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企業年金連合会の平均運用利回り、10年平均で1.58%(その3)

過去5年平均2.35%、1996年度来では平均2.88%

★平均運用利回りというのはクセモノである。
過去2年間、マイナス運用だったけど10年平均で1.58%だった。過去5年でみれば平均2.35%だった。過去14年、日本バブル崩壊後の金融危機、ITバブル崩壊、そしてリーマンショックの荒波をよくぞくぐりぬけ、平均2.35%は立派だ!よくぞ沈没することなく水面から顔を出してきた!「御健闘おめでとう」と評価できるかどうかである。
たまたま某運用評価会社の某ストラテジスト氏の最近の講演で「日本の企業年金連合会の資産配分では」とか、「過去平均でも約3%近い」と言った御高説を聴いたが、果たして、日本有数の機関投資家でもある企業年金連合会の運用は、我々の期待の星、模範生なのだろうか?

★個人の資産運用ならば、はじめに元本1300万円を投資し、毎月コツコツ20万円(年間240万円)を積み立て、年平均2.88%で運用できれば、14年後の今は約6000万円にはなっているはずである。もちろん、この14年間、1円も引き下ろしなしの場合であるが、「年平均2.88%」というのは低金利時代の今はものすごく魅力的な数値である。

★年金運用が面倒な点は、個人の運用のように「長期、分散、低コスト、コツコツ積立」というわけにはいかないところにあるようだ。

(前年度積立残高+掛金収入―年金給付費-運用コスト-運用損失)=年度末積立残高
ということになる。
構造的に常に増大する年金給付、減少する掛金収入、先細る積立資産のドン詰まり状況が深化していく。

★企業年金連合会の資産運用、確かに過去14年間で平均2.88%の運用利回りではあるが、資産残高は平成18年度末の13兆1943億円をピークにドンドン減りはじめている。

★企業年金連合会の年金財政の実情をシンプルに理解するために、公表されている過去3年間の「積立資産残高」「掛金収入(企業年金連合会の場合は個別の厚生年金基金や企業年金基金からの移換金、徴収金)」「給付費(年金と一時金)」をみておきたい。

・H19年3月末=積立資産残高13兆1941億円、移換金など収入2915億円、給付費4052億円
・H20年3月末=積立資産残高11兆7659億円、移換金など収入3154億円、給付費4479億円
・H21年3月末=積立資産残高9兆3096億円、移換金など収入2084億円、給付費5226億円

上記数字は厚生年金基金の代行部分と加算部分、確定給付企業年金基金、それぞれの短期加入の中途脱退者の移換金の年金経理の合計額である。

企業年金連合会の年金財政構造は、定常的な「掛金収入」はない。収入は各年金基金の中途脱退者の年金資産の移管金である。

かっては、大きな移管金、少ない給付費で、キャッシュフローが潤ってきた時代が続いた。
しかし、過去3年だけをみてもそ余裕はマイナスにある。
H19年3月 移管金-給付費=マイナス1137億円
H20年3月 移管金-給付費=マイナス1325億円
H21年3月 移管金-給付費=マイナス3142億円 

毎年度の給付費をやり繰りするには、年度の収入では賄えないわけだから、今後、積立資産は急速に減少していくことが確実である。

★企業年金連合会の中途脱退者の年金の予定利率は、平成9年は5.5%、平成10年度4%、平成11年度から平成14年度までは3.5%、平成15年度から2.25%である。
資産運用利回りが10年平均で1.58%では完全に逆ザヤ。過去5年平均2.35%、1996年度来では平均2.88%でなんとかトントンとなるが、恐らく過去に積みあがった積立不足金は結構痺れるものがあるはずである。

★平成21年3月末現在、厚生年金基金代行部分の積立不足2兆8324億円、厚生年金基金加算部分の積立不足70億円、確定給付企業年金基金の積立不足金122億円、合計2兆8516億円の積立不足となる。
不足金のほとんどは厚生年金基金代行部分である。
厚生年金基金代行部分は本来的に国の厚生年金の資産である。
いつまで企業年金連合は国の年金の委託運用をつづけるのであろうか?

★企業年金連合会のHP「年金資産運用の基本的考え方」に次のような文言あり。
「安全な運用のためリスクを落として低い運用利回りでいいのでしょうか。車の運転で、ゆっくり走ればゆっくり走るほど安全運転かといえば、そうではありません。制限速度よりあまりにも遅いと、かえって危険な場合もあります。年金資産運用も同じで、リスクを低くすれば良い運用ということにはなりません。運用利回りが低すぎては、将来必要となる年金資産を確保できないことにもなり、逆に年金財政が不安定になってしまいます。将来必要な年金資産を確保するためには、ある程度リスクをとって必要な運用利回りを目指していかなければなりません」

★誠におっしゃる通りではあるが、高価な車を高額な運用コストと人件費をかけてF1レーサーを真似てぶっ飛ばす御身分なのかどうか?
中途脱退者の年金受給権者の一人として、その点をもう一度、御再考願いたいものだと痛感する企業年金連合会の資産運用でありました。

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2010年06月09日 03:21に投稿されたエントリーのページです。

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