就任早々に行っておけば、もう少し、国民の人気も上がったかと思える福田首相の社会保険事務所視察であった。
ほとんどのTVや新聞でも大きく取り上げられることなく報道された福田首相の“ご近所の社会保険事務所視察”は、1月12日、土曜日の世田谷社会保険事務所であった。しかし、この視察そのものは、なんとなくやらせ臭くておかしい。

首相官邸メルマガは、子供の遠足の感想文のようなことを書いて送ってきた。
「先週土曜日、東京都世田谷区にある社会保険事務所を訪問しました。年金記録の確認作業の現場を自分の目で確認し、実際に相談窓口にいらっしゃった方のお話を伺いたいと思ったからです」
「皆さんには、必要な書類をご用意いただいたり、窓口に何度も足を運んでいただいたり、大変なご迷惑をおかけしており、誠に申し訳なく思います」
「記録の確認は、海外に在留していた時期があるとか、何十年も昔のことを調べる必要があるなど、相談に来られる方によって事情も大きく異なり、それに応じて、いろいろなところに問い合わせ、データを取り寄せるなど、大変な作業だと感じました」
「しかし、作業が大変であるからと言って、やめるわけにはいきません。年金制度への信頼を取り戻すためには、手間暇がかかっても、お一人お一人の立場に立って対応し、根気強くやり抜いていかねばなりません」
1月17日自民党大会で「結党以来の危機」と訴えた福田首相。一国のリーダとしては珍しいほどの福田首相の飄々としたオトボケ振りは、板についているというか、先祖伝来のものなのか、なかなかの役者であると感心した。
年金記録の完全突合なんか「公約というほどの大したものではない」といった失言も、どこ吹く風。同視察で相談に来ている人に「何かご不満な点あれば遠慮なく言ってください」と調子良いことを言う。
それにしても、この「政府インターネットテレビ」の首相視察映像もよく見ると、どうも「やらせ臭い」。
土曜日の午前なのか午後なのかわからないが、事務所の相談コーナーは閑散とし、相談窓口に座る相談員も本当の事務所職員らしき中年男性(実際はほとんどがパートタイマーのおばさんかおじさん)、相談に来ている人も驚いた様子もなく、ただ座って、背後にいる首相の言葉にいちいちうなずいている。本来、首相の現場視察など「やらせ」といわれればその通りかも知れない。しかし、「現場に行く」という発想なら「やらせ」はズルイ。
ここは、是非、当日同行した番記者にことの真贋を聞きたいものだ。
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