約42.7兆円、その収支差は▲16.4兆円となる。問題は、その差額はなんで埋められているかにある。その拠り所は次の4種の収入である。

1. 税金が約6.8兆円に「追加費用」1.6兆円で8.4兆円。
2. 厚生年金基金解散による返上金3.4兆円。
3. 運用収益(時価)13.9兆円。
4. 積立金取崩し6.7兆円。

その他の収入項目を足して「時価ベース」の収入が59.4兆円、「その他」という支出項目を加えた給付費総額が47.5兆円、その差額は11.9兆円の黒字ということになる。
なお、この収入項目にある厚生年金基金解散の返上金は、07年辺りがピークで今後は先細りとなる。

しかし、この財政収支から見える構図は、この国の年金財政が「資産運用」頼みの制度になっていることである。

要するに、年金制度そのものが、厚労省が「運用実績が好調なことから」というように、運用リスク(変動幅)に左右されるきわめてリスクの高い金融商品にひとつになっている。このことを多くの国民がどの程度理解しているのだろうか?

また、運用収益のうち約66%はサラリーマンが加入する厚生年金が稼ぎ、積立金の取崩しのうち92%が厚生年金積立金からのものである。

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2007年08月07日

日経平均株価は65円安、続落

週明けの6日は、朝方から売り先行で進んだ日経平均株価は▲300円超下げる。しかし、後場の東京証券市場は、買戻しの動きが進み、日経平均株価は▲65.4円安の16,914.46円、TOPIXは▲4.5円安の1,668.04円で終わった。
輸出関連株は売られ、JFEを中心に鉄鋼株、郵船・商船三井・川崎汽などの海運、佐世保重工などの造船株が買い進まれ、トヨタ自動車・日野自動車・ダイハツ・トヨタ紡織・アイシンなどトヨタ傘下企業は堅調に値上がり。

マスコミ各紙の市場分析の中で、ヤフーが提供する株式新聞速報ニュース(KABDAS-EXPRESS)が、市場の雰囲気をよく伝えている。以下、引用掲載。
『市場では、「午後2時ごろから欧州系の中期マネーが大型株に流入し、先物の買い戻しにつながった。前場に国内公的年金が買いに動いたこともポイントだ。米景気に不安は残るが、平均株価、個別銘柄ともに安値レベルにあり、あすから引き戻しに入るのではないか」(米系証券)、「短期的な売りが一巡し、きょうは強い方。安値圏まで下げただけに目先戻りがあって然るべきだ。問題は、どの水準で戻り売りに上値を抑えられるかだ。外部環境に変化がない以上、玉回転が利く水準まで戻るのは難しい」(中堅証券)などの声が聞かれた』

全関係者の聞き取り調査をすべし

総務省の「年金記録問題検証委員会」(松尾邦弘前検事総長・座長)は6日開催。これまでに124件の情報が寄せられたことを報告。そのうち、10件は社会保険庁の元職員からの情報提供。朝日新聞8月7日号によると、「誤った記録や読み取り困難な記録が大量に発生していたという元職員の証言もあった」とのこと。この数では、同委員会は仕事をしているとはいえない。

しかし、今さらに「困難な記録が大量に発生」などと新発見の如く総務省「年金記録問題検証委員会」が公表するのもおかしな話である。

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2007年08月08日

男性 23万・24万・21万・19万円

直近の平均年金月額の数字である。2005年度末の公的年金(私立学校職員・地方公務員共済・国家公務員・厚生年金)の順で見ていただきたい。今年の6月の社会保障審議会年金数理部会で公表された資料をまとめたのが下記の表。

●厚生年金・国民年金・共済組合の老齢・退職年金の平均月額(2005年・H17)
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この表はあくまでも平均月額であるから、誰もがここに該当するわけではないが、ここから、老後生活をイメージするには次の点に注意が必要。

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2007年08月09日

官民格差 9万6千円

公務員と民間会社員、その給与や年金の報酬格差が拡大している。
人事院は8日、国家公務員の給与を平均で0.35%、月額で1,352円引上げを勧告。これが実施されれば、年齢40.7歳で月給は平均38万4893円。ボーナスに当る期末・勤勉手当も同時に年間0.05ヵ月増となる。年収は4万2千円増の平均639万8千円になる。
ボーナスは、民間4.51ヵ月、公務員4.45ヵ月で公務員の引き上げが必要と人事院は判断とのこと。
なお、人事院は「民間給与を調べて公務員と比べた結果」「若年層で格差が大きかったため、係長(3級)以下のみ引き上げ、課長代理・係長(4級)以上の中高齢層を据え置く」(朝日新聞8日号)。

人事院は民間給与を調べてと言うが、企業規模のどのクラスと比較したのか、同朝日新聞の記事は追及していない。
40歳前後の平均が月給38万4893円、年収639万8千円といえば、トヨタやキヤノンといった純利益数千億円規模の上場企業のほぼ平均的な水準である。財政赤字続く国家の下僕がこうした「高給」を食む理由はどこにあるのであろうか?

年収が上がると、当然、公務員の厚生年金部分の年金額にも反映される。
年金額計算基礎である標準報酬月額の平均の比較をしてみると、国家公務員と民間会社員との差は、約9万6千円、しかも平均年齢は国家公務員が約1.8歳若い。
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2007年08月10日

年金保険料流用禁止法案

年金事業の事務費や教育・広報費、コンピュータシステムの管理費をすべて国費でまかなう「年金保険料流用禁止法案」が、8月9日、参議院民主党から法案提出された。国会会期は10日までなので実質審議に入ることもなく廃案が決まった法案だが、「年金保険料」と「事務費」の関係のあり方を通じて、「年金保険料」の本来のあり方を問い直すには、それなりに重要な法案ではある。しかし、年金制度の根幹を論議するためなら、本質的な問題ではない。

朝日新聞8月10日号が報じる保険料流用額の経緯をまとめておこう。「1945年度から05年度までに計6.4兆円を給付以外に支出。グリーンピア(3千億円)、年金福祉施設(1.4兆円)などだ。これらの施設への支出はすでに打ち切られたが、現在も年金記録管理のシステム経費や年金相談など、運営経費3800億円(07年度)のうち、2千億円を保険料で賄っている」
同紙は、自民党の厚労族議員幹部の意見を報じている。「民間の保険でも運営経費は保険料を使っている。すべて禁止するのは不合理」と民主党案を批判。

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日本システムディベロップメント企業年金基金事務所 所在地変更

1.新事務所の所在地 
 東京都新宿区西新宿2丁目7番1号
2.変更年月日 2007年8月1日

2007年8月2日(官報より)

2007年08月13日

厚生年金の2006年度収支決算

厚労省社会保険庁は、8月10日、「厚生年金・国民年金の平成18年度収支決算の概容を発表」した。詳細は、社保庁ホームページにあるPDFで全文を閲覧できる。

厚生年金の2006年度(H18)収支決算のどこをどのように見ても、何がポイントなのかがよくわからない損益計算書になっている。1から4の順に検証してみると、この収支決算書の特徴がよくわかる。
時価ベースの運用収益を加算したもので見てみよう。単位は兆円以下を四捨五入。

1.歳入合計37兆―歳出合計34兆=3兆円の黒字。

2.その収支を「保険料収入―年金給付費=収支差額」の実質で見てみる。
保険料収入21兆+国民年金・船員保険より受入額2兆-保険給付費22兆=1兆円の黒字となる。

3.この1兆円の黒字の他に、次の歳入14.3兆円が加わり実質黒字額は約15.3兆円になる。
ア>税金5兆円
イ>解散基金の代行返上分0.6兆円(05年度3.5兆円に対して80%減マイナス2.8兆円となる)
ウ>運用収益2.4兆円+積立金取崩し3.4兆円+年金積立金基金納付金2兆円=7.8兆円
エ>存続組合等納付金(旧国鉄や農林共済などか?)0.5兆円
オ>その他および雑収0.4兆円

4.実質黒字額は約15.3兆円。この黒字なら保険料を減らしてもらいたいと誰もが思いたいが、そうは問屋が卸さないのが厚生年金の仕組み。
ア>歳出の欄にある「国民年金特別勘定会計へ繰入れ」12兆円
イ>「福祉施設費等業務勘定へ繰入れ」「諸支出金」が約0.2兆円
ウ>上記アとイの合計12.2兆円が実質黒字額約15.3兆円から出て行く勘定になり、最終黒字約3.1兆円となる。

厚生年金の収支決算を民間会社の普通の損益計算書にするとどうなるのであろうか?

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国民年金納付率66.3%、さらに減少

厚労省社会保険庁は8月10日、国民年金保険料の2006年度(H18)の納付率を公表。05年度に比べ0.8ポイント下落、66.3%とになった。
国民年金強制加入となる1号被保険者である自営業者、フリーター、代議士、農林漁業者などが納付すべき月数の34%が未納状況に陥っているわけである。

納付率の計算は、納付月数÷納付対象月数によって導かれる。
納付対象月数には、法定免除月数・申請全額免除月数・学生納付特例月数・若年者納付猶予月数を含んでいない。

過去の厚労省の未納対策は、下記の表にあるように、分母となる納付対象月数を算入させない制度改定しかやってきていない。問題の根幹とは、およそ関係ないことしかやってきていないが、納付率はますます減少していく。
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政府=厚労省が掲げる目標納付率は下記の通り。
・H16年度=65.7%
・H17年度=69.5%
・H18年度=74.5%
・H19年度=80%

2007年08月14日

国民年金の2006年度収支決算

国民年金は▲279億円の赤字を計上。これは時価ベースの赤字で実際に運用収益は実現利益になっていないので、簿価ベースでみると▲1,194億円の赤字となっている。この収支決算は厚労省社会保険庁が8月10日に公表した「厚生年金・国民年金の平成18年度収支決算の概要」からの数字である。
収支決算内容は、社保庁ホームページにあるPDFで閲覧できるので、本誌では、フツーの企業会計の損益計算書に置き換えて見てみよう。
ここから、国民年金制度の収支状況を検証してみたい。厚労省的会計基準では、誰も理解できないので、企業会計の損益計算書に置き換えて検証してみよう。

●国民年金・2006年度(H18)収支決算を企業会計損益計算書に置き換えた場合

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※07年08月17日 表修正 誤)07年→正)2005年。
※社保庁07年8月10日「厚生年金・国民年金収支決算概要」から企業年金研究所で制作

2006年度の国民年金財政の収支で、2005年(H17)度と比較すると、顕著な違いがある。保険料収入が「被保険者数の減少」によって442億円収入減になっているが、保険給付費も1,377億円減少しているのである。この変化は、「旧国民年金法による受給者数が減少したこと等により」というのが社保庁の見解である。

ここまで、見れば国民年金財政は収支均衡しているように理解できるが、実はそうではない。

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2007年08月15日

基礎年金17兆円の給付費はどこから来るか?

厚生年金加入者は会社と本人で折半負担する保険料率は2007年9月から14.996%に引上げられる。この保険料率のうち何%が厚生年金分と何%が基礎年金分というように区分されていない。
国民年金だけの加入者である自営業者やフリーランサーの人たちは、毎月14,100円、年間169,200円の保険料を納付しなくてはならない。これも、現在の受給者分に幾ら、あなたの老後に幾らという形で保険料の行き先は明示されていない。

8月13日と14日と二回にわたって本誌で解説した「厚生年金・国民年金のH18年度収支決算」から理解できることは、保険料だけでは毎年の給付費が賄えない財政構造になっていることである。そうすると、全国民共通の基礎年金の保険料はどこから来るか?

厚労省が公表した2006年度(H18)の「厚生年金・国民年金のH18年度収支決算」では基礎年金勘定財政を明らかにしていないので、同じ厚労省社会保障審議会で公表された2005年度(H17)の財政報告からまとめてみたい。

厚生年金は約11.5兆円、3共済は約1.7兆円、国民年金は約3.2兆円。この各制度の負担拠出金(会費)総額約16.4兆円に「特別国庫負担」という税金約4,830億が足されて、全国民共通の基礎年金は賄われている。
各制度とも保険料で各制度の給付費を賄うには全く無理があるか、なんとか収支トントンであるから、基礎年金分の給付は各制度に振り分けられる税金投入分、運用収益、積立金の取崩しで賄っている構造になっている。
その資金循環は下記の通りである。
・<図版> 2005年(H17)度の基礎年金勘定の資金循環構造
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※厚労省社会保障審議会で公表された2005年度(H17)の財政報告より企業年金研究所で作成

基礎年金勘定のおかしな仕組みについては。本誌の「ニッポン年金ガイド」をご覧いただきたい。
http://www.nenkin.co.jp/guide/archives/2006/03/09/
問題は3点ある。

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不動産開発業者に参入する企業年金連合会

日経新聞8月15日の一面トップは、「年金連合会・不動産開発に投資・大手と連携 賃料収入を期待」記事が踊る。

企業年金連合会は、2005年度末で年金資産残高12兆6千億円をもつ我が国最大の年金資金運用機関である。この12兆6千億円は、全国にある642の厚生年金基金と606の企業年金基金に加入していた中途脱退者と呼ばれる「短期加入者」の年金資産、約430ある解散厚生年金基金の移換年金資産の総額である。
その多くが国の厚生年金の報酬比例部分であり、本来的には厚生年金の一部。その残りの部分は、各厚生年金基金や企業年金基金の独自給付の移換金である。

企業年金連合会は国内債券と国内株式に70%強も偏重した配分資産に、2008年度から新たに不動産投資を組み込む。初年度は6,500億円程度を計画。
ただし、企業年金連合会がもくろむ不動産投資は、不動産投資信託(REIT)への投資ではなく、「東京ミッドタウンのような大規模な都市再開発事業。連合会は計画段階から事業に参画し投資物件の収益性向上に努める」(日経新聞同記事より)というように、デベロッパーとしての直接資金投資するところに特徴がある。

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2007年08月16日

厚生年金基金の記録突合

厚生年金基金がもつ加入記録と社会保険庁の加入記録との突合は、2008年度中に実施されることになっている。日経新聞07年8月15日号で、この突合方法の具体的な手順が報じられている。
・約680ある厚生年金基金は、加入者の氏名リストなどの加入記録を提出。
・社保庁が厚生年金基金から提出された加入記録と社保庁の加入記録を突合。
・加入履歴に漏れがないかを厚生年金基金に通知、漏れが発見された場合に年金記録管理システム上の記録を訂正。
ただし、「記録の提出は基金側の判断による」ために、「前件をすべて確認する、というのは無理かもしれない」(社保庁幹部)<日経新聞07年8月15日号より>

2007年08月17日

株安・円高・金利安の行方

米国の低所得者住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付きを震源とした世界的な株安は、どこまで進むのか?

8月15日の日経平均は16,475.61円で前日比▲369円安、TOPIX1594.15円で前日比▲43.31円安。8月16日は一段の下げ基調となり、日経平均は▲327.12円安の16,148.12円、TOPIXは▲26.19円安の1567.46という大幅下落となった。

株安を受け、資金は円買い、債券市場に流れはじめた。対ドルや対ユーロなどで円買いが伸展、1ドル=110円台の円高に進み、長期金利も1.5%台半ばまで下落するといった観測も出始めた。
金融市場の世界的な変動、その最大の原因は、ヘッジファンドの行動にあるといわれている。
8月3日本誌が報じたように世界的なヘッジファンドは円売り取引の解消、日本株売り、現金確保に驀進しつつあるのであろう。この先、投資資金1.6兆ドル、日本円にして約200兆円、ファンド数9千本といわれるヘッジファンドの「手仕舞い」がどこまで進むか?世界の金融市場の真夏の悪夢は今しばらく続くようだ。
http://www.nenkin.co.jp/pension/archives/2007/08/03/post_570.html/
日本株でいえば、期待収益率7%-リスク17%という水準からすれば、日経平均18000円から16000円台までの値下がり幅10%強の変動は、ほぼいつでも起こりうる範囲を超えつつある状況といえよう。

市場の乱高下は、一気に最悪期の下落幅となる▲15%強、日経平均でいえば15,000円前後を伺うところまで行くか?来週の市場は眼が離せない。
資産の分散をさらに推し進め、資産全体のリスクの低減が急務な情勢といえよう。

カナモト企業年金基金清算結了

1.基金の名称  カナモト企業年金基金
2.事務所の所在地 札幌市中央区大通3丁目1番地19号
3.清算結了年月日 2007年7月24日

2007年8月13日(官報より)

札幌トヨペット連合企業年金基金清算結了

1.基金の名称    札幌トヨペット連合企業年金基金
2.事務所の所在地 札幌市豊平区月寒東1条14丁目1番1号
3.清算結了年月日 2007年7月30日

2007年8月16日(官報より)

2007年08月20日

基礎年金勘定は明朗会計でない!

「各制度が負担する基礎年金拠出金の計算基礎が曖昧かつ不合理」と8月15日本誌で伝えたところ、「どういう意味?」という問い合わせがあった。もう少し、具体的に解説したい。
なお、基礎年金会計の財源調整のなんとも不明朗かつ不公平な仕組みについては、2006年に検証している。詳しくは、本ホームページの「ニッポン年金ガイド」をご覧いただきたい。
http://www.nenkin.co.jp/guide/archives/cat36/

厚労省は社会保障審議会数理部会6月25日で「H17年度の厚生年金保険と国民年金の財政報告」を公表している。その資料のなかに、「基礎年金・拠出金単価等の状況」がある。
H17年をみると、
1>拠出金算定対象者59,606千人
2>基礎年金単価(月額)一人当たり22,986円で年間275,832円
3>基礎年金単価から国庫負担(税金)を引くと月額14,905円、年間178,860円。
この単価の2001年(H13)から2006年(H17)の単価推移は下記の表。
0708kisokanjyo17.gif

この負担単価は、実質負担者で割り振らないと、基礎年金制度の実相はわからない。試算した負担単価と次のようになる。

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2007年08月21日

NZ政府の年金改革

日経新聞8月20日号は「NZ、確定拠出型年金を導入」を報じている。既に2007年に導入した「キウイー・セイバー」と呼ばれるNZ確定拠出年金は、ニュージランド政府の税方式の社会保障年金の上乗せ制度として、公的な個人勘定別の積立年金制度である。
「キウイー・セイバー」、NZの国鳥でもあるキウイーはNZに住み人の愛称でもある。生活をエンジョイして、楽しく暮らすNZ人をキウイーと呼ぶ。
「ニュージランドの人の貯蓄年金」といった意味であるのであろう。

筆者が07年3月にNZ確定拠出年金制度の運営者の一人でもあるダイアナ・クロッサン女史からお伺いした点を含めて、この制度を紹介しておこう。
この制度の最大の特徴は、3点ある。
1)個人は加入時に、政府から1,000NZドルをデポジットとして受取ることができる。
2)個人の拠出額は給与の4%まで非課税で、65歳まで積み立てることができる。
3)加入できる人は永住権保有者。

今回の日経新聞8月20日号が主として報じている点は、2008年4月から企業雇用主に掛金の一部負担を義務づけることを政府が決定したことである。同紙によると「所得税控除制度を設け、最終的には雇用者も給与の4%を拠出する」ことを将来的には実現する。

筆者が07年3月にNZ確定拠出年金制度の運営者の一人でもあるダイアナ・クロッサン女史に直接伺ったところでは、「今後、企業が運営している企業年金制度もこの『キイゥイー・セイバー』に移行移換してくることが現実化してくる」とのこと。
また、今後の先進国での報酬比例の年金のあり方、企業年金との非課税拠出額の調整法、個人別の資産勘定の運営方法、国民への資産形成教育など、幾つか示唆に富む手法がある。

なお、このNZ確定拠出年金制度は、政府が直接運営NZリタイアメント・コミッションという機関が運営している。ご興味ある方は、下記にクリック願います。
http://www.retirement.org.nz

2007年08月22日

不明年金記録対策費のための資産売却

参議院民主党が準備している年金保険料流用禁止法案が、この秋の臨時国会の争点になることが予定されている。こうした状況に先駆けて、社会保険庁は年金記録問題の費用捻出に同庁保有資産売却の方針を固めたようだ。
5千万件の記録問題対策費のうち、「08年度に予定していた加入者7千万人への給付見込み額などの通知の、年間110億円を想定」と朝日新聞8月21日号が報じるその売却目録は、次の通り。
1.桜上水研修所(東京都世田谷区・敷地面積7480㎡・旧社会保険大学校跡地)は時価で40億円程度を目算。
2.社会保険庁大阪倉庫。
3.東京都内にある旧社会保険事務所など4箇所。
4.社会保険業務センター(東京都杉並区高井戸・1万4668平米)は売却後にリースバックして賃借使用。

2007年08月23日

現代20代は退屈世代?堅実世代?

酒も飲まない、車も持たない、休日は掃除洗濯、お金は貯金。こんな20歳代若者の生活スタイルが日経新聞8月22日号で報じられている。
同紙のアンケート調査記事は、JR東京駅から30キロ圏内に住む20代1,207人、30代530人からのインタネットアンケートによる。現代20代の生活スタイルのすべてではないが、一典型を表出したアンケートである。
同紙の内容の幾つかをまとめておこう。

若者の消費行動のコアともなる乗用車購入への消費意欲は25.3%、2000年の調査48.2%の半分に低下。車保有者も13%と2000年調査の23.6%から10ポイント以上の減少。

お酒を全く飲まない、ほとんど飲まない人の合計は、「20代は34.4%で、30代より6.8ポイントも高い」。飲まない理由は、「酒に弱い」50.5%、「お金がもったいない」29.6%。

20代で1ヵ月に使える自由なお金は、「平均は6万4,400円」。その使い道は、36%の人が「貯蓄」を挙げ、2000年調査より8.2ポイント上昇。

車なし、酒飲まず、貯金に精出すとなると、「休日」は、「家にいることが多い」「ほとんど家にいる」が43.1%となっている。家にいて何をやっているかとなると、「掃除・洗濯など家事」が43.7%。

同紙は「予想以上に堅実でつましい暮らしぶり」「消費を喚起するにはかなり手ごわい相手」と報じている。

2007年08月24日

「年金記録問題検証委員会」すでに及び腰?

「年金記録問題検証委員会」(座長・松尾邦弘前検事総長)の調査で、社保庁職員の保険料の横領・着服が、現在のところ12件発覚し関係者の事情聴取に入ったと、8月24日朝日新聞が報じている。

また「記録管理のコンピューターのシステム障害がいつ生じ、どう対応したかの記録が、社保庁にもシステム会社にもまったく残されていないことも判明。システム障害で年金記録が消えてしまった可能性も」あることがわかり、「想定外の事態。検証事態が難しくなった」と座長・松尾邦弘前検事総長が慨嘆と朝日新聞は報じている。
しかし、社保庁の年金システムの欠陥というか管理ミスを「想定外の事態」と慨嘆すること自体がおかしな話。
記録管理のコンピューターシステムのこの程度の状態を想定していたから、そのシステムを放置してきた行政執行者の管理責任を問うために始まったのが、「年金記録問題検証委員会」のそもそもの役割だったのではないか。
最終的に「システム障害で年金記録が消えてしまった可能性」もあるような年金制度を保持してきた歴代政府ならびに政権与党の責任を問うことになる。

座長・松尾邦弘前検事総長殿は、「検証事態が難しくなった」と、まさか不明年金記録の歴代責任者の摘発から、すでに及び腰となりつつあるようだ。

なお、8月23日には、1億3526万件も国民年金納付記録があることが判明。
国民年金の納付記録の原簿が、全国の旧3097市区町村に1億3526万件あることを「年金業務・社会保険庁監視等委員会」(総務省)8月23日の会合で明らかになった。この5月の「宙に浮いた年金記録」が発覚された時点での社保庁調査では、市区町村保管が9030万件と公表されたが、その後、「シッカリ」調べたのかどうかはわからないが、約4500万件も発見されたことになる。

「年金業務・社会保険庁監視等委員会」(総務省)の同日の会合では、社保庁から不明年金記録5千万件の突合調査の「工程表」が提示された。
・計12億8千万円のコンピュータープログラム開発費をかけて、11月まで名寄せプログラムを開発し3月末までにコンピューター突合を完了。
・突合できなかった記録を2008年度から住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)と突合できるようにし、死亡者分もふくめて再裁定(給付決定)する。
・不明年金記録5千万件のうち最終的に残った記録は、「将来の給付の可能性あり」「給付の可能性なし」「死亡者の記録」に分類する。

ナオリ厚生年金基金事務所所在地変更

1.新事務所の所在地 愛知県名古屋市東区武平町五丁目1番地
2.変更年月日  2007年8月16日

2007年8月17日(官報より)

2007年08月27日

社保庁人事の見方

政府は8月24日、厚労省の官僚トップの座である事務次官の辻哲夫氏、社会保険庁長官の村瀬清司氏を退任させた。後任には、厚労省事務次官は江利川毅氏(60歳)、社会保険庁長官は坂野泰治氏(60歳)となった。

事務次官・江利川毅氏は1970年厚生省入省、同省大臣官房審議官、内閣府事務次官を経て2007年7月から日興フィナンシャル・インテリジェンス理事長に天下ったばかりであるから、今回の事務次官就任は転職後わずか2ヵ月で天上がりということになるのであろう。

社会保険庁長官・坂野泰治氏は1969年行政管理庁(現総務省)入省、というように出自生い立ちは一貫して総務省で、5年7月に就任した日本放送協会監事からの転進ということになる。戦前の内務省、戦後の旧自治省、現在の総務省による年金行政権益の「奪権」はほぼ成就しつつあるようだ。

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2007年08月28日

舛添要一厚生労働大臣は「造詣が深い」?

安倍改造内閣が8月27日に発足。
「『白い恋人』内閣」(元吉本興業常務・木村正雄氏―朝日新聞8月28日号)と揶揄されるように、本当に賞味期限切れ、偽装包装内閣なのかどうかの実証は、この秋に参議院民主党から提出予定の「年金保険料流用禁止法案」への対応がその試金石となる。

その前線に立つのは、舛添要一厚生労働大臣となる。
安倍首相による舛添要一氏の厚生労働相起用の動機とは?
「ライフワークとして社会福祉に取り組んできた。年金問題への造詣も深い」と、27日の首相記者会見で述べる安倍首相にとって「年金問題」は、その「造詣」の深浅でしか推し量れないことを露呈してしまった。

安倍首相が感動したらしい舛添要一厚生労働大臣の「造詣の深さ」らしきものは、どこにあるか?
2007年6月14日の参議院厚生労働委員会での舛添要一君の「質問」から探ってみた。
「」内は参議院議員舛添要一君の質問議事録から引用。

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2007年08月29日

ヨーロッパ金融市場の暗雲

8月28日の日経平均株価は前日比13円90銭安の1万6287円49銭、東証株価指数(TOPIX)は同3.16ポイント安の1584.60と、小幅安で推移。
東京外国為替市場のドルの対円相場は、1ドル=115円49―52銭から114円をうかがうドル安・円高。
金融市場は、心なしか、今ひとつさえない。

欧州中央銀行(ECB)が4百億ユーロ(約6兆2千億円)を短期金融市場に緊急供給することを発表したのは、8月23日である。すでに、8月9日に948億ユーロの資金供給している。表向き市場不安の沈静化をはかる一方で、インフレへの強い警戒感を公表した欧州中央銀行(ECB)が、もっと奥深いところで「緊張」していることは確かだ。

フランスのBNPパリバ投資会社の他に、欧州金融機関のかなりのところが、米サブプライムローンの焦げ付きをかかえているのではないかと、疑念を持つのは当然である。

熊野 英生(第一生命経済研究所主席エコノミスト)が寄稿しているヤフーのe株レポートで次のように予測している。
『米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は7月19日、議会証言で「サブプライムローンに絡む損失額は500億~1000億ドル(約5兆7000億~11兆4000億円)程度」との試算を示した。しかし、投資家の損切りや金利上昇に伴う資金調達難などの派生効果を含めれば、潜在的損失はもっと大きくなる可能性がある』

ネット情報のヤフーファイナンスの記事、2007年 8月27日(月) 株式新聞速報ニュース/KABDAS-EXPRESSは、さりげなく、次のように報じている。

『市場では、「米サブプライムローン問題は根深く、まだ警戒は解けない」(米系証券)との声が聞かれた』

『「米サブプライムローン(信用度の低い顧客向け住宅融資)問題に関連して、英タイムズ紙電子版が独ザクセンとの絡みで英系金融機関バークレイズに懸念が生じていると伝えたことで売りに押された」(外資系証券)との指摘があった』

英系金融機関バークレイズは、単に英国や日米欧だけでなく、アジアや中東まで商圏をもつ地球的規模の投資銀行である。90年代末期に日本の金融機関の信用不安から、企業年金の運用資金を外資系金融機関にシフトする大きな流れがあった。その中でもバークレイズはその中軸でもあった。

2007年08月30日

民主党年金改革は未だ見えず

なぜ民主党は独自の「年金改革法案」を上程しないのか?

税金方式の最低保障年金と全国民対象の所得比例年金への組み換えが、小沢民主党の「年金改革」構想である。

制度の根幹となる財源措置を税制改革のなかでどう明確にするかなど未解明の問題はあるとしても、年金制度を国民一人ひとりの権利として「自己管理」させるための「年金通帳」導入、保険料徴収を国税と一体の歳入庁に統合するなど、政策的には極めて具体的である。

舛添要一新厚労相が「最後の一人、最後の1円まで給付につなげる」と安部首相のセリフそのままに年金記録問題への取組みをオウム返しに弁じたところで、5千万件の不明年金記録が示したこの国の年金破綻への不安は拭えるわけではない。

週間朝日9月7日号の特集「安倍内閣6つの宿題」に、我妻昭民主党政調会長代理は「年金・なぜ実態をオープンにしないのか」という記事を寄稿している。それによると安倍内閣の年金問題で3つの課題があり、民主党はそこを争点にしていくことを表明している。

1点目は、5千万件の未払い分の総額や年金記録の紙台帳がどれぐらい残っているかを年金の実態の解明。
2点目は、当初「不安をあおる」といって5千万件の不明年金記録問題に対処しようとしてこなかった安倍首相の不作為責任。
3点目は、紙台帳と照合してデータを徹底的に訂正。

8月29日朝日新聞が報じる安倍改造内閣支持率33%、「年金問題」を一番に期待する人39%の本質はなにか?
しかし、5千万件の不明年金記録は現象であって、本質的な問題ではない。
また、政権与党が「抜本解決」と勘違いしている公務員年金の共済年金と厚生年金の一元化改正も、制度の微調整でしかない。

2007年08月31日

生保の保険金不払い問題

生命保険会社の保険金不払い調査が難航していると朝日新聞8月31日号が報じている。
生命保険会社全38社の2001年から2005年の保険金の不払いは、44万件、359億円。

この保険金不払い調査は、2005年2月に明治安田生命保険会社で不払いが発覚、金融監督庁から業務停止命令を下されたのが発端。

その後、生命保険各社が「自主的」に調査を開始。2007年9月を期限に調査完了の公約であったのだが、『「どこまで調べれば、調査完了と言えるのか。すべての客の意思を確認するのは難しい」』(朝日新聞8月31日号)といった泥沼に陥っているようだ。

生保各社は、本来の業務を差し置いても、各部門から人手を結集して不払い調査に忙殺されている模様で、この9月の中間発表でいかなる営業実績発表となるか?この不払い問題の影響は大きな足枷となっているのが実際である。

JFLA企業年金基金設立

1.基金の名称    JFLA企業年金基金
2.事務所の所在地 大阪府大阪市西区京町堀1丁目8番33号
3.設立認可年月日 2007年8月1日

2007年8月29日(官報より)

学生援護会企業年金基金清算結了

1.基金の名称   学生援護会企業年金基金
2.事務所の所在地 東京都新宿区市谷田町1-18
3.清算結了年月日 2007年8月13日

2007年8月30日(官報より)

ルネサステクノロジ企業年金基金事務所変更

1.新事務所の所在地 東京都千代田区丸の内二丁目6番2号
2.変更年月日      2007年8月20日

2007年8月30日(官報より)

三輪運輸工業厚生年金基金清算結了

1.基金の名称    三輪運輸工業厚生年金基金
2.事務所の所在地 兵庫県神戸市中央区脇浜町2丁目11番1号
3.清算結了年月日 2007年8月10日

2007年8月30日(官報より)

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