「年金数理部会セミナー2010年」でみえてきた大幅リフォーム案
★所得比例年金・最低保障年金、スウェーデン型年金改革案が民主党政権のマニフェストである。
この民主党年金改革案の理論的リーダーはどうやら慶應義塾大学経済学部教授 駒村康平先生のようだ。
マスメディアにほとんど報道されることもなく「年金数理部会セミナー2010」が8月20日に開催されていた。基調講演者であった駒村康平教授は、現行制度、民主党案(目標)、中間的改革(大幅リフォーム案)を解説している。
本稿では、唯一、「年金実務8月30日号」で報じられた同フォーラムの内容をもとに、浮上しつつある(今後は沈没もありか?)民主党年金改革案の概要をトレースしていく。
★民主党年金改革案に対して駒村康平教授は、「新しい家(民主党案)を作る前に古い家(現行)を壊さない」発想から、中間的改革案(大幅リフォーム案)を主張している。
★民主党案も大幅リフォーム案も現行の厚生年金の所得比例年金の適用拡大、非正規社員、パート社員、自営業者、専業主婦も加入する「新型厚生年金」(駒村康平教授の提唱)への衣替えでもあることが最大の特徴である。
★この2つの改革案でいう年金一元化とは、「日本国に在住のすべての15歳以上の人が所得比例年金に強制加入」のことである。したがって、これから本格化するであろう?年金改革案では「全居住者共通の所得比例年金強制適用」の是非が論議の争点となるのであろう。
★駒村康平教授の解説のなかで判明してきた民主党年金改革論議のポイントは、7点ある。
1.新所得比例年金は、15歳以上の正規社員、非正規・パート社員、自営業者、無職者、失業者、専業主婦も強制加入である。
2.保険料率は民主党案では15%固定、大幅リフォーム案でも固定(駒村教授著作「大貧困時代」角川SSC新書発行では19%固定)。
3.支給開始年齢は現行の原則65歳を67歳に引き上げ。
4.給付体系は民主党年金改革案では拠出建ての見なし金利付与のころがし計算、大幅リフォーム案では給付建ての再評価後平均報酬をもとにした定率・年数加算。
5.年金額の減額調整は、現行のマクロ経済スライドに代わって「コホート別調整係数」(出生率や平均余命伸展率などか?)
6.新所得比例年金である一定の給付水準に至らない人には、「最低保障年金」を新所得比例年金の給付額に応じて付加していく。
7.年金受給中の在職者の年金は、両案とも支給制限はなしとする。
★8月20日の「年金数理部会セミナー2010」で駒村康平教授から示された「現行・大幅リフォーム案・民主党案」の一覧と駒井康平教授の著作「大貧困社会」から主要な点を推測もふくめて、加工作成のうえまとめておきたい。

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