厚労省、「脱退手当金」支給漏れ14万件に通知、年金記録復活、年金増額もある
★「脱退手当金」をもらったつもりのおばあさん、お母さんには朗報。
厚労省は「脱退手当金」の支給漏れの疑いのある人に9月6日から通知を開始した。過去に厚生年金に加入、退職の際に「脱退手当金」を請求したが、支給漏れになっていたらしい14万件について、年金額訂正をすることになった。
★「支給記録がありながら手当金をもらっていない人は、年金記録を訂正すれば加入期間が延びて年金の受取額が増える」日経新聞9月15日号で報じている。
対象者は1941年(S16)4月1日以前に生まれた人である。現在69歳以上の人が対象である。日本年金機構から通知が来たら、その通知書にある書類を持参して最寄りの年金事務所に行くと、あれこれ聞かれることもなく年金額が増額改定される可能性が高い。
ここで「脱退手当金」についておさらいをしておこう。
★その昔、「脱手」をもらってハワイに行こう、などと呼び掛けた不謹慎な学者がいた。
その昔とは、1986年(昭和61)3月以前である。昭和61年4月以降は「脱退手当金」は制度的には廃止となった。老齢基礎年金が導入され、公的年金の最低必要資格期間25年(生年月日によっては期間短縮特例あり)以上に結びつけば、支給開始年齢(60歳~65歳)になれば厚生年金6年分でも受給権がうけられるようになった。
★しかし1986年(昭和61)4月以前に「脱退手当金」の受給要件を満たしていた人には従前通り、脱退手当金を受けられるようにしてきた。
★「脱退手当金」は昭和19年の厚生年金制度が発足した当時からあった。支給要件は時代とともに変遷してきた。現在の支給要件は5点。
1.昭和16年4月1日以前に生まれた人(現在69歳以上)
2.厚生年金の被保険者期間5年以上
3.60歳に達して厚生年金被保険者でなくなっていること
4.老齢厚生年金の受給加入資格期間を満たしていないこと
5.過去に脱退手当金額をうわまわる障害厚生年金の受給権を有していないこと
★「脱退手当金」の額は、被保険者であった全期間の平均標準報酬月額×支給率(被保険者期間に応じ最低1.1~最高5.4)
10年間会社勤めをして、当時の平均給与10万円とすると、約21万円程度の脱退手当金となった。件の学者が『「脱手」をもらってハワイに行こう』と壽退職する女性たちのあさはかさを皮肉ったのも頷ける現実があったのだ。昭和の古の女性たちにとって、年金なんて鼻からあてにしていなかったのか、結婚すれば老後は亭主の年金で十分という意識だったのだ。
★2010年9月、「脱退手当金」受給したおばあさんやお母さんのうち救済されるのは次の2点に該当する場合である。
1.脱退手当金未支給期間(実際にもらった脱退手当金の期間にない期間)ともらった脱退手当金の計算の基になった期間が、厚生年金の「同じ記号番号」である。
「実際にもらった脱退手当金の期間の前に脱退手当金未支給期間がある」場合
2. 脱退手当金未支給期間(実際にもらった脱退手当金の期間にない期間)ともらった脱退手当金の計算の基になった期間が、厚生年金の「異なる記号番号」である。
「実際にもらった脱退手当金の期間の前に脱退手当金未支給期間があり」かつ、「脱退手当金の支給日から1年以内に国民年金などに加入し、未納がない場合。
旧姓時代の記号番号、新姓の記号番号、一人でダブルの記号番号をもっている場合である。
★「脱退手当金」には5年時効がない。
「脱退手当金」は「すべて請求したときに受給権が発生」となっているので、今回の日本年金機構からの通知ハガキをもって、年金事務所に駆け込めば、過去の未支給分は受け取ることができる。
年金お助けBOOK 2008-2009年版
適格年金のやめ方