★昨日までの悲観は明日への希望の準備なのか?日々、大うねりの乱高下を繰り返す世界の市場、「恐怖と欲望が入り混じった市場」と評したのは米国CNN放送のコメンテータであった。なかなか上手いことを言うと感心したところで、東京株式市場の終値の一報が入る。日経平均株価が7営業日ぶりに9000円台に復帰、前日比817円86銭高の9029円76銭で終わった10月30日であった。
欧米人はシッカリとリスク資産で運用している賢い人々風な言い方をする人がいる。ビジネス書のミリオンセーラー勝間和代さんの著作でも、「ここに、日本と他国の差」といった文脈が垣間見える。確かに、日本人の資産構成は「超保守的」である。2008年6月末現在の日米の家計資産構成をあらためて確認しておこう。
日本銀行調査統計局08年6月末のレポートでは、日本の家計資産残高は1504兆円、米国は44.3兆ドル、1ドル100円とすると4430兆円となる。

資産構成割合を図版とデータともに掲載する。図版でみると、日本の預貯金の割合52%は米国に比して際立っていることがよくわかる。
債券、投資信託、株式・出資金などのリスク資産は、日本16.8%で約252兆円、米国51.8%で約2295兆円ということになる。
やはり、米国の家計資産に占めるリスク資産への傾斜は半端ではない。
1998年ボストンに本社がある金融機関F社を訪ねた時である。世界NO1の投資信託の製造販売会社であるF社の役員から米国401kの投資教育の真髄を拝聴することになった。
まず、冒頭に示されたのは、米国250年間の証券市場の上昇率のグラフであった。もし、250年前の1ドルを投資していれば、現在のあなたは1兆円強の大資産家になっています、と言われて日本人の同席者一同、びっくり仰天であった。
極楽トンボのように永遠に上がり続ける株式市場観の背景は、南北戦争以降、国内が戦乱と破壊にあったこともなく、基軸通貨米ドル帝国の無邪気なまでの株式信仰以外のなにものでもない。
ほぼ、これと同等なのが、戦後一貫して信奉されてき日本人の土地神話である。しかし、この神話は1990年1月のバブル崩壊で潰えた儚いものであった。
安全資産である預貯金に傾倒する日本庶民、リスク資産に傾倒する米国庶民。この2つの差異は、2008年9月の米国金融崩壊でどう変化するのか?
やはり、リスクのとらえ方が、日米では決定的な違いがあるようだ。
くだんのボストンのF社の役員に「株式のリスクはどの程度に見積もっているのか?」と聞いたところ、日本人はなんと「暗いことを聞くのか」といわんばかりに、リスク以上に収益の実績が大事なのだ、というような答えが返ってきたことを今でも思い出す。
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