「所得比例年金」が消え、「国民的議論」が入り、なんとなくボンヤリしたものに後退
★政権交代した民主党の最大の使命が年金改革であったはずだ。
ところがはや1年が経過したにもかかわらず、たいした検証をしてきていないようだ。「新年金制度に関する検討会(議長・菅直人首相)」は、6月29日、7月の参議院選挙向けの7つの基本原則を発表した。
1.年金一元化
2.最低保障年金
3.負担と給付の明確化
4.持続可能
5.「消えない年金」
6.未納・未加入ゼロ
7.国民的議論
★2009年衆議院選挙で民主党が公約にかかげ、政権交代後も表明してきた年金改革案の核は3点あった。( )内は筆者注。
1.全国民共通かつ強制加入の所得比例年金の導入(=現行厚生年金所得比例年金の全国民適用)
2.最低保障年金月額7万円(=現行国民年金の廃止・全額消費税を財源)
3.2014年以降に導入する前に衆議院選挙をして国民の信を問う
★「新年金制度に関する検討会(議長・菅直人首相)」の基本7原則から、所得比例年金の導入が隠された。「年金一元化=全国民が同じ1つの年金制度」という言い回しに変化。
★最低保障年金月額7万円の7万円が消え、「最低保障=最低限の年金額を保障」に後退。
★「検討会は新たな年金制度を検討する必要性について、労働力人口の減少などを挙げて「現行制度を存続させることは困難」」(日経新聞6月29日夕刊)を年金改革の要因としている。
しかしなぜ現行制度の持続が困難で、民主党改革案が持続可能なのか、ここが肝心なのだが、未だ掘り下げた説明がない。
★問題の掘り下げがないから、年金の制度危機の共有が生まれない。
「国民的議論」をどんなにしたところで、改革への不退転の気概が出てこない。
民主党年金改革案、これは新たな迷走の始まりとなりそうである。
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