民主党年金改革案、どこをどう改革するのか?(その3)
★「スウェーデン方式」民主党年金改革案の特徴は「所得比例年金」にある。
もし導入となれば、恐らく15歳以上の所得ある全納税者が対象になるのであろう。
現行制度では、勤労者(民間会社員も公務員)は勤めたその月から厚生年金、20歳の誕生日で国民年金に加入となっている。自営業者やフリーランサー、学生は20歳の誕生日で国民年金だけの加入である。厚生年金も国民年金の強制加入である。
これが、勤労者もパートも自営業者もフリーランサーも「所得比例年金」と「最低保障年金」の強制加入となるのが「スウェーデン方式」民主党年金改革案である。
さて、ここでいう「所得比例年金」の「所得」とは何を指すかが、今後の改革論議のなかでの焦点になる。まずは、現行年金制度の「所得」を把握しておく。
★ここで念頭においておかなくてはならないのは、現行制度の掛金の対象となる「所得」、年金額計算の基礎となる「所得」の定義と範囲である。
★現行制度の厚生年金は「報酬比例年金」といわれるように加入期間の月給を標準報酬月額(下限9万81千円・上限62万円)30等級に当てはめる。
さらに年3回までの賞与は一回150万円を上限に標準賞与額が決められる。
この標準報酬月額と標準賞与額にそれぞれ掛金率が掛けられる。
2010年3月現在15.704%、2017年9月からは18.3%の固定となる。
★厚生年金の「報酬比例年金」の年金額の計算基礎は、過去の標準報酬月額と標準賞与額を各年毎に現在価値に読み替え率を掛けた累積額を加入月数で割り「平均標準報酬額」となる。
これに生年月日ごとの支給率(0.95%~0.5481%)、加入月数を掛けたものとなる。数式と具体例は下記。
「平均標準報酬額」(例40万円)×支給率(0.5481%)×加入月数(例480月)=年金額(例1,052,352円→1,052,400円)
★ここで問題は、現行の厚生年金「報酬比例年金」の「報酬」の範囲と定義である。
標準報酬月額は毎年の5月・6月・7月4月・5月・6月の毎月給与の平均で決まる。
この給与の範囲は、所定給与と残業・家族・役職・住宅手当はもちろんのこと、さらに定期代も含まれる。
上限635,000円以上でも62万円のランクとなるが、基本は税引き前の税込平均給与である点である。
★実際の月額給与の平均が月5万円の人でも標準報酬額月額は下限9万8千円、21万円の人は標準報酬額月額22万円に当てはめるために、厚生年金保険料が「不当に高く」徴収されているような「感じ」にさせているきらいはある。
もちろんランクアップした平均標準報酬額は将来の年金額に反映されるわけだが、このことを各人が推計するのはほとんど不可能。
★現行の厚生年金保険料の最大の欠陥は、徴収される保険料のうち幾らが厚生年金額に反映し、国民年金の基礎年金に反映するのが幾らかは明示されていないことである。
要するにどんぶり勘定なのである。したがって、未だ、自分は国民年金に加入した覚えがないという人がいることを「大きな勘違い」と笑えないのである。
制度に「透明性」がないところが、不安と不信の元凶となっている。
★この点、民主党の年金改革案では、「所得比例年金」に保険料15%は純粋に各人の「所得比例年金」のみに反映されるようだが、未だ影も形もはっきりしない。
民主党案「所得比例年金」の「所得」にどんな問題が立ちふさがっているのか、続いて推論してみたい。
(民主党年金改革案プレ論点整理を試みていきたい。今後、どこが争点になり、我々がウオッチしていくのはどこか?本ブログでは、民主党年金改革案の蜃気楼に眼を凝らし、民主党年金改革、「本気」できるのかどうか?「本気」にやるとするとどこを解決しなくてはならないのか、考えていきたい。本稿は適宜、連載)
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