厚労省、厚生年金基金に緊急点検を命じる
★長野県建設業厚生年金基金の消えた掛金約21億9千万円事件は、全国紙やテレビで続報がない。唯一、地元の信濃毎日新聞のウエブ版は9月25日、「毎月や年1回の定期監査は通帳資料や領収書などで出入金を確認せず、顧問の社会保険労務士も、月例監査では、連絡が取れなくなっている男性事務長(52)=長野市=が作成した帳簿を見るだけだった」と報じている。
★9月9日以降、行方をくらましている男性事務長を刑事告訴するところまでには至っていないようだ。上記記事にある顧問の社会保険労務士とは、厚生年金基金の学識経験顧問であり、恐らく旧社保庁のOBであろう。
★長野県建設業厚生年金基金の事件で重要ことは、基金の内部監査、厚労省の地方厚生局による定例の外部監査でも見抜けなかったという点である。そこで厚労省は608ある全国の厚生年金基金に内部監査の状況を緊急点検し、その報告を求めることになったわけだ。
要は身内のズサンな監査をその身内に緊急点検させるようなおかしな話だ。
★総合型厚生年金基金の監査は、同じ役所の新旧のOB同士の親交を温め合う監査であるケースがほとんどである。役所のOBや厚生年金基金の常務理事経験者を「学識経験顧問」とか「学識経験監事」とかにして月数万円から数十万円の顧問料を払っているような内部監査のあり方が問題である。
★「学識なき経験監事」と陰口を言っていた厚労省の幹部もいた。「学識経験監事」不要論は厚生年金基金40年の歴史のなかで幾度も指摘されてきたことだ。
年金資産は数100億円から数千億円という厚生年金基金もある。外部の監査法人や税理士に「厚生年金基金会計監査人」に担ってもらうぐらいのカイゼンをしないかぎり、総合型厚生年金基金の不祥事はなくなりそうもない。
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