3号から1号、資格変更届けをわすれたばかりに障害年金の受給権を失う
★配偶者の年金資格、3号から1号の資格変更について続けたい。
厚労省は、夫の厚生年金加入期間と妻の3号被保険者期間の「食い違い」の実態把握をするそうだ。夫退職、妻が3号被保険者から1号資格変更届けをして国民年金保険料を60歳まで納付しつづけていれば問題はない。ところが、それをせずに変更手続きの放置をしておくとどんな問題がおきるのかを整理しておきたい。
★先週のI社の50歳社員のための夫婦参加のライフプランセミナーで「加入25年以上あれば保険料をもうはらわなくともいいのですか」と聞いてきた奥様がいた。今は専業主婦で3号被保険者である。夫60歳で定年退職の時は46歳だという。その時、夫が完全引退すれば、その奥様は60歳までの14年間、国民年金の1号被保険者への変更手続きをして保険料をはらわなくてはなりませんよ、と伝える。46歳の時、最低加入資格条件、25年以上あるから保険料をはらわなくても年金をもらう権利があるからいいではないかという「誤解」をいだくことになったわけだ。
★最悪のリスクは妻の障害年金の受給権がなくなることである。
妻46歳で60歳までの14年間、3号被保険者から1号資格変更届をしないということは国民年金未加入ということになる。もちろん国民年金保険料の未納である。
ここで万が一、身体に障害が残るようなアクシデントにあったときである。
★国民年金の障害基礎年金の支給条件は、次の3点である。
1.国民年金に加入していること。
2.初診日の月の前々月までに保険料納付期間(厚生年金加入期間・3号被保険者期間含む)と保険料免除期間・カラ期間(保険料納付なくとも資格をもらえる期間)の合計が、保険料納付義務期間の3分の2以上あること(滞納期間は3分の1未満)。
3.65歳未満で2016年(H28)4月1日以前の初診日があれば、上記1と2をみたさなくとも、初診日の月の前々月までの1年間に国民年金保険料の未納・滞納がないこと。
★夫60歳で定年退職、妻46歳。まことにお若い女房殿でうらやましい限りであるが、妻60差まで国民年金保険料の未納未加入は、65歳からの老齢基礎年金の受給権を確保できたとしても、障害基礎年金の受給権は危ういことになる。
★障害基礎年金の年金額は、
障害1級程度(車椅子での移動を余儀なくされるような状態など)で、年額約99万円。子どもが一人、18歳未満であれば年額約121.79万円である。
障害2級程度(言語機能に著しい障害が残った状態など)で、年額約79万円。
子どもが一人、18歳未満であれば年額約101.79万円である。
★妻が65歳になった時は、妻自身の老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額と障害基礎年金と比較して、高い方を選択できるようになる。障害基礎年金は大きな保障額である。
50歳から80歳まで障害1級の障害基礎年金を受けるとすると、現在価格でも約3000万円近い金額となる。
国民年金の機能は、65歳からの老後所得保障もさることながら、障害、遺族の保険機能があるセイフティーネットとしては結構優れモノなのである。
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