約2000万件の記録復活が絶望的とすでにギブアップを表明した社会保険庁は、今日17日から「ねんきん特別便」郵送を開始する。
その官庁の組頭・舛添要一厚労相は「ないものはない!」と逆切れ。さらに「これほどひどいとは想定外」とこの組頭は、自らの想像力の欠如を露呈する発言。
大親分・福田康夫首相は「公約でどういう風に言っていたかが頭にさっと浮かばなかったから『公約違反というような大げさなことではないのではないか』と言ってしまった」(07年12月12日 福田康夫首相談話)と大居直り。
福田首相は「あきらめず(特定作業を)精いっぱい努力する」と言い訳をして、なんとか国民の怒りを沈静化することに躍起である。ならば、どう精一杯努力するのか?
問題は、1,975万件の「特定困難記録」は本当に「特定困難」なのか?ということである。
「特定困難な記録」を再度、見てみよう。
1.死亡の可能性が高い人=280万件
2.婚姻などで氏名が変わった可能性がある人=510万件
3.入力時に漢字変換ミスがあった記録=240万件
4.偽名申請の届出、また社保庁入力ミス=945万件
さらに、社保庁は「新たに受給の必要ない記録」と報告している1,550万件のうち、死亡した人の記録=360万件を加えると、社保庁ギブアップ記録は2,335万件ということになる。これは、5千万件のほぼ半数ということになる。
死亡=年金受給権の失権ではない。残された遺族には遺族年金の「受給権」がある。07年に改正された「時効特例法」では、記録に訂正があれば「時効はなく」、遡って、年金は「復権」されるはずである。
現在の政府=社保庁の5千万件不明年金記録対策は、「ねんきん特別便」を全国民に送付するだけで、「アリバイ」づくりの意図がみえみえである。やらないよりやった方が良いが、この「ねんきん特別便」は、ある程度の年金加入の「覚え」と「年金素養」がないと、よくわかららない代物である。
不明年金記録の問題が深刻なのは、本当に年金を必要とする社会層にとって、「年金記録」へのアプローチそのものが「荷が重い」手続きだということなのである。
問題解決は実に簡単ではないだろうか?
国勢調査並の「年金調査」を全戸訪問でやることである。
民生委員、国勢調査員、社労士、社保職員、行政書士、弁護士、自衛隊員(不明年金記録は災害である!)、社保庁OBなどを「国家年金調査員」に任命、総動員し、全戸、街頭居住者まで訪問し、面談方式の「年金調査」を実施することを提案したい。
例えば、夫をなくした老未亡人がいれば、いつから、いつまでの加入期間の遺族厚生年金なのか?その裁定通知書の写しを「年金調査員」が転記し、再度、社保庁データと突合するだけでも、記録の再発見は大いにありうる。
また、離婚した女性が、旧姓時代の記録、そして結婚時代の氏名を「年金調査員」に促されて再度確認することで、記録の「復活」はありうるのである。
福田首相は「あきらめず(特定作業を)精いっぱい努力する」は、なにをどう努力するかの具体策もない。「年金調査法」の立法を是非おすすめしたい。