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確定拠出年金(DC)事情、「給与振替型」移行が流行?

確定拠出年金(DC)か、給与か、それとも厚生年金か、どちらが得か損か?

★適格年金制度の法令廃止が後2年後、2012年3月末に迫っている。そこで企業年金のひとつである適格年金は確定拠出年金(DC)への移行が増大しているかというと、そうでもないらしい。現役の独立系の企業年金コンサルタントのAさんから最近の確定拠出年金(DC)設計事情を知らせるメールが来た。「最近は退職金や適年からの移行が少なくなり、いわゆる「給与振替」型への関心が高いと感じております」とある。『「給与振替」型』とはなんぞや?というと、要は現在の毎月の所定給与か賞与から、確定拠出年金(DC)の掛金に振り替えるやり方である。

★「給与振替」型確定拠出年金(DC)、2002年頃に真っ先に考案したのが企業年金コンサルタントのAさんである。退職金や企業年金から確定拠出年金(DC)に移行するにあたって、その原資が企業で思うように捻出できない。また、捻出できても余りの低い掛金では社員も確定拠出年金(DC)の魅力を感じない。

さりとて、わずかの給与アップをしたところで、税金は上がる、社会保険料も上がり手取りもそんなに増えないこともあって社員は心から喜んでくれない。
ならば、社員にとっても、会社にとっても、「効率的に」確定拠出年金(DC)掛金を調達する方法はないかと思案したところ、給与や賞与そのものを原資とする方法があるではないかとなった。

★現行の退職金や企業年金(厚生年金基金や適格年金)を廃止し、確定拠出年金(DC)に移行させるには、さまざまな難しい規制という認可基準がある。ところが、全く新たに確定拠出年金(DC)の掛金を設定する場合には、比較的柔軟な設計ができる。
確定拠出年金(DC)導入にあたって、給与や賞与を減額してはいけない、という規定はないのである。

★例えば、年収500万円の社員がいるとする。この人の給与10%50万円を削減し、これを確定拠出年金(DC)掛金とするのである。そこに会社はこれまでの企業年金なり退職金の費用分である10万をプラスマッチングして、会社掛金として年間60万円(他の企業年金がない場合の非課税限度額は月額5.1万円 ・年額61万2000円)とした場合である。

★会社にとっては、持ち出し額は増えない。しかも、支払給与が10%分減少した分、社会保険料などの会社負担分はコストダウンできるというメリットができる。社員数が増えればそれだけコストダウンは大きいものになる。

★社員にとっても社会保険料や所得税・住民税の個人負担がかなり抑えられる。年収500万円と450万円では、それぞれ20%強の租税公課とするとその差10万円強となるから大きい。

★給与が50万円減って、その分を確定拠出年金(DC)で毎年50万円積み立てることで社員にとってのデメリットもある。まず、健康保険の傷病手当金など現金給付額が減る可能性はある。また、雇用保険の失業手当の日額も減る可能性もある。厚生年金の平均標準報酬額が減った分、将来の老齢厚生年金も減る。しかし、確定拠出年金(DC)に「給与振替」するとどうなるかである。

★年収500万円と450万円、この差50万円の将来比較をしてみよう。
それぞれ25年間分で将来の老齢厚生年金を試算すると、前者は年額約68万5千円、後者は約61万6千円、その差6万9千円。65歳から20年の総額で138万、老齢厚生年金が減る勘定になる。

ところが、年間50万円分の掛金を確定拠出年金(DC)、年率1.0%で積み立てると、25年後の想定積立額は約1420万円。これはもう勝負ありである。年率1.0%でも厚生年金は確定拠出年金(DC)に勝てない。

★ところが、企業型確定拠出年金(DC)に個人のマッチング拠出が2012年1月から認められると「給与振替型」確定拠出年金(DC)の有効性はどうなるか?

恐らく、個人のマッチング拠出掛金分は税金的には所得控除されるが、社会保険料は拠出前の年収総額で捕捉される。やはり、社員にとっても会社にとっても、「給与振替型」確定拠出年金(DC)の方が断然有利となるから、個人のマッチング拠出を導入する以前に労使でジックリと会社と個人の効率的老後設計を論議すれば、自ずから結論はでてくることになる。

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2010年04月21日 06:15に投稿されたエントリーのページです。

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