デイリーニュース

« 2007年12月 | メイン | 2010年03月 »

2008年01月 アーカイブ

2008年01月07日

社名変更のお知らせ

明けましておめでとうございます。
新春の寿ぐとともに、弊社の社名変更をお知らせいたします。

株式会社企業年金研究所は、2008年3月1日より新社名・株式会社日本生活設計に変わります。創業1985年から23年間、株式会社企業年金研究所(略称・企年研)としてご愛顧いただいてきましたこと、茲に深く感謝いたします。

企業年金制度改革を中心としたコンサルティング業務で蓄積してまいりました年金マネジメントの知識・技術・ネットワークを糧に、新社名・株式会社日本生活設計として、企業の従業員ライフプラン教育研修とコンテンツ編集出版に、より一層、集中した事業運営を果してまいります。

今後とも、旧社名・株式会社企業年金研究所と同様に、新社名・株式会社日本生活設計に引き続きご厚誼ならびにご鞭撻をお願い申し上げます。

2008年1月7日
株式会社企業年金研究所
(08年3月1日より新社名・株式会社日本生活設計)
代表取締役社長 村田純一

2008年01月08日

日本経済新聞版「共通年金」構想

日本経済新聞08年1月7日号は一面トップで「基礎年金、全額消費税で」「税率5%上げ、保険料廃止」と、同社が主宰してきた「年金制度改革研究会」の報告を報じている。

それによると、次の4つの改革案を俎上にして検討してきた結果、4番目の「基礎年金すべてを消費税を財源とする税方式」に移行させる案が、「優れているとの結論に達した」という。
()内は同紙研究会がそれぞれの案に付した問題点を要約

案1:現行の社会保険方式に改良案。
(保険料未納率34%、免除や猶予を含めた実質未納率51%を徹底して徴収強化する手法しかない)

案2:全国民の年金を一元化して最低保障部分に税財源を充てる。
(基本は社会保険方式の所得比例年金だが、無年金者や低年金者に対しては税財源で賄う。最低保障年金は生活保護との整合性が必要)
筆者注:この案は民主党の年金改革案。

案3:基礎年金を税方式にして低年金者に税財源に補完年金を支給。
(制度が複雑で難解。基礎年金額が現行の満額(月額6.6万円)より低い場合に国民の理解が得にくい)

案4:現制度の基礎年金部分を「共通年金」とし、財源は保険料と税金で賄う方式から、全額を消費税に切り替える。この案が最も優れていると日経が推奨するポイントは、次ぎの4点。
1.保険料の未納問題が解決できる。
2.世代間、世帯間の公平を取り戻すことができる。
3.消費税にすることで低所得者の負担の度合が軽減できる。
4.社保庁の徴収部門が大幅に縮小できる。

具体的な施策として主に次ぎの6点をあげている。
1.月額6.6万円の現行の満額年金額の給付水準とする。
2.国内居住10年程度を受給資格とする。
3.国民年金の財源は、現行の税財源7.4兆円に消費税5%UPの12兆円を充てる。
4.厚生年金に含まれる国民年金分のうち事業主負担分の約3兆7,000億円は、非正規労働者への加入拡大に振り向ける。
5.厚生年金の報酬比例部分の制度設計については今後の課題とする
6.年金の支給開始年齢の引き上げを検討する。

続きを読む "日本経済新聞版「共通年金」構想" »

消えた年金の回復

約10ヶ月で571件の消えた年金の回復例があったことは公表された。
朝日新聞08年1月7日号の記事によると、この571件は、06年8月から07年6月の社会保険庁が受け付けた年金相談、約398万件のうちから、加入者本人が「保険料の領収書や年金手帳に残された納付記録という『直接証拠』を示して記録を訂正、回復」したものであるという。

「宙に浮いた年金記録」が5千万件は、社保庁に不完全ながら記録データの片鱗があるものである。
「消えた年金」はこの5千万件とは別のものである。現在、記録として機能している2億件といわれる年金記録データにもなんらかの形で潜在しているものである。
これは、加入者本人が「申立て」ない限り、回復はできない。

ここで重要なことは、消えた年金の回復には、「直接証拠」と「状況証拠」という概念があることである。
直接証拠とは、保険料の領収書や年金手帳に残された納付記録を本人が社会保険事務所に提示して回復されるもの。
状況証拠とは、総務省の年金記録確認第三者委員会に家計簿、確定申告書、給与明細、預金通帳などを提示し、記録の回復の可否を判断してもらうものである。

同紙によると、回復した消えた年金記録は、07年12月26日まで「状況証拠」で772件、「直接証拠」571件をあわせて、1343件となるという。

2008年01月09日

ねんきん特別便の効果 ただ今反応5%

反応5%、2万4千人。これは昨年12月に、年金受給者48万人に送られた「ねんきん特別便」に対して、社会保険事務所に相談または記録訂正手続きをした人の率と件数である。

5千万件の不明年金記録に結びつく可能性のある年金受給者という想定の上での、現在の年金額の裁定根拠となった年金記録データの送付である。

実際に、送られてきた数人のねんきん受給者から「どこをどう見たらいいのか?」と言った問い合わせに対応してみると、すでに70歳、80歳台のお年寄りにはきわめて「再調査」困難な代物である。
「加入期間の抜け」すべてが、不明記録なのか?
それとも、加入記録はそれなりに印字されているが、「どこがどう不明年金記録」に結びつくのか?
「ねんきん特別便」は特別になにが「不明記録に結びつく可能性」があるのか?
すでに過去の記憶も遠くなりつつあるお年寄りには自らの力で記録訂正を実証するのは酷な話である。

朝日新聞08年01年09日号によると、
「社保庁は特別便を受取った人の7割は自発的に手続きをしてくれると想定していた」というところから、推定すれば、48万件の7割、約34万件はなんらかの記録訂正が必要なものなのであろう。

2008年01月10日

2008年度の年金額は据え置きか?

国民年金の満額月額6万6008円、厚生年金の標準的年金月額23万2592円。これは2007年度の年金額水準である。2008年度は、増額も減額もされることなく「据え置き」となる見込みである。
これは、厚労省予算案によってすでに織り込まれている。

国の年金は毎年改定率がかけられ改定される。ただし、2004年度の年金改正で年金の自動物価スライドは廃止、マクロ経済スライドという手法が導入。これによると、2008年度は、物価上昇率が0%より上昇、ただし現役賃金はマイナスとなったケースに相当するという。この場合では、新規受給者の年金額も既存の受給者の年金額も改定はされず、据え置きになるというルールが適用になるということになる。

国民年金保険料は、毎年280円引き上げられ、さらに、その毎年度の法定価格に保険料改定率が掛けられることが2004年の年金改正で決定されている。その改定率は08年度0.999。07年度国民年金保険料は月額1万4100円(年額16万9200円)、08年度は月額1万4410円(年額17万2920円)となる。約2.2%の増額となる。

経済情勢は、急激な物価上昇が浸透しつつある不気味なインフレに転化してきた。すでに、年金額は足元の物価上昇には即応しない制度となっている。その反対に保険料だけは、着実に上がる。
さて、世論という民意は、こうした「マックロ経済スライド」にどこまで「我慢」できるのか?ここでも、現行年金制度は早くも、大きな壁に直面することになるであろう。

2008年01月11日

年金で海外暮らしはかない夢?

年金本は雨後の筍のように出版されるが、ほとんどの多くは余り売れない。
当社も年金本を何本か手がけてきたのでこれはまことの話である。
ところが、年金本でも版を重ねよく売れるのは、「年金海外暮らし本」である。それほどに人々に定年後の海外移住が切なく甘い夢をみせてくれるようだ。


『「北畑次官の誤算―老後は海外」の夢かすむ』というタイトルで、年金受給者の海外悠々移住の惨憺たる状況を紹介しているのは、日経新聞08年1月8日号の連載特集「YEN漂流・縮む日本」であった。
1986年から1990年代に当時の通産省が音頭をとった「シルバーコロンビア計画」(海外滞在型余暇計画)の生みの親ともいわれている経済産業省事務次官・北畑隆生氏(当時・サービス産業室長)であった。氏自身のスペイン移住計画への現在の揺るぎを皮肉たっぷりに紹介している。

当時の通産省が試算したスペイン移住計画は、2000万円の退職金、月額20万円の年金があれば、住宅(200平米)を700万円から1500万円で購入し、生活費は1ヵ月に10万円から15万円で十分ということであった。

同紙は、年金海外暮らしの幾つかの惨憺たる事例を取材している。
海外年金暮らしのメッカでもあるスペイン南部、コスタ・デル・ソルに8年間住んでいた伊藤和夫(68歳)は昨年末に帰国。現地の夫婦の生活費は月1760ユーロ(日本円28万円強)がないと立ち行かないと言う。
3年間住んでいた物価高騰のオーストラリアからタイに移住した立町和子(64歳)。タイでは年金ビザ取得の条件である月額6万5千バーツ(日本円23万円)の確保が極めて難しくなったことを取り上げている。

年金海外暮らしは、年金と少々の預金があれば容易くできるものではないことぐらい「常識」である。同紙の取材例は、ある意味では余りにも軽率な計画といえなくもない。年金生活は物価インフレに脆い。そこに為替の変動が加わることで二重のリスクをかかえる。

されど、全ての海外移住生活が悲惨なわけではない。周到な長期家計プランをもって40台から50台前半に海外移住して、ハッピーリタイアメントを充実している人をみてみると、幾つか共通点がある。
1.10年先から20年先までの長期家計プランをもっている。
2.手に職というか技能をもっている。料理でも車の修理でも、現地でスモールビジネスをやれる。
3.家族の絆が固い
4.日本国内に住む親戚なり友人とも厚いネットワークをもっている

0801nzy.jpg

2008年01月15日

菅野美和子社労士のブログは本当に役にたつ

「死亡時に、国民年金の保険料滞納のためにもらえないと言われた遺族厚生年金が、死亡後に遺族が保険料を納付してもらえるようになることがある。社会保険事務所の担当者でもよく知らずにいる」
と教えてくれたのは、菅野美和子社労士のメールマガジン「知っておきたい年金のはなし」(第170号 2008年1月11日発行)であった。

同メールマガジンによると、

「死亡した人の保険料をあとで納めて、遺族厚生年金につなげることができるとは、私も思いませんでした。社会保険事務所でも、はじめは「もらえません」との回答。しかし、調べていくうちに、もらえることがわかりました。

なぜこのようなことになるかというと、死亡した人の国民年金保険料を納めることができないという規定がないからです。だから、死亡後に保険料を納めることによって、遺族年金につながるということになります」とのことである。
このことは、菅野美和子社労士が実際に相談依頼をうけ、自ら社会保険事務所との手続き交渉で得た事実である。

数多の社労士や年金通のウェッブサイトやブログ、メールマガジンのなかでも、とびっきり役立つウエッブ情報は菅野美和子さんの「知っておきたい年金のはなし」である。恐らく、ご自身が受けた実際の依頼案件から導いている具体的なものなので、年金の手続きや相談には非常に有効である。

菅野女史は、当社発行の「妻も年金 夫の年金」著者でもあります。
菅野美和子社労士のメールマガジン「知っておきたい年金のはなし」の申し込みは下記をクリック。
http://homepage2.nifty.com/miming2

2008年01月16日

ETFは本当に「ラクラク」なのか?

前週末比138円16銭(0.98%)安の1万3972円63銭となった1月15日の日経平均株価。これで3営業日続落となったわけだ。
日経平均が1万4000円を割り込んだ。これはつい一昨年の初冬、2005年11月2日以来となる。

ここにきて、ETFが脚光をあびている。
ETF(Exchange Trade Fund:株価指数連動型上場投資信託)は、日本株では日経225やTOPIXなど株価指数と連動するインデックス投信のひとつでもある。
「Money Japan 08年2月号」でETF入門ガイドを別冊付録で特集している。これは、実に簡潔にETFの基本を解説している。

080116moneyjp.gif

ETFと一般のインデックスファンドとの最大の違いは、手数料(信託報酬)が安いことをあげることができる。しかし、日経225やTOPIXなどのインデックスファンドでは、その手数料はさほど変わらない。逆に、売買手数料がかかる点ではまだ売買手数料なしの国内インデックスの方に分がある場合がある。

ETFに分がありそうなのは、海外の株価指数や債券指数、商品指数(GSG)、金価格連動型上場投信などに連動する海外ETFと言われている。米国株や中国株などのアクティブ運用の投資信託よりも、手数料はお手軽、価格はリアルタイム、指数注文もできる。

国内インデックスと海外の複数のインデックスの配分構成をすることで、国際分散投資をそこそこに試みることができる。なお、同紙のキャッチにある「ラクラク世界投資」になるかどうかは、保証の限りではない。
同紙にも寄稿している、ベストセラー「投資信託にだまされるな!」の著者・竹川美奈子さん(同氏は当社のDCライフプラン研修の強力助っ人講師です)の次の警句は、心しておきたい。
海外ETFでは「為替リスクに注意」「ETF投資はまとまったお金でやる」「のんびり増えていくのを待つ」。

★★★★★ 投資信託をしっかり学習したい!再度、運用の原点に帰って勉強したい!いつも金融機関の人に騙されていると思っている人にお勧め本。07年12月に発行。「投信だまされるな!」本の第2弾。Q&A方式で具体的な計算式があったり、大変わかりやすい本。
080115etf.jpg

2008年01月17日

プロゴルファー丸山茂樹の年金ファンドは20億円?

日本のプロスポーツ選手、プロ野球やプロゴルファーはなぜ米国をめざすのか?
その答えは産経新聞のネット配信記事Gooニュースに編集委員、【清水満のSPORTSマインド】2008年1月16日(水)号からうかがうことができる。米国プロゴルファーの年金事情をレポートしている。

米国プロゴルファーの年金個人勘定の仕組みは、なんとも選手中心主義で羨ましい。
「基本的には予選を通過した試合数が支給額の基礎となる。仮に年間30試合出場、予選通過が20試合とした場合に、15試合までは1試合につき約3500ドル、16試合以降は2倍の7000ドル。これを計算すると年間基礎額は8万7500ドルになる」

さらに、
「米プロゴルフ協会はこのほかに放映権やグッズのロイヤルティーなど一括管理して、ファンド投資などで大きくして年金に流用する。ここで大きくものを言うのがツアーへの貢献度である。優勝ボーナス、年間ランキングやツアー貢献度によって大きな差が出る。シード5年以上が受給資格者になるが、10年以上だとそれだけ貢献度が大きくなり、“エリート受給者”となる。選手自体が財産という考え方である」

米国のゴルフ雑誌が試算したタイガー・ウッズは、総額2億ドル(約220億円)以上とも同氏は紹介している。

ようやく、2008年初戦、ソニーオープンで25位タイ、約4万ドル(約430万円)を手にした丸山茂樹の場合は、「ツアー3勝を挙げている丸山も10年以上のシード権を保持すれば総額2000万ドル(約22億円)超という」「丸山自身も雑誌の対談で、『事務局に“オレの年金いまいくら?”って聞いたら、“このペースでシード10年続けたら20億円くらいはいく”っていわれた』」と。

20億円といえば、従業員500人程度の企業年金の年金資産となる。その程度の年金資産なら、米国プロ選手は一人で10年も稼げば積み立てられる。かくして、有望プロ選手は米国に渡るのか。

2008年01月18日

福田首相の社会保険事務所視察はやらせ臭い

就任早々に行っておけば、もう少し、国民の人気も上がったかと思える福田首相の社会保険事務所視察であった。
ほとんどのTVや新聞でも大きく取り上げられることなく報道された福田首相の“ご近所の社会保険事務所視察”は、1月12日、土曜日の世田谷社会保険事務所であった。しかし、この視察そのものは、なんとなくやらせ臭くておかしい。

080118fukuda.gif

首相官邸メルマガは、子供の遠足の感想文のようなことを書いて送ってきた。
「先週土曜日、東京都世田谷区にある社会保険事務所を訪問しました。年金記録の確認作業の現場を自分の目で確認し、実際に相談窓口にいらっしゃった方のお話を伺いたいと思ったからです」

「皆さんには、必要な書類をご用意いただいたり、窓口に何度も足を運んでいただいたり、大変なご迷惑をおかけしており、誠に申し訳なく思います」

「記録の確認は、海外に在留していた時期があるとか、何十年も昔のことを調べる必要があるなど、相談に来られる方によって事情も大きく異なり、それに応じて、いろいろなところに問い合わせ、データを取り寄せるなど、大変な作業だと感じました」

「しかし、作業が大変であるからと言って、やめるわけにはいきません。年金制度への信頼を取り戻すためには、手間暇がかかっても、お一人お一人の立場に立って対応し、根気強くやり抜いていかねばなりません」

1月17日自民党大会で「結党以来の危機」と訴えた福田首相。一国のリーダとしては珍しいほどの福田首相の飄々としたオトボケ振りは、板についているというか、先祖伝来のものなのか、なかなかの役者であると感心した。
年金記録の完全突合なんか「公約というほどの大したものではない」といった失言も、どこ吹く風。同視察で相談に来ている人に「何かご不満な点あれば遠慮なく言ってください」と調子良いことを言う。

それにしても、この「政府インターネットテレビ」の首相視察映像もよく見ると、どうも「やらせ臭い」。
土曜日の午前なのか午後なのかわからないが、事務所の相談コーナーは閑散とし、相談窓口に座る相談員も本当の事務所職員らしき中年男性(実際はほとんどがパートタイマーのおばさんかおじさん)、相談に来ている人も驚いた様子もなく、ただ座って、背後にいる首相の言葉にいちいちうなずいている。本来、首相の現場視察など「やらせ」といわれればその通りかも知れない。しかし、「現場に行く」という発想なら「やらせ」はズルイ。
ここは、是非、当日同行した番記者にことの真贋を聞きたいものだ。

政府インターネットTVはここをクリック
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg1588.html

三葉工業厚生年金基金清算結了

1.基金の名称   三葉工業厚生年金基金
2.事務所の所在地 広島県広島市安芸郡中野四丁目6番1号
3.清算結了年月日 2007年11月19日

2008年1月11日(官報より)

2008年01月21日

年金相談「裏マニュアル」とは?

「ねんきん特別便」をみても、どこがどう記録漏れに結びつくのか、本人が把握するのはきわめて難しい。記録もれの可能性がある年金受給者48万人に送られた「ねんきん特別便」であるが、現在、そのうち約2万人程度しか記録回復がすすんでいない。

その原因は、社会保険事務所の年金相談員に配られている窓口対応マニュアル、「裏マニュアル」にあるということを取上げているのは、朝日新聞1月21日号の朝刊である。

同紙によると、不明記録と本人の記憶と結びつくような「ヒント」を相談員が提供することを事実上「禁止」している。そのために、本人に過去の加入記録を具体的にかつ実証的に証明することが求められているという。
同紙が「裏マニュアル」として取上げている「ヒント」の幾つかを紹介しよう。

1.事業所名を忘れている受給者に事業所名を特定する部分を一切つげてはならない。例えば、「あ」から始まる会社名は?といったヒント。
2.●年●月から●年●月頃に勤めていませんでしたか?というように期間を思い出させるようなヒント。
3.●●区か▲▲区かにあった会社ではないか?というように2つに1つを特定できるようなヒント。

こうした相談方法では、お年寄りの年金受給者の記憶と実際の不明年金記録を結びつけることなどできるわけがない。本人がよほど確かな状況証拠か直接証拠を提示できない限り記録復活は無理ということになる。社保庁「裏マニュアル」は、どうもお年寄りの記憶の認知症テストを目的にしているのか、何かを恐れた年金受給者撃退法である。

2008年01月22日

1月21日ブラックマンデー

08年1月21日は、久方ぶりの「世界同時株安」であった。
日経平均株価は先週末比535.35円安の1万3325.94円。約2年3ヶ月ぶりの安値。さらに中国上海、香港の株価指数も5%以上の下げ、欧州株式市場の主要株価指数が大幅安となった。

08年1月21日「世界同時株安」、新聞各紙がとりあげた要因分析をまとめておこう。

1.「モノラインショック」。単一金融商品の信用保証保険会社の「格付」の引下げ。要するに欧米の金融機関が販売してきたサブプライム関連の証券化商品が債務不履行になった場合に元利金を保証する信用保証保険会社の破綻懸念が高まったということになる。米国4大モノライン会社の「アンバック・アシュランス」の格付は2段階引下げが直接的原因とのこと。

2.モノライン保証保険会社は、保証した元利金の支払いに備えて損害保険会社などに「再保険」をかける。もし、多くのモノライン保証保険会社の破綻が生じると、世界の損害保険会社もドミノ倒し懸念が拡大。

3.モノラインショックが拡大すると債券の信用保証の基盤も崩壊となり、米国発の「世界同時債券安」に波及する可能性もあり。

4.中国大手国有銀行である中国銀行が、サブプライム関連の証券化商品で巨額評価損を計上する見通し。これを伝えたのは香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポスト。

続きを読む "1月21日ブラックマンデー" »

2008年01月23日

1月22日 手仕舞いは脱兎の如くか?

東京証券市場は前日から引き続いて連鎖安は止まらない。
日経平均株価は752.89円安の1万2573.05円と05年9月以来の水準にまで急落。

「東証1部の97%に相当する1682銘柄が値下がりする全面安で、東証株価指数(TOPIX)も同73.79ポイント低下の1219.95と大幅続落した。出来高が27億8912万株、売買代金は3兆0542億円」(ヤフーNEWSの時事通信配信記事)

この暴落は東京証券市場に限ったことではなく、世界のお金は全てのリスク資産から「手仕舞いは脱兎の如く」素早く引き始めている。この現象は、1985年10月のブラックマンデーの様相といささかおもむきが違う。

ワールドワイドに徹底的である。その特徴を、各メディア情報から拾ってみよう。
1.欧米、アジア、インド、中南米のあらゆる株式市場が暴落に近い大幅安である。
2.為替市場では資源国の通貨が売り浴びている。
3.急上昇した金市場でも値下がりに転じはじめている。

2008年01月24日

確定給付企業年金の行方

2011年コンバージェンスという聞きなれない言葉が妖怪のように、確定給付企業年金を持つ企業に襲い掛かろうとしている。コンバージェンス、統合という意味になぜおののきが起こるのか?

「きねんきょう」(「企業年金連絡協議会」08年1月号)という単独連合の企業年金基金の「業界」の会報誌がある。
そこに「今やおそらく世界一番内容の高い多様化された企業年金制度を持つ立場にもなっており、確定給付年金制度をしっかり守っていくのが我々の使命」と悲壮な言葉で締めくくった所感のような散文があった。恐らく、どこかの企業年金基金の実務者の「決意表明」なのであろうか。

すでに欧米先進国の企業の間では、確定給付企業年金(DB年金)閉鎖凍結から確定拠出年金(DC年金)への移行が進んでいることをうけた感想のようだ。

米国では2006年9月に年金の超過積立もしくは積立不足を母体財務にオンバランス(即時認識)を決めている。米英が中心になって企業会計基準の即時認識の世界標準化、国際会計基準の統合の流れは、日本の退職給付会計と国際会計基準を2011年までに達成するという期限を設定。これ自体、俄かにでてきた問題ではなく、すでに2001年あたりから国際会計基準の統一化のなかで「当然」のこととして織り込まれてきた話である。

企業の退職給付制度改革では必ず確定給付企業年金への移行が選択肢とあげられる。
確定給付企業年金制度の経営上の「弊害」は、「後発債務」が年度毎の決算で、今以上に厳正にかつ即時になる可能性があることにある。それでも確定給付企業年金を維持するには経営にとって、潤沢なキャッシュフローか確実な収益を準備する「経営の覚悟と展望」を示すことが制度存続の条件でもある。

続きを読む "確定給付企業年金の行方" »

2008年01月25日

放っておきなはれ!株式市場

東京証券市場、24日の日経平均株価は続伸。前日比前日比263.72円7(2.06%)高の1万3092.78円で、3日ぶりの1万3000円台回復。アジア株相場も上昇に転じた。
この間、急激な下落にみまわれた金融・不動産株などの「見直し買い」が膨らんだそうだ。

ただし、サブプライムローンの信用リスクの増大、米国経済の減速は、これからが「本番」という見方はあり、世界の金融マーケットが昨日今日で「底入れ」したわけではない。

そんななか自民党の一部有志議員、「資産効果で国民を豊かにする議員連盟」(会長:山本有二前金融担当相)が24日午前に会合を開き、緊急の経済・金融対策を首相官邸に提言したそうだ。

その緊急提言が全く緊急でもなく、かつ火急速やかに実現できるものでもない代物ときているから笑ってしまう。政治家の市場音痴というかノー天気振りがなんともおかしい。

その提言の骨子とは、次の5点。

1.個人消費・資産の増大策
2.労働分配率の向上策を早急に検討・実施
3.政府系ファンド(SWF)の設立
4.企業のガバナンス(統治)強化、独立取締役の導入や委員会設置会社への転換
5.外為法の出資規制の見直し
さらに、首相が海外に緊急アピールを!と要請。首相がスイスはダボスで「日本株を買ってください」とでも叫ぶのであろうか。

続きを読む "放っておきなはれ!株式市場" »

東京税理士厚生年金基金所在地変更

1.新事務所の所在地 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目11番1号
2.変更年月日 2007年12月27日

2008年1月22日(官報より)

2008年01月28日

ねんきん特別便、切れる老人達

1月25日茨城県日立市で開催されたライフプラン研修のサポートに行く。そこで、当社の年金制度解説のベテラン講師Y氏が、「ついこの間も近くの社会保険事務所に行ったところ、お爺さんが大声で怒鳴っていたかと思うと、瞬時にして警察のパトカーが来ました」「最近は老人がすぐ切れます。皆さんは、社会保険事務所に相談に行っても、穏やかに、相談するようにしてください。そのためには準備が大切」と注意喚起。
同じく当社生活設計講師のH氏談。「先日、自分の年金請求に社保事務所に行ったところ、奥から、お婆さんの叫び声がけたたましく聞こえた」「どうも相談窓口では他の人に迷惑なので、奥で社保職員がお伺いとなったみたいだ」

社会保険事務所の職員は公務員。手を出したり、暴言を吐くと「公務執行妨害」となる。社保の職員も命がけであるが、相談に行くほうは「一大事」な思いつめた状況である。
何時間も待たされて、あげくの果て、「あなたの記録は見つかりません」と来たら、いつもは穏やかなお爺さんやお婆さんでも切れてしまうのであろう。

誰もが理解しがたい「ねんきん特別便」。実に評判が悪い。

そこで、1月24日になって、舛添要一厚労相も「なんとかせい!」とどなったのかどうかはわからないが、社保庁は「ねんきん特別便」の「見方」を作成し、「再送」となったわけだ。しかし、それでも、怒れる老人達には「理解」できる代物でない。

そこでさらに、政府は1月24日の年金問題関係閣僚会議で次のことを決めた。
1.社保事務所の相談員を1600人増やし6100人とする。
2.電話や個別訪問によって持ち主不明の年金記録を解消する。
3.住民基本台帳ネットワークで死亡者を特定。さらに住所不明者は市町村からの情報提供を受ける。

福田首相の官邸は本ホームページならびに本メルマガ定期購読者でもあるので、幾つか提案したい。

続きを読む "ねんきん特別便、切れる老人達" »

2008年01月29日

企業年金は無用か?

ファンドマネジメント理論の泰斗、山崎元氏が「企業年金無用論」を投げかけている。1月28日発売の週間ダイアモンド「マネー経済の歩き方」連載238号を要約してみよう。

ここで山崎氏が指摘する企業年金は、厚生年金基金や企業年金基金などの確定給付企業年金が主たる対象でもあるが、企業型確定拠出年金についも「企業単位の必然性はない」と一刀両断する。

まずは、山崎の主張に耳を傾けてみたい。

第1に「企業価値」と企業年金財務の「矛盾」について衝く。
「年金の資産・負債の価値変動によって、企業価値が大きく振り回されることは合理的ではない」
「企業の株主や投資家から見ても、事業会社A社に投資することが、A社の企業年金の資産・負債のリスクにも投資することになるのは不自由だ」

第2は、企業年金運営主体の企業の「資産運用」のあり方について、手厳しい。
「企業年金がプロの運用会社をチェックする別のプロとして存在することに意味があったのかも知れないが、率直に言って、企業年金の多くは運用のプロとしてこのような期待に十分応えなかった」

第3は、企業年金の「機能」から制度の「公平性」について疑義を投げかけている。
「一つには老後の備えに対する税制上の優遇を伴った奨励であり、もう一つには長生きの経済的リスクに対する保険」
「税制上の公的なサポートの大きさが国民の一人一人について、勤務形態や所属する会社・組織によって条件が異なるというのは、国の制度のあり方としてフェアでない」

第4は、今後の企業の退職給付の「原理」は「個人単位」に徹底することを提示している。
「優先的に考えるべきは、加入者個人の事情や生活設計だろうし、個人が年金の都合で転職や独立に際して損をするような仕組みは良くない」「企業単位、職域・業界単位で細切れに制度を運営する合理性はない」
「代わるべき制度は、確定拠出年金と一時金を終身払いに代える保険の組み合わせ」だが、「確定拠出年金も企業単位の必然性はない」「個人単位を基本とする」「個人型の確定拠出年金の普及」にあると言及する。

続きを読む "企業年金は無用か?" »

2008年01月30日

厚生年金加入者「ねんきん特別便」は会社から

08年6月から厚生年金加入者3200万人には、「ねんきん特別便」が届けられる。これは、5千万件の不明年金記録のうち記録に結びつく可能性がないと思われる人達である。問題は、この配布方法である。

1月25日の閣議で、現役の厚生年金加入者の「ねんきん特別便」は、経済団体との合意をもって、会社を通じて社員に直接、手渡し配布されることに方向づけがなされたようだ。
今後、会社の人事部の社会保険担当セクションがいつ、どのように配布するのか?配布時に従業員説明をどうやるのかなど、細目は不明であるが、いずれにしても会社は直接配布する以上、「説明責任」は免れないのであろう。

2008年01月31日

金融資産1000万円以上の専門銀行とは?

「中国製ギョーザ10人中毒」のヘッドラインがトップとなった1月31日の朝日新聞中面に、一面ぶち抜きの広告が眼を引いた。
「いよいよ、日本でも。金融資産1,000万円以上のお客様のための専門銀行、始まる」

広告主は、HSBC。香港上海銀行である。この金融機関は、冒頭の中国製ギョーザの「中国」とは深い歴史的な因縁がある銀行だが、中国の銀行ではない。元々は英国ロンドンを本拠地とするワールドワイド・バンキングである。

「さあ、あなたを『特別扱いする』『HSBCプレミア』へ。それは、資産運用・管理に特化した、新発想の銀行です」と謳う。個人を対象にして『特別扱い』を売り物とするところに特徴がある。
企業のライフプラン研修でお目にかかる40代半ばから50代後半の会社員の純金融資産は、平均的に1000万円前後という方が多い。

金融機関の富裕層ビジネスは、金融資産1億円以上の個人が主たる対象のようだが、このバーを1000万円に押し下げたところが、HSBCのマーケッティングの妙味を感じる。

あなたを『特別扱いする』『HSBCプレミア』は、金融資産1000万円以上を預けた顧客に「あなた専任の担当者をお付する」ことで、「13通貨を誇る外貨預金」「グローバルネットワーク」「様々な金融商品」を提供するそうだ。ある意味で、小資産家向け「擬似投資顧問サービス」のようなものである。

少しずつ金融資産をグローバルに「分散」したい向きには、便利なものともうけとめられる。しかし、口座管理料に要注意。
「口座開設から、一定期間経過後は、基準を下回った場合、月額5,000円(税額)の口座維持手数料がかかるほか、ご利用制限等」がかかる。
1,000万円で年0.6%の口座管理料。さらに、個別金融資産には信託報酬など運用手数料がかかるのであろう。2%から3%以上の手数料が資産から毎月確実に抜かれていくこともあるのであろう。これで、「特別扱いされる」プレミア感があるかどうかは、今ひとつわからない商品でもある。

About 2008年01月

2008年01月にブログ「デイリーニュース」に投稿されたすべてのエントリーです。新しいものから過去のものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2007年12月です。

次のアーカイブは2010年03月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

出版物

最新年金情報満載
「ねんきん特別便」対応。
「我が家の年金チェックシート」付。 厚生年金、国民年金、共済年金、企業年金、日本版401kまで。年金完全ガイド。
豊富なモデル例と図解で企業年金改革の基本が掴めます

RSS配信(RSSについて)