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民主党年金改革で在職老齢年金はどうなるのか? (その3)

「所得比例年金」案、65歳からの所得と年金の調整に注目

★年金制度のなかでも在職老齢年金の仕組みはほんとうにむずかしい。
「自分はこんな安月給になったのに、なぜ、年金がもらえないのか?」とライフプランセミナーで60歳定年直後の人によく聞かれる。
「定年後は会社とは業務委託契約で働く。受け取る報酬は請負金。給与ではないから在職老齢年金ではなく、老齢厚生年金をまるまるもらえることになっている」と、なかなか賢いことを言う人もいる。

★現行の在職老齢年金は人それぞれの働き方、報酬の受け方、報酬の種類によって、なんとも「不公平」な制度でもある。

・現行の在職老齢年金の対象となる人は、60歳からも会社勤めで厚生年金加入者である。したがって、厚生年金に加入しないで会社の仕事を請け負う、またはアルバイト契約などで厚生年金加入を回避すれば、在職老齢年金で年金カットされないで老齢厚生年金は100%受けられる。

※ただし、現行制度では、厚生年金加入者の専業主婦の配偶者は、国民年金保険料を払わなくても済む、また60歳以降の加入期間も加わり年金が増えるなど厚生年金加入メリットもある。

・厚生年金加入であっても、他の収入、株の配当や不動産収入、原稿料や講演料などは年金減額・停止の対象となる総報酬月額相当の「報酬」にはならない。
老齢厚生年金の在職老齢年金の「基準」となる「報酬」は、あくまでも会社が支給する「給与支給総額」である。

例えば、報酬を月10万円にして、自社の持株配当で年間数百万円受けたとしても年金は100%もらえる。
現行の在職老齢年金の「抜け道」は結構あるのである。

★厚生年金は過去の所得に応じた年金ということになっているが、高い所得の人は高い保険料、されど年金はある一定水準に抑えたものとなっている。
その「心」は、高い人から低い人への「所得再配分」にある。

ところが、この所得は「給与所得」だけのことで、総年収でないから、さまざまな機会で複合的かつ副業的に稼げる人の「総所得」の再配分ではない。

厳密な意味での高所得者から低所得者への「再配分」にはなっていない。
かといって、厚生年金はその人の納めた保険料総額に対応した年金額でもない。
現行の厚生年金の制度的思想は、かなりルーズである。

★民主党の「所得比例年金」は、いかなる「所得」をもって「所得比例」なのかはわからないが、納付保険料に対応した年金給付とするのであれば、60歳以降の在職老齢年金はかなり深刻な論議を呼ぶはずである。

★再度、民主党年金改革案の「絵柄」を見てみよう。
「カナダ方式」は2004年参議院選挙時、「スウェーデン方式」は2009年衆議院選挙時、民主党が提示した2つの「絵柄」である。どっちに転ぶかは、今は不明。とりあえず、2つの絵をご覧いただきたい。

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ここから、次の疑問がわいてくる。

1.消費税でまかなうという「最低保障年金」は、「所得比例年金」が小さければ小さいほど全額を受けることができる。ここから、「所得比例年金」を支給されなくとも老後はなんとかやっていける富裕層は、「所得」を小さくする「努力」を計るようになるのではないか?という疑念を提出する人がでてくる。

しかし、実際には、自営業でよく稼ぐ人達の「申告所得」は税務署の眼を誤魔化すのは多難の技である。やはり、「所得比例年金」の「所得」の定義いかんにかかっていることになる。

2.65歳以降の「最低保障年金」が限りなくゼロになる高額「所得比例年金」者が65歳すぎても働いている場合、他の所得と調整することになるのか?
この場合の「所得」とは、「給与所得」なのか、「総年収」なのか、「課税所得」なのか、この所得の把握方法によって、現行の「在職老齢年金」はまったく別のものになる可能性が高い。

3.例えば、不動産収入や株の配当収入などの「資産所得」者の場合、生産手段から来る定年退職はない。「所得比例年金」の「所得」がこうした「資産所得」にもとづいて保険料を納めることになれば、当然に「所得比例年金」は65歳以降にどんなに高額所得であろうとも、満額支給となるのが「筋」となる。
ここから、現行の「在職老齢年金」の考え方、給与と年金の調整という「セコイ」方法は成り立たなくなる。

4.鳩山兄弟や小沢さん、ユニクロの柳井社長にも「所得比例年金」はいかがなものか、と当然に反論が出てくる。そこで、「所得比例年金」にもなんらかの「減額・停止」の手法が設けられることになるのであろうか?

さて、影もカタチもない民主党年金改革案であるが、今後の論議のなかで在職老齢年金の行方にも注目していきたい。

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2010年03月12日 05:05に投稿されたエントリーのページです。

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