給付利率を現行の2.9%から0.3%下げの減額
★企業年金は年金減額の波が急速に拡大していく荒れ模様となりつつある。2012年3月期の企業の退職給付会計基準の見直し、積立不足の一括計上、自己資本の縮小、もしくは債務超過への転落、経営者にとっては年金悪夢がやってきた。
三菱重工、現役社員約3万4000人、退職者1万9000人の半数である9500人を対象に、
企業年金の年金現価率を現行の2.9%から0.3%下げ改定を2010年9月実施する。
★日経新聞2010/3/22付記事によると、
「給付利率は年金の給付額を計算する際に使う利率。現在は10年物国債の直近3年間の平均利回りに1.3%を上乗せしている。この加算部分を0.3%縮小し1.0%とする計画。退職者などが受け取る年金額は平均で月1000円程度減る見込み。給付利率は今後、3年ごとに見直す方針」
恐らく、疑似キャッシュ・バランスへの確定給付企業年金の改変なのであろうか?
10年物国債の直近3年間の平均利回りを1.6%にみたて、それに1.3%を上乗せしていたようだ。この上乗せの1.3%を0.3%下げ1.0%とし、2.6%にするのであろう。
★一般的に、キャッシュ・バランス制度の確定給付企業年金は毎年度見直すところ、または3年毎に見直すところなど様々である。また、下限上限を設け、10年物国債の直近5年の平均というところで、現在は下限1.5%、上限4.5%が多い。現在は、下限1.5%のはりついたままの確定給付企業年金がほとんどでもある。
この下限も市中の実勢金利と比較すれば、最高の元本確保型金融商品で大口定期にも積立年金保険もかなわない水準である。
★さすが、大・三菱重工である。10年物国債の直近3年間の平均利回りを1.6%に1.0%の上乗せ。まだ十分に優遇された企業年金である。三菱重工の退職給付債務の積み立て不足金は「2591億円の資産が不足している(2009年3月期末時点)」(同・日経電子版)というから、0.3%程度の引き下げで積立不足は解消するのであろうか?
日経新聞電子版の記事では、そこら辺りが未解明である。
★2004年以降の企業年金制度の改定のなかで、かなりの企業では現役社員も退職OB年金受給者も等しく、その年金現価率が上下限の範囲で変動する仕組みに変えている。三菱重工の場合は、「99年ごろから退職者に対し、経済環境によっては将来の年金受取額が変動する可能性を伝え、了解を得ているという」(同・日経電子版)
恐らく、企業年金規約の変更申請で済むのか?退職OBの変更のための同意の署名押印が3分の2以上必要なのか?日経新聞電子版の記事では、そこら辺りも未解明である。
どうも、最近の日経新聞記事は突っ込みが足りない。
※三菱重工の企業年金は、2012年3月末に制度廃止となる適格年金。これから2年以内にいかなる制度に変更となるかは不明。
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