★最新の平均年金額が厚労省年金局から公表されている。2008年(H20)3月末、各年金制度の平均年金月額である。高い順から、地方公務員22万8千円、私立学校教職員21万5千円、国家公務員22万1千円、民間企業の会社員(厚生年金)16万7千円となっている。トップの地方公務員と民間企業の会社員(厚生年金)との差額は、月額で6万1千円、年間73万2千円、20年間で1464万円ということになる。この平均年金月額には、国民年金の老齢基礎年金を含んだ金額であるが、なぜ、こうした「差」が生まれのか?
★80歳前後の元公務員OB氏、月50万円の年金だと聞いて、筆者は腰を抜かしたことがあった。時代は変わり、この10年間ぐらいで、公務員の年金も、ずいぶんに抑制されてきたが、厚生年金と国民年金に加入の民間企業のサラリーマン&ウーマンと比べれば、公務員の年金はまだまだ、大変よろしい水準である。
★今さら、年金官民格差に憤ってみたところでむなしい。民間より高いから公務員の年金も下げよ!では、ニッポン老人大国はビンボー老人国になってしまう。今の公務員年金程度の年金、民間企業のサラリーマン&ウーマンにもどうしたら準備できるのか?そこを考えていくことの方が重要であるが、本稿では、ひとまず、公務員年金の仕組をみてみたい。
★その「差」、月額で6万1千円、年間73万2千円、20年間で1464万円は、なにによるのであろうか?地方公務員、私立学校教職員、国家公務員は、それぞれの共済組合の制度で運営されている。国民年金の老齢基礎年金、老齢厚生年金部分までは、民間企業の社員(厚生年金)と共通した制度でもあるが、その上に職域加算部分がある。
★職域加算部分の計算は、下記の年間・年金額A+年間・年金額Bである。具体例を入れてみると、下記のようになる。
A:2003年3月末までの加入期間、34年(408月)、平均給与50万円とする。
平均標準報酬月額(平均給与)50万円×職域年金給付乗率0.001425×加入月数408月=年間・年金額A 約29万円
B:2003年4月からの加入期間、6年(72月)、平均標準報酬額60万円とする。
平均標準報酬額(月額給与と賞与を含み年収の平均額)60万円×職域年金給付乗率0.001096×加入月数72月=年間・年金額B 約4万7千円
職域加算部分の年間年金額は、年金額A 約29万円+年金額B 約4万7千円=33万7千円
月額で約2万8千円、85歳まで20年間受けると、674万円。
★共済組合の平均年金額が民間企業の社員(厚生年金)より高いのは、職域加算部分があるからと一般には思われがちである。しかし、実際には、職域加算部分だけでは、平均月額報酬50万円強でも、年金月額6万1千円、年間73万2千円、20年間で1464万円ほどの「差」にはならない。
★恐らくは、厚生年金部分の計算にカギがあるのではないかと思われる。
★民間会社員(厚生年金)と共済組合との報酬の「差」にあるのではないかと推定される。特に、恩給制度から現在の共済制度への移管にあたって、公務員年金の場合、過去の報酬記録のアカウントが困難なため、平均標準報酬月額の算定が一部推定によるものがあるとも言われている。どのような推定により平均標準報酬月額を算定しているのかは、実際はよくわからないのが現実である。けれども、共済年金加入者451万人、すべてにこうした恩恵がさずけられているわけではない。これはあくまでも、恩給期間のある公務員世代である。
★公務員共済年金のプラスアルファー部分である職域加算部分は、2010年(H22)には廃止がきまっている。その代替制度をどうするのか?その制度設計論議はほとんどなされていないようだが、現在の現役公務員の場合、年金水準そのものは今後より厳しくなるのは必至である。
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