国土交通省、高齢者賃貸住宅に登録制度を導入
★「高齢者賃貸住宅」の普及拡大を促すそうだ。国土交通省は「入居者と事業者への融資制度を拡充」「台所や浴室などの一定の条件を備えた住宅についての新たな登録基準を新設」(日経新聞5月14日号)。
2020年には「有料老人ホームなどを含め100万戸超を目指す」(同紙)というから、高齢者専用のアパートや老人ホームが日本中いたるところにお目にかかるようになるらしい。
しかし、これは実に「芸のない」施策である。街づくりの理想は、老若共生のコミュニティー創造であるはずが、どうも国土交通省建設官僚や厚労省福祉官僚達は老人収容施設がお好きらしい。
★「高齢者賃貸住宅」という老人アパートは増えている。
独身若年者向けワンルーム賃貸アパートもそろそろ供給過多のご時世である。若者がダメなら一人暮らし老人ということで、老人ワンルーム賃貸業に鞍替えという発想である。
おそらく建設業界の強い要望があって国土交通省建設官僚も「仕事ネタ」を見出したのではないだろうか。
★「高齢者賃貸住宅」には当然に悪質業者の参入となる。「入居の際に多額の前払いを求められるケースが多い」「退去したにもかかわらず事業者の経営難などで前払い家賃が返ってこない」(日経新聞5月14日号)。
そこで、国土交通省は「前払い家賃の返還原資の保全についても、最大500万円の保全額の上積みなどを検討」(日経新聞5月14日号)。
★「高齢者賃貸住宅」登録事業者には、「住宅金融支援機構による融資を拡充」(同紙)。どうやら、個人の持ち家促進のためにあった住宅金融支援機構の貸付の先細りへの対応策として老人専用アパートローンの拡大を思いついたようだ。
★老人大国ニッポンは実は住宅が余っている。一説には国内の空き家は500万戸とも言われている。都心から30分の横浜市鶴見区の我家の前も隣もいつの間にか独り暮らしの老人は消え、今や空家になっている。
昭和40年代に都市周辺にドンドンと建設した公団住宅も今や老人ビレッジ化、近い将来にはゴーストタウン化していく現状を直視しなくてはいけない。
★「一人暮らしの高齢者は25年には673万人、要介護高齢者は721万人」(同紙)。
団塊世代700万人がこれから15年先には80歳に近い超高齢団塊世代となるから当然の数字である。
「高齢者賃貸住宅」100万戸、建てたまではいいけれど、次々に黄泉の国に旅立つ超高齢団塊世代でもある。15年後には老人専用アパートローンの残債は残る、見込んだ家賃収入は入らない。
空き室ばかりとなること必至である。
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