基礎年金財源不足、約2.5兆円、ついに年金積立金取り崩し
★わかっていてなにもできない政治の無能がさらけだされた。
基礎年金の国庫負担2分の1の財源は、2009年度までに恒久財源を確保することになっていた。2004年の年金制度改正の約束事であった。09年度、10年度は財政投融資特会積立金、いわゆる「埋蔵金」の流用で誤魔化してきた。
★ここまでは当時の政権与党、現在の野党である自民党・公明党の責任である。
09年秋、民主党は2013年度の年金抜本改正・消費税引き上げまで、事業仕分けによる新たに埋蔵金発掘で何とかやり繰りするというマニフェスト=約束事で政権奪取した。さてここに来て、国庫負担で2分の1を賄うには約2.5兆円が足りないことがわかりましたと、あっさりシャッポを脱いでしまった。
ここからは現政権与党・民主党の責任である。
★「税負担割合は暫定的に2分の1から36.5%に引き下げる」と日経新聞電子版11月29日号が報じている。国庫負担36.5%というのは、08年度までの水準である。引き下げても足りない基礎年金財源、約2.5兆円はどうするのか?
★「年金特別会計の積立金を使って2分の1を維持する方向」(同紙)ということは、年金積立金約154兆円(09年度末)を取り崩すことになる。ところが民主党政権登場時の見込み違いを棚上げにして、「保険料引き上げや給付削減はしない」(同紙)とヌケヌケと無責任なことを言い始めている。
★民主党政権の「財務省の吉田泉政務官」「厚労省の岡本充功政務官」が協議し、「2分の1と36.5%の差額分については消費税率引き上げを含む税制抜本改革の実施時にさかのぼって補てんする方針」(同紙)とこれまた無責任な「方針」を掲げてしまった。
★積立金取り崩しが反対にあうか、2014年度の消費税引き上げができなかったら、保険料を引き上げるか、給付削減をすると居直りがチラチラしている。
★ついに基礎年金財源に年金積立金に手を突っ込みだしたという見るむきもある。実際には、年金積立金の取り崩しはすでに既定になりつつあると疑いたくなる兆候はあった。
「年金積立金管理運用独立行政法人は運用結果の如何を問わず、厚生年金・国民年金勘定への償還金として6兆8221億円、分配金として4兆1917億円、あわせて約11兆円が積立金からの取り崩しとして定められている」(本誌ブログ10年9月1日号)
★民主党の年金改革に対する不甲斐なさは、本誌ブログで何度も伝えているように、「改革への不退転の決意が希薄である。それは現行年金制度の徹底した検証が欠如しているところにある」(本誌ブログ10年8月16日号)
★政権与党になった途端、肝心なことは何ひとつ情報公開しなくなったこの党に今さら何を言っても始まらないが、今やるべきことは、厳かに、簡潔に、正直に、年金財政の危機的状況の情報開示であるはずである。しかし、政権与党民主党は、お題目の「政治主導」で現在の年金財政の本当の未来すら解明できていない。
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